私が人間を産んだ日。
※2022年9月20日の日記の移植です
長かった妊娠記録からようやく出産します。いまだに自分が出産したという実感はないです。(産んでおいて何言ってんだ?)
前提としては以下の通りでした。
8/3計画無痛予定
7/30陣痛スタート → 無痛分娩レポ
当時、ツイッターのマタ垢で実況しながら出産してたので、その記録を元に書いた出産レポと後日談を移植してるので表現形式おかしいところあるかもしれませんが、見逃してやってください。
ただの便秘かと思っていた
7/30 9:00
軽い腹痛&腰痛で目覚め。
この時点では「便秘ここに極まれり…」って思っていたため、これが前駆陣痛とは微塵も思っていない。なんかでも便秘っぽい痛みとも違うような…。前回味わった前駆陣痛が割と痛かったので、前駆はこんなもんじゃねぇっていう先入観もあり。生理前のような鈍い痛み。
7/30 13:50
産院から「コロナの影響で31日の9時から立ち会い出産ができなくなります」と電話が入る。バースプランに【無痛】と【立ち会い】しか書かなかったので、打ちひしがれる。しかも27日の健診の際に助産師さんが「ういさんパニック持ちだから、立ち会いしてもらいたいよね。院長まだ立ち会い止める気なさそうだから、いけるかもしれない」って話してくれたので、期待をしていた。
この電話のあとシクシクと泣いた。久々にシクシク泣いた。ここまでスーパークソポジメンタル妊婦やってきたけど、立ち会いできると思い込んでたのでだいぶショックだった。一人で出産とか心細すぎて無理だ、と旦那に愚痴る。
旦那は妊娠してからずっとお子を楽しみにしていてくれ、私のこともとても大切に扱ってくれていた。元々旦那は立ち会いしたくないって言っていたんだけど、健診で病院内に入れないことを残念に思い、面会も出来ないからせめて立ち会いだけはって旦那も思っていてくれた様子。旦那も大層残念がっていた。
中の人に「今日中に出てきてくれたらワンチャン立ち会い出来るんだけど、どうですか?」と話し掛けてみた。
どうやら便秘による腹痛ではなさそう
7/30 17:30
朝からの腹痛&腰痛の痛みが明らかに強くなってきている。これはもしや極めし便秘の痛みではなくて、前駆陣痛では?と思い始める。いつもどおりシャワーを浴びようと下着を脱いだら出血あり。「あれ?水曜の内診の出血は昨日止まったはず…?」と混乱する。とりあえずシャワーして、ご飯を作り始めるものの、このあたりで途中途中しっかり痛みを感じるようになる。
7/30 18:30
ご飯を食べながら、旦那と談笑。立ち会い残念だねぇとか、もし今日生まれたら『つわりほぼ無し』『妊娠中ずっと健康優良児』『立ち会い間に合うミラクル』で一生分の親孝行になりそうだよね、とか話していた。
そんな話をしていたので、出血がおしるしだったらこれは前駆ではなく本陣痛になったりするのでは?と思い、この辺から陣痛カウンターで記録を始める。
7/30 19:55
腰がとにかく痛い。ツイッターで「腰が粉砕しそう」って呟いていたのだけど、本当に粉砕しそうな痛みはそんなもんじゃねぇぞ、といまならハッキリと言える。
痛み自体はどんどん強くなってるものの、陣痛時間がまばらでこれが本陣痛なのか確信が持てない。
ただ、なんか胎動がいつもと違う。すごい下の方でモゾモゾと動いてて、すごい上の方でもモゾモゾしてる。いつもは右脇腹なのに…。あれ?もしかして縦になったん?
