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ネイリストとして独立するまでの遍歴


ネイリスト7年目、ネイル業界10年目。
現在はゆるりと1人でサロンを運営しています。

今回は私がネイリストとして独立するまでの
遍歴をだらだらと語ります。長いよ。



☑︎ ネイルに興味を持ったきっかけ


遡ること幼稚園児時代。

彩り豊かでつやんとしたフォルム、
母親のドレッサーに整然と並べられた
マニキュアボトルが大好きでした。

親の目を盗んでマニキュアを塗り、
お布団を真っ赤に染めた前科があります。

マニキュアを塗ったまま登校して
除光液を持った学年主任に追い回されたことも
ありました。 ( 良い子はマネしないでね )

昔から飽き性な私が
唯一飽きずに興味を持ち続けたもの

幼い頃からの夢が、ネイリストでした。


☑︎ 高校3年生で夢破れた過去


ネイリストになるためには
美容専門学校に行かなければならない、
そう考えていた私は早々に学校を選び
毎年オープンキャンパスに足を運びました。

ワインディング(パーマ) の実技体験や
着付体験などネイル以外のことにも触れ、
ここに通えたら幸せだな〜と妄想する日々。


時は過ぎ高校3年生、
親を交えた進路面談の日。

「大学を卒業した後に専門学校に通えば?」
親・先生の両者に打診されました。

推薦で行けるなら行くべきだと言われ、
頭の中が真っ白になったのを覚えています。

高校生なりに全力で歯向かったのですが
ろくにお金も稼げない非力な私、敗北。

大学進学をすることに。


☑︎ 記憶のない暗黒の大学時代


ネイリストになるなら色彩学って必要かも?
カメラの知識持ってたら役立つんじゃない?

自作のこじつけ理論で自分を諭し、
芸術学部写真学科に進学。


正直この時の記憶はほとんどありません。

折れた形でも最終的には自分が決めたこと。
それでも理不尽なことはいっぱいあって、
未だに消化出来ていない経験をたくさんしました。

露出の計算をしている時も虚無、
暗室にこもってフィルムを現像している時も虚無。
とにかく虚無。

学費自体が高い上に自費で揃えるものも多く、
バイトに明け暮れる毎日。


... あれ?私なにがしたかったんだっけ?

結果、2年で中退してしまいました。


☑︎ バイト三昧の2年間


学費の返済、夢を叶えるための軍資金。
とにかく今はお金を貯めなければ ... !

掛け持ちバイト三昧期が始まります。

なんかつらそうな響きだけど
この時期は本当に楽しかった。
今でもたくさんバイトしたいもん。笑

経験した職種数でいったら
結構上位の自信がある。( 自慢にならないか )


ネイリストになるために
せっせとお金を稼いでいたある日、
とある求人が目に入ります。

「未経験でもネイリストになれる!」

んなバカな。
でも1秒後には問い合わせボタン押してた。


☑︎ 未経験でネイリスト?


未経験okと書いてあっても
【資格は持っているが働いたことがない】と
【全くの無知】は別物。

10年前は有資格者しか雇わないサロンが
ほとんどだったんです。

だから専門学校やスクールに通って
資格を取ってからネイリストになる道が主流。

いくら問い合わせても門前払い。( 当たり前 )
今回も半信半疑で連絡をしてみました。


話を聞いてみると、
自社でネイルスクールを運営してるから
カリキュラムをこなして最終試験に合格すれば
提携先のサロンで働けるよー!
しかも通学中も時給出るよー! とのこと。

え、最高かよ。

22歳の秋、私は晴れて
ネイリストの道を歩み始めたのでした。

( 掛け持ちバイト生活の意味 ... 笑 )


☑︎ 憧れのネイリスト生活


スクール生時代はとにかく過酷。

座学に実技、帰宅後は明日提出の課題制作。
睡眠時間は毎日3時間程度。

でも充実してた!楽しすぎた!

スピードテストになかなか合格出来ず
同期の子達に先越されちゃって
泣きながら先生に電話した思い出。恥ずかし。


1ヶ月間みっちりしごかれついに合格、
念願のネイリストデビューを果たしました!

