【感想】『グレート・ギャッビー』
三井住友VISAカード ミュージカル
『グレート・ギャツビー』
-F・スコット・フィッツジェラルド作“The Great Gatsby”より-
脚本・演出/小池 修一郎
東京宝塚劇場で2回観劇してきました。いつもは、割と初めの頃、中盤過ぎでチケットを押さえがちなんですがそうも言ってられない人気チケットで…友会1、貸切1だったのであっさりマイ楽日を迎えました。
そんなわたしの事情はさて置き、グレートギャッビー
とっても良かった!!!
もともと、月組さんのお芝居が好きなこともあるけれどプリンシパルが皆さま歌が上手い。演技も手堅いのでストレスフリー!!
没入感がすごい。その分、めちゃくちゃ疲れます笑
そんな訳で、いつも通りのネタバレ有りの感想を綴りたいと思います。
ストーリーの感想
グレートギャッビーについて、前作も見ていないし映画版も録画を失念したので文字通りネタバレ無しで観ました。(唯一、ギャッビーが死ぬ云々だけは回避できなかった。まじで生死に関わるネタバレが一番許しがたいです。死ぬんだな〜って思いながら見るのヤダ)
結論からいうと、知らないで観た方が絶対面白い。予習しなくてよかった。
正直、登場人物はギャッビーとニック以外は好きになるのが難しいキャラクターばかりだった。
小池氏の作品は、ビンタシーンが多くて時代もあるんだろうけど男の暴力には何もときめかないのがいつも残念。
あと、一人の女性を思い続けるのはピュアで温まるんだけど演出が悉くストーカー並みの情念を感じてしまい、戦慄を超えてもはや面白い笑(フィクションだからな…)
色々色々気になるんだけど、良かった!と思うのはストーリーの結末とかじゃなくて、ひたすらいい芝居を観ることができたなという余韻の良さでしょうか。
ギャッビーの魂は救われたのかは、観客の想像に委ねられるというよりかは彼は好きな人のために死ねたことが幸せだったんだよと何となく提示されているように思いました。
キャストの感想
ジェイ・ギャツビー(月城 かなと)
ストーカーのように、向こう岸に居を構えようと大量に写真立てを飾ろうとも美貌で気持ち悪さを抑え込んでしまう圧倒的なカリスマ性を感じました。
立ち姿、後ろ姿、トレンチコートを羽織りダブルのスーツも全てが絵になってる。
そして、歌が素晴らしい。語尾のロングトーンも全てが丁寧で情感が溢れてる。主題歌を3回に渡り聞けるのだけど、どれも感情が使い分けられていて感動しちゃった。
初恋の人を守るために、無実の罪で殺されて葬式にもニックと実父しか参列していなかった。毎週、豪華なパーティーを開催しても本当に彼を想ってくれるような人はいなかった。
切ないというか侘しさでいっぱいになりました。
デイジー・ブキャナン(海乃 美月)
おバカさんになってみせるわ!というか、バカだな〜と全く共感できなかった。身も蓋もないんだけど…
彼女の魅力は、その美しさ以外でどこにあるんだろう?奔放な少女時代も、猪突猛進ながらも保身的な現在の姿からも過去を美化してずっと忘れられない人だっただけで等とこの役に魅力を感じられないのが悲しかった。
念の為、海乃さんは嫌いじゃない。ディジーが無理。
トム・ブキャナン(鳳月 杏)
登場したらめちゃくちゃ格好良くて、爽やかで余裕のあるお金持ち!!素敵と思ったんだけど、女癖は悪いし、手を挙げるしめちゃくちゃドクズだった笑
不倫のスリルあるキスは色気がすごくて見ちゃいけない気持ちにすらなったけど、めっちゃ観たよ…
爽やかさなんて消え失せて徹底した敵役を演じたのはさすがの一言だった。
鳳月さん大好きだから歌唱指導のイケ具合でわたしのハートも回復しました。。。
