「最悪な結末」は空想上のものと理解することでその結末は離れていく
なにか嫌なことが起こったり予感がしたとき、多くの人はそれに対しての、
「最悪な結末」
を思い浮かべ空想し、苦しい気分になってしまうことがある。
など、様々なことを空想し、そこに捕らわれてしまい抜け出せずにいる。
それはパニック障害においても同じことで、予期不安がしたときや実際にパニック発作が起きてしまったとき、あらゆる「最悪な結末」を空想し、心が疲弊してしまう。
人間は良くも悪くも空想やイメージができてしまうので、このようなことはちょくちょく起こり得る。
さて、ではこの空想してしまう「最悪な結末」に対し、自分のなかで見切りをつけるにはどうしたらいいのか?少し考察していこう。
「最悪な結末」は必ずしも起こらない
様々なこと、ネガティブな事象に関して思い浮かべてしまう「最悪な結末」。
「心配事の9割はまず起こらない」とも言われているが、しかし現実問題、果たして必ず起こってしまうのだろうか?
これについての答えは「NO]と言えるだろう。
空想やイメージしたことが必ず起こってしまうのは、漫画や映画といった書面やスクリーンの世界だけである。
そもそも空想やイメージしたことが必ず起こるのであれば、人は色々なことに苦労しないし大変な思いをすることもない。
ましてや「引き寄せの法則」なんて淘汰され、不要なものとして忘れられていくだろう。
空想というのはあくまで空想であり、イメージというのはあくまでイメージであり、それ以上でもそれ以下でもない。
なにかを成し遂げたい、なにかを叶えたいことなどあれば、それを明確にイメージし常に思い浮かべ強く望むことでそれは現実化されていく。
いわゆる「引き寄せの法則」が発動していく。
だが、それはあくまでポジティブな気持ちとして明確にイメージし思い浮かべ強く望むからだ。
ネガティブに思い浮かべる、空想するものはそもそも明確にイメージすることを避け、強く望むことはない。
ポジティブとネガティブな空想にはこのような違いがあるので、「最悪な結末」は必ずしも起こるとは限らない。
ただ、それが稀に起こってしまうこともある。
それはなぜ起こってしまうのか?違う視点から述べてみよう。
何度も空想が重なると「引き寄せ」は発動する
ネガティブに思い浮かべる、空想するものはそもそも明確にイメージすることを避け、強く望まないと述べた。
だが、避ける努力をしていても勝手に頭に浮かび上がってしまい、頭のなかで反芻してしまうと「引き寄せ」は起こってしまう可能性がある。
ネガティブなことであれ何度も何度もくり返し思い浮かべてしまうと徐々に明確化されてしまい、気づいたらそれが現実となりうる。
人間の持つ「脳」というもの、それはイメージと現実の区別がつかない。
例え空想であれ、脳が現実とみなしたものの多くは現実として目の前に現れる。
なので、もし嫌な空想、嫌なイメージを現実化したくないのであれば、それをうまく避けていくことが重要となる。
では、どのようにそれを避けていけばいいのか?
具体策については次に述べていこう。
客観視することでネガティブな空想は離れていく
人はなにかしら空想、イメージしているとき、自分自身はその中心にいる。
空想やイメージの中心にいるので自分事として捉え、その空想は自分のものであると認識する。
だが、その空想やイメージの中心にいることを止め、自分のことではないと客観視することができれば自然とネガティブな空想は離れていく。
普段の生活において自分自身を客観視することはまず無いが、客観視することを学べば嫌な空想から抜け出すことはできる。
その方法のポイントとしては、
自分のことを少し遠くからもう一人の自分が眺めている、というようなイメージをしてみることだ。
そして、自分のことを少し遠くから眺めながら、
「嫌な空想をして自分で自分を怖がらせているな」
と感じてみること、思ってみると良い。
嫌な空想、イメージの本質は「自分で自分を怖がらせている」というものなので、それをもうひとりの自分を通し客観的に見てみる。
そうすることでネガティブな空想は薄らいでいき、いつしか離れていくだろう。
「最悪な結末」に陥らないために
世間で言われる「心配事の9割は起こらない」とも言われるように、本来は起こらないことが圧倒的に多い。
しかし、もし「最悪な結末」が起こるとすれば、それは先ほど述べたように、それを自分で引き寄せているからに過ぎない。
自分で自分を客観視し、見つめてみることで嫌な空想、イメージは離れていく。
普段の生活を健やかに過ごすため、できるだけ嫌な空想やイメージを排除し、「最悪な結末」から離れていただければと思う。