7/30 22:00
とりあえず一度指示を仰ぎたいと思い産院に電話。「産まれるまでそう遠くはないと思うけど、もう少し間隔整ってくるまで様子見れる?」と言われる。寝れたら寝てねーって。寝れぬよ。こちとら、気が気じゃないんだよ。助産師さんにとっては当たり前の日常かもしれないけど、こちとらなにもわからねぇんだ。寝れるわけねぇ。
この日に限って、昼寝してない事、寝れたら寝てねーで寝なかったことを少し後悔する。
まさかの本陣痛で病院へ
7/31 0:30
痛みが更に強くなってきて、余裕がなくなってくる。この痛みは絶対におかしいと確信を持ち始めるものの、間隔整わないし、旦那を寝かせてやりたいし(週一休み・毎朝3:30起きの漆黒会社勤務)、でまだ頑張ろうとする。
7/31 1:00
陣痛間隔が10分を切るようになって、旦那がいるうちに病院連れて行ってもらおうと決意。産院に再度電話。「う〜ん、どうかなぁ?まだもうちょっとお家で様子見てもいいと思うけど…」と言われるが必死でしんどいですアピールをして、なんとか病院へ行く。この英断褒め称えたい。
結果、この電話の直後2〜3分おきの陣痛に突如変化する。余裕なくなる。
7/31 1:30
産院に到着。移動中の車の中で声が出始めるほどの痛みに変わってくる。入院バックに抱き枕兼のぬいぐるみ入れておいて正解だった。この子のおかげでめちゃくちゃがんばれた。
助産師さんが私の姿を見た瞬間「だいぶキてるね。もうこのまま入院で」となる。ほら、だから言ったじゃんか、私正解だべ?
すぐに分娩室?に連れて行かれ、身ぐるみ全部剥がされ、簡易着を羽織るだけの姿にされる。
内診されて、この時点で子宮口は4cm。入り口もペラペラになっているらしかった。もしかしたら立ち会い間に合うのでは?と思い始める。
その後、腕のルート取ったりなんやかんやしてる間に陣痛のレベルが過去最高レベルになる。言葉では表しきれないほどの痛みなんだけど、【体の内側から骨盤を押し広げられてへし折られる寸前の痛み+体の外側からプレス機で潰される痛み】って感じ。もう本当わかんないよね。言葉だけじゃ。想像していた5億倍痛かった。我慢できない痛みってあるんだね。
その痛みからなんとか逃れようとすると体に力が入ってしまい、お子の心拍が下がり苦しくなってしまうから力入れないようにして、と言われるが出来ない。もうこの痛みを乗り越えるので精一杯で出来ない。お子のために!とかできなかった。いっそ殺してくれたら楽なのにくらい思っていた。
7/31 2:00
先生到着。麻酔の処置が始まる。背中の硬膜外に針を刺すんだけど恐怖とか微塵もなかった。痛みも陣痛に比べたらどうってことない。計画無痛だったら「いてぇ!」って思ってるかもしれない。でもそのときはもう早く麻酔入れてくれとしか思えなかった。
麻酔の針を指すのに、身体を動かさないようにするんだけど、その位置取りが大変だった。こちとら陣痛耐えながら体勢変えたりしてるんだよ。優しくしてくれ。
なんとか針が背中に通って先生に「ここは痛いですか?こっちはどうですか?」って聞かれて、明らかにジーンと痛い場所以外は全然よくわかんなくて「あとはもう何もわかんない」って言ったら「それじゃ困るんですよね」って怒られた。だってこちとら腰陣痛なんだもん。腰全体が砕けそうなんだよ、わかんないもんはわかんないよ!!!!とりあえずそのままで大丈夫だと思いますって言って麻酔を入れてもらった。効くまでに、30分くらいかかるそうだ。
麻酔処置の合間や麻酔が効くまでにきていた陣痛中はもうパニックになっていて泣き叫ぶことしかできなかった。「痛い、無理、もうやだ、やめたい」を何度も繰り返した。弱音しか出てこない。助産師さんはめちゃくちゃ励ましてくれた。でも、そんな励ましいらんから腰を揉んだり色々やってくれぇ!!って思っていた。体勢変えたいのに麻酔が効くまで体勢変えられないし、本当地獄だった。
7/31 3:00
麻酔が効き始めて心穏やかになる。パニックになっていたので最初から全開量投与されたみたい。医療発達の偉大さに感動する。無痛選んだ自分を褒め称えたい。
立ち会いに間に合わせたいのに中々進まない分娩…
7/31 3:30
内診、子宮口が6cmくらいまで開いてる。破水したら一気に進むと思うけど、膜がまだぷよぷよでパチンといかないとのこと。
思った以上に進みが早いと言われ、立ち会いへの期待も膨らむ。
そうこうしているうちに、お子の心拍が4分くらい半分に下がる。助産師さん焦りだす。四つん這いになって深呼吸するように、指示される。言われたとおりにやってみる→心拍回復。
先生から「多分臍の緒が巻いちゃってて、それがひっかかってるんだと思う」と告げられる。しばらく様子見て何度も起きるようであれば帝王切開になる可能性もあるとのこと。それを聞いて、お産て本当に何があるかわかんないなぁ、なんて他人事のように思っていた。お前の子だぞ?もう少し焦ろ?