遠回りしたけど夢が叶った日。感慨深かった。

新規オープンのお店だったから
上下関係もルールもなにも無いサロン。

学生に戻ったみたいでとっても楽しかった。
失われた大学生活が戻ってきた感覚。
これがサークルかー!みたいな。( ※仕事です )

仲間たちと試行錯誤しながら色々進めていく中、
私は発注係に任命されました。


一方サロンワークはというと、地獄でした。笑

20分仕上げのメニューとかあるのよ。
無理なのよ、20分て。何事。

先述した通り私はスピードがないので
どうしたら時短出来るか、
そればっかりを考えていました。

発注係の特権を行使して
塗りやすいジェルを揃えてみたり
塗りやすい筆を研究してみたり。

... でもね、やっぱり20分は無理だった。笑


・ ちょっぴり余談


働き始めて半年が経った頃。

「ネイルの資格って大変ですか?」と
聞かれる機会が多いことに気付きました。

美容師さんやアイリストさんは
美容師免許が必須、
でもネイリストにはその縛りがない。
決して違法なことをしているわけではない。

だけど当たり前に
資格は持ってるでしょ、と思われている。
そう思う気持ちは分かる。

「検定受けてないんです。」

このひと言を伝えるのが怖かった。
この人に任せて大丈夫?って思われそうで。

ということで順番は逆になりましたが
ネイリスト技能検定を受けることにしました。

3級だけでも持っていれば
無資格じゃなくなるじゃん、という思考。

⭐︎3級取得! ( 未だに3級しか持ってない )


・ 転職を考えた瞬間


週6日・1日10時間 +サビ残
土日祝はもちろん出勤、有休なんて皆無。

同級生は新卒1年目、まだまだ遊びたい盛り。
たくさん遊びに誘われるのに私は行けない。
みんなの休日は私の繁忙日なのである。

事前に分かるだろって話なのですが、
若かりし頃の私にそんな頭はありませんでした。

また、会社員になった同級生たちが
社会人としての基本ルールを覚えていく姿、
社会に揉まれて人として成長していく姿を見て
感じたことのない焦りを覚えました。

みんなが遠い世界に行っちゃう!
若いうちに会社員経験しておかないとヤバいかも!
ネイリストはその後でも復活できるかも!


転職を決意した瞬間でした。

ど、土日休みたかったからじゃないよ?


・ 私の履歴書は綺麗じゃない


会社員はやりたい、
でもネイルの世界からは離れたくない。
どうしようかなあ。

転職を決意したものの、
大学は中退、会社員経験無しの私。

閉店後、発注作業をしながら
ぼんやりと悩んでいた時。

目の前のPCにはお気に入りの
ジェルブランドの商品ページ。
容器は可愛いしHPもとても見やすい。

このジェルの会社、どこにあるんだろう?

あ、私のお家と同じ区内。
求人が出ている、条件的にはいける。

... これは私を呼んでいる? ( 違う )

1秒後には応募ボタン押してた。


・ 暗黒時代が切り札になった


募集職種はwebデザイナー、
もちろん私は未経験。
でも未経験ok!って書いてあるしな。
( 未経験ok相手に強気になっていた )

そんなこんなで
面接をしてもらえることになった私は

・ネイリストとしての経験
・御社の製品を仕入れ、使用していた経験
・写真学科でPhotoshopを少々いじった経験

を推しポイントとして提示しました。

ここで初めて暗黒の大学生活が活きたんです。
人生、無駄なことなんてないのかもしれない。

無事受かりました、やったー!


☑︎ webデザイナーになりました


サロン退職後、
私はこのブランドで4年働きました。

webデザイナーといっても
いちからコーディングすることはほぼ無く、
自社サイトの更新作業がメインだったので
未経験者でも学ながら出来る範疇でした。

商品ページを例に挙げると
チップ作成、写真撮影、写真編集、画像作成、
コーディング、アップロード、SNS更新まで
一連の流れを全部担当できるし、

ジェルの新色を自分で調色して考案したり
海外の買い付けに同行させてもらったり
雑誌撮影に立ち会わせてもらったり、
やりたいことは全部やらせてもらいました。


大きな会社ではなかったから
組織の中で揉まれるって感じではなかったし、
名刺交換やメールのやり取り等の機会は少なめ。

社会人のいろはを叩き込まれました!の
4年間ではなかったけれど、
少数精鋭の特権を体感できた会社でした。


本当に色々な経験をさせてもらったし、
楽しいことだらけだった。
このお仕事、すっごく大好きでした。

今の年齢と経験で入社していたら
未来が変わっていたかなって思う。
あの時こうしていたら、と考えたこともある。
ネイリストに戻っていない世界線も有り得た。
そのくらい私の人生に影響を与えた会社でした。