ニック・キャラウェイ(風間 柚乃)
優しい普通の人というか、あのアクが強いひと達のなかで普通を保ってるのがいいなと思った。風間さんは歌もうまくて、舞台でも押し出しが強くて目を惹くのに何故かそういう強さも抑えた演技でやっぱり上手い。
ゴルフスイングを2回も見逃した(確かお父様がプロゴルファーだったような)のが残念すぎる。どこ観てたんだろ。
マイヤー・ウルフシェイム(輝月 ゆうま)
すごい迫力。マフィアの重鎮感がある。ただ怖いとかじゃなくて、普段は愛想が良く好好爺なところとのギャップが怖くて上手い。
身体の補正も上手いなあ。
悪い人達をバックに歌い踊るところがめちゃくちゃ好き。おかわりしたい。
ジョージ・ウィルソン(光月 るう)
草臥れた感じも相俟って、なんだかずっと病んでて最初から最後までヘルシーさがなかった笑
思えば勘違いで人を殺して、自殺したんだけどそもそもは妻は不貞していたんだよね。気づいてたのかな。妻の妹の貞淑な妻を信じて正義の敵討だったのかしら。
ヒルダ(夏月 都)
愛情深い乳母。大好きなカメレオン役者夏月さん…彼女の演技好きだったな。サヨナラインタビューの聡明さも含めて好き。
ヒルダはお嬢様をただ守りたいだけの人。目立って何かするとかじゃない、まさに助演。
エリザベス・フェイ/セイヤー夫人(白雪 さち花)
ゴルフの経験は、彩さんよりありそう笑
そんな安定したフォームでした。
ディジーの保守的な母親で、現代なら毒親なんだろうけど当時はこういう思考が一般的なんでしょうかね。
警視総監/ニコルソン市長(千海 華蘭)
可愛いおじさんなら右に出る者がいないくらい好き
ラウル(夢奈 瑠音)
歌が上手かった〜!!!
スレイグル(蓮 つかさ)
悪いやつで小物なんだけど、清水玲子作画の美貌が炸裂していて嫌いになれない。でもビンタしないで…
彼女のダンスが好きなのでオペラで覗く前から彼女って直ぐに分かるくらいには好き。
ジョーダン・ベイカー(彩 みちる)
いい女風で、全く信用できない人を演じさせたら上手い。コケティッシュで本当に可愛いけど、なかなかにやなやつだった笑
マートル・ウィルソン(天紫 珠李)
思えば可哀想…同情はできないかな。夫選びを間違えたと言いながら不倫して、相手は遊びなのに燃え上がってしまった感じ。
黄色の車に飛び出したのは、彼にならば殺されても良かったのではなく最後までトムの愛を信じていたのかな。
ビロクシー(礼華 はる)
ビジュアルが良かった。ギャッビーの腹心かと思いきやビジネスパートナーなだけの淡白さ。
ヴィッキー(結愛 かれん)
ひたすら可愛い。そしてヘルシーな色気。目が行く。男運が悪過ぎたな。
エディ・ニコルソン/ルディ(彩海 せら)
あの小柄な体躯から出る大きな声がいい。
カンカン帽にメガネで可愛い顔が隠れてるのがもったいないけど可愛かったー!!
月組が非常にしっくり感じた。持ち味が合ってるのかな。
少年時代のギャツビー(瑠皇 りあ)
顔が良っっ!!!美人すぎ。結構体格いいと思っていたけど、子役に見えたー
ジュディ・フェイ(きよら 羽龍)
歌うまいしガーリーで可愛い。カメオのブローチのくだりがひたすら子ども過ぎてもはや可愛かった。ずるい。好きな系統の顔。
クラブシンガー(咲彩 いちご)
上手くて仰け反った
その他
美海そらさん、確かに妖精だった。お顔が妖精すぎる。シガレットガールも可愛かった。
天つ風朱李さん、ドア係が異常に顔が良いアラートが脳内を駆け巡り…マヌカンでノックアウト!ロケットでも見つけちゃった…好きになった。ちょろい。(スチールより実物がいいな)
雅耀さんも目が行く美人で月組綺麗な人が多いよ…一乃凛さんのエトワールも素晴らしかった!!