7/31 5:20
うつらうつらと仮眠を取った。無痛まじ凄い。ほぼ痛みゼロ。お腹の張りが辛うじてわかるくらい。その代わり下半身はもう使い物にならないほど、腰から下が全部痺れている。
アレからお子の心拍は下がったりしていない。子宮口は9cmまで開いているが、麻酔のせいかまだ産道より遠くにいるらしい。陣痛の間隔は1分くらいできており、促進剤を使うまでもないそうだ。「先生は朝から促進剤使ってもいいって言ってたんだけどねぇ…あとはお母さんの踏ん張る力次第だね」って。麻酔で下半身の感覚皆無なのに、踏ん張るとは?「麻酔入れてなかったらもう生まれてたかもね」って…。そんなこと到着したときは言ってなかったじゃん!!!!
ここから立ち会い出来るか出来ないかの本当の瀬戸際になってくる。
7/31 07:00
子宮口等諸々全開になっていたんだけど、膜がぷよぷよで破水しないとのこと。「陣痛が来たら息んでみて」と言われ、モニターを見ながら息んでみる。「いい感じに降りてきそう」とのこと。あと2時間、立ち会い間に合うかな…。「9:00ちょうどから立ち会いだめです〜ってことはないから、ギリギリだけど、進むといいねー」と言われ、希望を胸に息む。
7/31 08:00
ここへ来て陣痛が遠のいてきちゃって促進剤投与開始。もっと早くから入れてほしかったけど「赤ちゃん一回苦しくなっちゃってるから無理したくない」と言われ、押し通すことができず…。あと1時間…。旦那は仕事を抜けてきて病院の外で待機してくれてる。
7/31 08:30
夜勤と日勤の人が交代。色んな引き継ぎ等をしている。「もう頭は触れられるんだけど、位置がちょっと悪くて、まだ破水してない。旦那さんは駐車場で待機してます」とかなんとか。それ、わかってるなら入れてあげてよ…。
日勤の助産師さんの内診「あぁ、赤ちゃんちょっとまだ回転があれだね、横向きになろっか」って左側を下にして横向き寝る。右側を下にすると臍の緒がまた絡むかもしれないから左側指示だった。
7/31 8:45
ずっと飲まず食わずでここまできて、喉はカラカラだし、お腹は空いたしで、思わず「お腹空いた…」とつぶやく。その瞬間お口の中すっぱくなってきて、「あ、吐くわ」と思い、助産師さんに器もらって吐き続ける。殆ど胃液に近いものしか出てこなかったけど、思ったより出てきた。
「吐けたならお産もっと進むかもね!!!!」と背中押してもらい、めちゃくちゃ頑張りだす。口マズ〜。
そして生まれる…
7/31 9:10
日勤の人に内診されて「あ、チョロチョロ自力で破水してるみたい」と告げられる。あれ?これ立ち会いできるんじゃ?と思った束の間、夜勤の人に「最後までついてあげられなくてごめんねぇ、あと立ち会いも。どうにか力になってあげたかったんだけど…」と言われる。一瞬ワケがわからなくて、「え?もう立ち会い間に合わないんですか?」と聞いたら「ごめんね」と言われた。ここからはもうやる気が出なかった。
いや、破水したらぐんぐん進むから今から立ち会えば間に合うんじゃない?とか色んな感情ぐるぐるになって、めちゃくちゃ粘ったけど、「うーん、こればっかりは」っていわれた。
というより、私が無痛にしてなかったから間に合ったんじゃないか、お子は旦那に会うために間に合わせてくれたのに…と思ってしまい、そこからはシクシクシクシク泣いた。旦那にも「ごめん、だめだ、間に合わせてあげられなかった」と。
いや、助産師さん、あんた9時ジャストじゃなくてもいいって、言ったじゃん…。もう頭も見えてるって言われてるこの状況でいまさら「立ち会いだめです」って言われてもツラいだけなんだけど!?!?と、なんともやりきれない気持ちになった。