あ、ちなみに土日休みでした。 ←


・ 思いもよらぬ意外な弊害


こんな感じで楽しくお仕事をしていた私。
実は裏で意外な壁にぶち当たっていました。

それは、体力が有り余ってしまうこと。

掛け持ちでバイト三昧だった過去、
ネイリスト時代は毎日10時間以上休憩なしで
お客様とお話ししながら施術の体力仕事。

webデザイナーは
週5で8時間勤務 ( 休憩1時間 )
お喋りは必要な時のみ。

エネルギーが... 有り余ってしまう ...!

そんな私は正社員で働きつつ
飲み屋さんで働いたり、ライターやってみたり、
ネイルチップ売ってみたりと副業三昧。笑

4年働いていたうちの最後1年は
ネイルサロンでも副業をしていました。


・ ネイルサロンで副業


ネイルサロンで副業を始めたのは、
施術者に復帰したいからではありませんでした。

メーカーでお仕事をするにあたり、
SNS上での市場調査は出来ても
現場の直の声ってなかなか聞く機会がなくて、
だったらサロンに聞きにいくかーみたいな
軽いノリで近くのサロンに連絡してみたんです。

ネイリストさんに話を聞きたいです!
でも対価を支払えないから
ブログ・SNS更新とかやります、
やらせてください!お願いします!

だったらネイリストとして働いちゃえば?

って流れでネイリストに復帰しました。

こんな不躾なお願いをしているのに神対応。
我ながら運いいなーって思うエピソード。

ネイリストを辞めて3年。
ちょうど現場もやりたいなあと感じていた頃。

勤め先の社長の後押しもあり
ネイル三昧の兼業生活が始まりました。


・ ついにこの時が来た


9:00-18:00 はwebデザイナー
18:30-21:00 でネイリスト
土日も10:00-20:00でネイリスト
休みは取らない鬼スケジュール

こんな生活が1年続いた頃、
ついに体調を崩してしまいました。

めまいと頭痛が治らなくなっちゃって、
でも脳にはなんの異常もなくて。

本業でも私生活でも色々あった上に
世はコロナウイルスで混乱状態。
しんどい出来事が一気に起こった2020年の春。


私はネイリストとして
独立することになりました。


☑︎ ネイリストとして独立しました


唐突ですよね。
勢い以外のなにものでもありません。

特になんの準備もしてないです。
なんとかなるって思ってました。

いやぁ、根拠のない自信って怖い。
20代って怖い。

でも本当になんとかなったんですよ。笑

サロンオープン日から今日まで、
なにかに困った瞬間はありません。
強いていうなら今が転換期。


お客様や周りに恵まれ、
ありがたいことにサロン運営は順調でしたが
順調が故に漠然とした不安はずっとあって。

コンビニ状態の働き方をしてみたり、
将来への不安から唐突に正社員との
兼業生活を始めて体調を崩したりしました。

改めて書き出すと気付くけど、
我ながら生きるの下手くそだし
体の丈夫さを過信する節がありますね。笑

随分長くなってしまったので
独立してからのお話しはまた改めて。


☑︎ 終わりに


私がネイリストの道を進んだ頃は
まだまだ資格至上主義でしたし、
有名なスクールを出ることが吉とされていました。

遠回りをしたことを恥じ、悔い、
諦めようと思ったこともありました。

でも全ての経験が今に活きています。

無駄な経験はなにもなかったと
胸を張って言うことが出来ます。

今では大学進学を薦めた周りの大人の
気持ちが分かるようにもなりました。

多様な人間と密に関わるお仕事だから
考えの幅が広がったと感じています。

ネイリストになってよかった。
ネイリストを続けていてよかった。


今は資格を持っていなくても、
何歳からでも始められるネイリスト。

働き方の幅も広がり
更に魅力が増した職業だと思います。

ネイリストを目指している方、
ネイリストとして頑張っている方、
一緒に高め合えたら嬉しいです!


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