商店街アドバイザーに聞く、商店街活性において大切なこと 【コミュニティづくりの現場から#4】
こんにちは、NEWPEACEのプロダクト開発チームです。
前回に引き続き4回目となる「コミュニティづくりの現場から」シリーズ。今回は商店街アドバイザーとして活動されている堀さんに、お話を伺いました。
前回のnoteをまだ読んでいない方は、是非他の記事もご覧いただければと思います!
【コミュニティづくりの現場から】とは?
NEWPEACEのプロダクト開発チームでは、プロダクト開発の一環で
・店舗のコミュニティ化に取り組む店舗オーナーの方
・商店街活性や地方創生の文脈で、地域コミュニティの構築の最前線で活躍する方
・先進的なコミュニティ運営に携わるコミュニティマネージャーの方
など、様々な形で「コミュニティづくり」の現場で活躍する方々にインタビューを重ねてきました。
【コミュニティづくりの現場から】は、そうしたコミュニティづくりの現場で活躍する方の工夫や知見を、noteの記事にまとめてお伝えしていくシリーズです。
コミュニティづくりやコミュニティ運営に携わる方の参考になれば幸いです!
今回お話を聞いた人
堀登志子さん
商店街よろず相談アドバイザー ユーモアコンサルタント 日本笑い学会理事。「笑いで」ではなく 「笑って」お店から商店街からまちへと元気が拡がるお手伝いさせてもらってます。
フラットな関係で、「自分ごと」化してもらう
商店街アドバイザーというお仕事は、聞き慣れない人も多いのではないでしょうか。
これは中小企業庁が始めた制度で、商店街からの要望に応じて商店街アドバイザーを現地に派遣し、現地の課題解決やイベント企画のアドバイスなどを行うというものです。
堀さん曰く、商店街アドバイザーの仕事のスタイルは十人十色なのだとか。堀さんは、どのようなスタイルで商店街活性に取り組んでいるのでしょうか?
堀さん「最初に商店街のお店とお話しするときは、上下関係を作らないことを大事にしています。お店の方達とはあくまでフラットな関係性を築いて、『応援する』ことを大事にしています。やってる、やらされてるみたいな関係ができてしまうと、うまくいかないですね。」
教える、教えられるといった上下関係を作ってしまうと、教えられる側になってしまった人は主体性を発揮しにくくなってしまうというのは、人間関係において確かに言えることかもしれません。
しかし、「フラットな関係を築く」と言っても、それを実践するのは容易なことではありません。堀さんの工夫もお聞きすることができました。
堀さん「商店街の方達が、しっかり『これは自分の意見、アイデアなんだ』と思えるようにすることを大事にしています。相手のちょっとした発言も見逃さず、しっかり拾い上げて企画にしていくお手伝いをすることで、例えばイベント運営だったら『このイベントは自分たちで立ち上げたんだ』という思いを持ってもらうんです。」
堀さんのこの言葉から、小さな成功体験、達成感の積み重ねこそが、主体性を育んでいくのだなと感じました。
私自身、学生時代のサークル活動では、後輩に主体性を発揮して活動に取り組んでもらうために試行錯誤した覚えがあります。その際も、自分が企画を考えてあれこれ指示を出すのではなく、対話を通して相手のやりたいことや意志を引き出し、それを形にするサポートをするようなコミュニケーションが非常に大切だと感じました。
些細なやり取りの中でもアイデアの種を見逃さない心配り。また、そのアイデアの種を、相手の意志を尊重しながら企画に育てられるコミュニケーションの力。これらの要素が揃っているからこそ、堀さんならではの商店街活性が実現できているのかもしれません。
「無関心」対策には、情報の共有が効く
商店街活性の取り組みについてお聞きする中で、堀さんだからこそ感じられる難しさについてもお聞きすることができました。
堀さん「商店街のお店の『無関心』や『他力本願』は、商店街活性における大きな障壁ですね。ただ、そういうお店が出てきてしまうのもしょうがないことです。そんなときは、『そういうお店のことはあまり気にしないように』と伝えています。積極的に取り組んでいるお店の活動が盛り上がるということは、商店街全体が盛り上がることです。そうすれば、自然と無関心な層にも良い影響が及び、だんだん協力してくれるようになります。結果で見せる姿勢が大事です。」
また、そういった「無関心」「他力本願」な層を生まないために堀さんが取り組んでいるのが、「情報共有の体制を作ること」だそうです。
商店街の活動や催し物などの情報は、なるべく商店街全体に行き渡らせることができるよう、LINEグループなども積極的に活用しているのだとか。
情報をフラットに伝え、商店街活性の取り組みを商店街のお店全体に広げていくことも、『無関心』『他力本願』な層を生まないために大切なことなのですね。
大事なのは、「お店同士の横のつながり」
最後にもう一つ、堀さんが重視していることをお聞きすることができました。
堀さん「お店同士が顔見知りになっていくことは、とても重要だと思います。同じ商店街の他のお店のことを知っているだけで、、『同じ立場の人がいる』『頼れる人がいる』と思えるようになります。そんな状態は作っていきたいですね。」
正直、インタビュー前は「商店街といえば、横のお店同士でよくお喋りしている」という印象を持っていました。しかし、堀さん曰く実はそうでもないようなのです。堀さんや商店街の一部の人がハブとなり、お店同士を繋げるような活動をしているのだとか。
確かに、お店同士が顔見知りになれば、日頃のコミュニケーションの中から「やってみたいこと」や「面白そうなアイデアの種」がもっと生まれてくるのかもしれません。そういった些細な会話から、商店街を盛り上げる面白い企画がまたたくさん生まれてきそうです。
「商店街活性」と聞くと、「いかに外から人を連れてくるか」「商店街の目玉を作って売り出すか」という部分に意識が向きがちな印象があります。
もちろんそれも大事ですが、その前に、まずは商店街の中のお店がしっかり顔見知りになること、商店街の中で関係性を作っていくことが大事なのかもしれません。
堀さんからお知らせ
尼崎市の塚口笑店街(本名は塚口商店街)が、コロナ災禍にすてきなメッセージカタログを制作されました。開くページのなかで店主たちが実に楽しそうに笑ってます。商店街から笑顔の連鎖が生まれる気配り。お手にとってみてください。お店や尼崎市役所においてます。
動画もつくっちゃってます。
塚口笑店街「笑顔に会いに行く」編
おわりに
今回は、商店街アドバイザーの堀さんのお話をまとめてみました!
長年商店街アドバイザーとして活動されているからこそ、会話の端々から経験値の多さや堀さんならではのノウハウを感じ取ることができ、とても勉強になりました。ありがとうございました!
今後もヒアリングや日々のリサーチから得られた学びなどまとめてお伝えしていきます。
※「ヒアリング協力できます」という方がいらっしゃいましたら、下記までお気軽にご連絡ください!
info@comcom.app
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ここまでお読みいただきありがとうございました!
書き手 : Kazumi Higashino
編集 : Naoya Higuchi (Twitter : @n_hgc36)
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