2015年2月の記事一覧
リチャード・バック「ONE」
週末の深夜に「惑星ソラリス」を観た。今週は「かもめのジョナサン完全版」を通勤の電車の中で読んだ。次に読もうと「ONE」にブックカバーをかけた。かもめのジョナサンと同じ、リチャード・バックの小説。
小型飛行機に乗る仲の良い夫婦が、飛行の最中で時空を超えて、様々な自分、また様々な歴史や国にいる人と出会い、旅を続ける、そんな物語。
この本には、格言となる言葉がページをめくる度に出てくる。そのたびにア
かもめのジョナサン 完成版
僕が初めて「かもめのジョナサン」を読んだのは、高校生の頃だったと思う。文庫本を図書館から借りて一度だけ読んだ。全3章の短いそれは、シンプルながらも将来に迷う自分にとっても確かに励みになる説話だった。ただ「えさ」を食べるだけに生きる群れを捨て、飛ぶことに意義を持って、あらゆる可能性を超えることに成功したジョナサン。けれども、それ以上に感銘を受けることもなく、気がついたら僕も学生時代が過ぎ、何度か転が
もっとみる少年は残酷な弓を射る 下
上巻の最後にシーリアが産まれ、下巻になってからのエヴァは以前のような悪意に満ちていなかった。そして成長したケヴィンもまた、赤ん坊の頃に感じる嫌悪感より、その態度にどこか魅了されることもあった。夫フランクリンへも、どんなに辛辣にあたっていたとしても、当たり前の家族として、愛情をエヴァはもっていた。
事件そのものについては、上巻で何度も刑務所の話を挟んでいたからわかっていた。けれども、この本そのもの