留学前にしておきたい独学での英語勉強法
シドニーに住んでいると、現地でたまたま出会った日本人や日本にいる友達からも
「勉強どうやってしたんですか?」
「何かいい勉強法はありますか?」
と聞かれる事がよくあります。
今回はオーストラリア生活4年目現在、リスニング以外IELTS7.0レベル※の私が考える、効率的で効果的な英語勉強法を紹介します。
(※受けたのはOETという医療者向けの英語試験ですが一般的なIELTSだとリスニング:6.5、リーディング•ライティング•スピーキング:7.0に相当)
以前にも日本にいながらできる英語学習のヒントを挙げましたが、今回は私自身が試行錯誤しながら積み上げてきた具体的な勉強法についてです。
ちなみに、これから紹介する勉強方法も全て日本にいながら行えるので、留学前・中の人に加え留学を考えていない人にも参考になると思います。
順番としては下記のように最初はインプットに比重を置いて、後からアウトプットに移行していくのが個人的に効率が良いと思います。
①文法(インプット)
Grammar 、つまり文法の勉強法としてはGrammar in useという英語の本が王道で実際に私の勉強の役に立ったと思います。
中学高校でやったから文法には自信ある、という人は飛ばしても大丈夫かもしれません。
しかし復習の意味も込めて、また意外と理解の浅かった部分の強化という意味も含め、やっていて損はないと思います。
文法が間違っていても日常会話では割と通じる事が多いので完璧にこなす必要はないかもしれませんが、正しい英語を話したい人には必須です。
この本は英語で英語の勉強ができ、どんな状況でどの文法を使うのか、また他の文法との比較も詳しく載っており分かりやすいのでオススメです。
曖昧な部分や分からない部分だけでも読んで問題を解いてみると理解度が上がるはずです。
私は中級の青の本だけある程度取り組みました。
ちなみにシドニーではどこの図書館に普通に置いてあったりするので、留学予定で荷物を減らしたい人は持ってこなくても良いかもしれません。
②書き取り(インプット)
Dictation、つまり書き取りは特にリスニングでどこが聞き取れていないのか理解するのに重要です。
聞こえた英語の文章を自分で文字に起こしてみるというものです。
文字にしてみると、知らない単語はもちろんですが、意外と知っている単語が聞き取れていない場合があります。
これは英語には日本語にない音を多く含み(例えばrやthなど)日本のカタカナ英語と実際の英語の発音がかなり違う事が一つの原因です。
例えばdream (夢)という単語はカタカナでは通常「ドリーム」として表記されますが、実際の発音は「ジュィーム」に近かったりします。
それに加え単語と単語が連なって文章になる時、かなりの頻度で音が変化します。
例えばWhat do you want to do?という文を発音するとします。(訳: 何したい?何する?)
カタカナ表記であれば
「ワット・ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ドゥ?」となるかもしれません。
しかし、一般的には
「ワデュワナドゥ?」に近い音で発音する人が多いです。
これらの語間の発音の変化を英語ではlinking soundsと言ったりし、書き取りはこれに慣れるための練習として有効だと思っています。
実際の会話では相手が何と言っているか分からなくても文字で確認する事はできませんが、世の中には字幕付きの媒体はたくさんんあります。
「Dictation」で調べればたくさん教材が出てきますし、好きな映画のワンシーンを切り取って書き取り&英語字幕でのチェックでも良いですよね。
字幕やキャプションがある媒体、そして紙とペンもしくはPCやスマホ、タブレットのメモ機能さえあればどこでもお金をかけず行える勉強法です。
以前も紹介したhapa英会話のメールマガジンではディクテーション(書き取り)をする機会があり、ほぼ毎日配信されているのでオススメです。
③単語帳 (インプット→アウトプット)
英語勉強中は意味が分からない単語や自分が使った事のないフレーズ、言いまわしに出くわす事が日常茶飯事です。
ここで強調したいのは分からない経験を分からないままにせず、次に違う場面で同じ単語が出てきた時に理解できるようになる事の重要性です。
もっと言うと、その誰かが実際に使っていた単語を自分のものとして使いこなせれば会話がもっと自然に、楽に行えるようになるという事です。
会話の中(または本、映画、etc)で分からない表現が減っていけば必然的に分かる部分が増えていきますよね。
②で行った書き取りでも、知らない単語が文章の中で出てきた場合は、意味や使われ方を理解するチャンスです!
それらの単語の意味を辞書で確認するのは重要な第一歩ですが、私は更にそれらをリストアップして自分の単語帳に記録するようにしています。
単語帳系アプリはたくさんあり、私も複数使いましたが、おそらくWordHolicが長期的には使い勝手が良いのではないかと思います。
Google Play
Apple Store
(元々は分散学習帳をずっと使っていたのですが内容を他のスマホに移行できないのが難点。)
人によって好みが分かれると思うので、他のサイトも参考にしつつ複数のアプリを試してみる事をオススメします。
いずれにしても、ポイントは単語を単語としてでなく文章で覚えるという事。
例えば、(in the) vicinityという単語を覚える事とします。
日本語では「近くに」や、「周辺に」といった意味になります。
ここで、単語を含む英語の文章の例文を探し、グーグル翻訳や辞書を使いながら日本語訳にして、日本語文と英文の両方を登録します。(インプット)
後日、その日本語の文章を見て実際に英語の文章が頭に浮かぶか、もっと言えば発音までできるかテストします。(アウトプット)
ちなみに上記の英文はHapa英会話のウェブサイトから引用しています。
実際に使える英語の例文とその日本語訳がたくさん載っているのでそのままコピーして覚えるのもオススメです。
また、誰かとの実際の会話や映画の中で使われていた文章は振り返る時に思い出しやすく、後にも頭に残りやすいので単語帳との相性が良いです。
文章で覚えるので単語を使う場面や文法、関連する前置詞等を含めて実際に使用する形式で記憶する事ができます。
ちなみに辞書は一般的な英語の勉強にあたっては下記のアプリ1つで今まで特に問題なく、十分すぎるくらい豊富な情報量が備わっています。(有料)
Google Play
Apple Store
ダウンロードしておけばオフラインでも使えるし、電子辞書や紙の辞書のようにかさばらないので重宝しています。
しかしながら、看護の勉強の際に細かな医療専門用語を調べる時には載っていない単語も多かったので、あくまでも一般英語用です。
④独り言(アウトプット)
アウトプットの段階で、もちろん誰かと英語で会話する機会があれば積極的に英語を使って話すのが上達の一番の近道だと思います。
間違いを恐れずに堂々と喋る勇気があれば、スピーキングは筋トレと一緒で話せば話すほど鍛えられ上手くなります。
ただ日本にいて英語を使う機会がない、もしくはまだ話そうとする時に言葉が出てこなくて思うように会話にならないという人もいますよね。
私もシドニーに来たばかりの頃は全く会話についていけず、話せない事が恥ずかしくて黙り込んでしまう事がしばしばありました。
おそらくこういった典型的なシャイな日本人に合っているのは、独り言から練習する事だと思っています。
以前紹介した日記はライティング、書く能力を鍛えるのに対して、独り言はスピーキング、喋る能力を鍛えます。
明日の献立から将来の夢まで、一人でいる時私は何でも英語で考え実際にブツブツと言葉にしています。
特に雨の日やウォーキング中は周りの雑音であまり人目も気にならなかったりします。
どうしても人目が気になるという人は寝る前にベッドの中で友達に話すように自分に話してみると良いと思います。
また応用編として、実際に英語で会話する機会がある場合にも独り言は有効です。
会話の中で上手く英語で言えなかった部分、返答に困った部分を、自分なりにどんな風に表現したかったのかを振り返って練習してみるのです。
同じ内容の会話が何度も異なる場面で違う人と繰り返される事はよくある事です。
一回目は難しくても、練習すれば二回目、三回目に同じ事を説明する時には少しスムーズに言えるようになっている自分がいます。
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これら①〜④を見て分かっていただけるかと思いますが、語学を身につけるのには多少なりの時間と労力が必要です。
残念ながら1週間や1ヶ月で獲得できるものではありません。(少なくとも私はそう思います。)
もし留学を考えているのであれば、これだけの量を全部留学前にこなすのは大変かもしれません。
しかし、せめて①だけでも日本でしておくと留学開始のスタート位置が断然変わってきます。
実際に留学してみると勉強以外にも現地の生活に慣れ友達作りやバイト、観光なんてしているうちに時間はあっという間に過ぎてしまいます。
せっかくなら留学という場を思いっきり人と話したり実践的な英語力向上の場として活用してほしいと思い私のしてきた勉強法をシェアしました。
どうやって英語学習すればいいのか分からないと悩んでいる誰かの役に少しでも立つと嬉しいです。
Our greatest glory is not in never falling, but in rising every time we fall.
(Confucius)
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