どこに、だれに、ぶつけたらいいかわからない感情は私の中で燻っていた。消化しきれていない。みんな全力をつくしてくれた。と思う。特にお子は本当に頑張ってくれたんだと思う。
私がもっと痛みに強ければ?私が無痛にしなければ?とどうしても思ってしまう。
最初から立ち会いが出来ない状況だったらここまでこだわらなかったんだけど、なんか間に合うかもしれない、お子が間に合わせてくれようとしたのかもしれない、と思うとそこにすごいこだわってしまって。
7/31 9:40
あれからずっと泣き続け、鼻水ズビズビ垂らしながら、横になりぼけーっと過ごしていると助産師さんに「ちょっと内診させてね」と言われおまんた広げると「あれぇ!?もう頭出てきちゃう!?」と急展開を迎える。
チラッと時計を見た私「(いや、立ち会い出来ましたやん)」と思う。(まだ言う)
「ちょっと先生くるまで待ってね〜」と。いや、私もう何もしてないから待つも何もない…
7/31 09:44
股に頭挟まった状態になる
7/31 09:47
出た…本当に人間が入ってた…
無事に出産を終えたあとは、お子の体重を測定。2455gの小さき男の子。「お母さんの身体に合わせて小さく生まれてきたんだねぇ、お目々くりくり!」と助産師さん。
ちょっと体重少ないから定期的に血糖値を測って、ミルクを足しながら退院まで様子を見るようだ。
臍の緒は首に一周、肩にも絡んでいたそう。無事に股から産めてよかった。
それ以外は至って健康優良児。
妊娠が発覚してから、生まれるまで、つわりというつわりもほとんどなく、小さめだけどすくすくと健康に成長し続け、最後は立ち会いに間に合わせようとしてくれたお子。もう一生分の親孝行したよな?
ごめんな、私が間に合わせてあげられなかった。
本当、立ち会いさえ出来ていれば何もかも完璧なお産だったと思う。完璧なお産とかよくわかんないけど。私の中ではそこだけが本当にやりきれなかった。
セーラームーンオタクとして、
7/30の星野の誕生日には間に合わなくて、
8/3のタキシード仮面様の誕生日の計画無痛よりも早く生まれたけど、
7/31は古谷徹(旧アニメ版タキ様cv)の誕生日!!!!
やっぱりミラクルロマンスだった!!(こじつけ)
色んな狡猾な考えとか、期待とか、やりきれない思いとかあったけど、母子ともに健康な出産が出来てよかった。
ちなみにうんこ漏らしてた。
皆さん、応援、おめでとうのお言葉ありがとうございました。
〜後日談〜
無痛にしたからせめて病室は節約しようと大部屋希望にしてて、色んな人の様子が解るんだけど、お陰で立ち会い出来なかったことに関しての思いが上手に消化できた!!
計画無痛だと、前日入院でバルーン入れて、当日朝から促進剤→麻酔って説明受けてたんだけど、隣の人の様子でいかに心細いか判明。
バルーンの影響でおまんたは痛いし、前駆もきてるし、チョロチョロ破水するみたいで、それを夜中に一人で声を殺して「ふぅふぅ」耐えてるの。大部屋だから声を殺してるのがわかるの。めっちゃ健気すぎて、状況を想像しただけで胸がギュッてなる…。
そう思ったらあのタイミングで、自然陣痛を体験できて、ギリギリまで旦那といれたことは本当に良かった。立ち会いについては間に合わなかったけど、元々の計画予定日だったら立ち会いできなかったわけだし(タキ様誕ではあったけど、それだけだし)、私がこれは陣痛かな?どうかな?って悩んでる姿や、陣痛で痛みに耐えてる姿見せれて良かったな。欲を言えばほんまもんの陣痛中の姿も見せたかったけど、多分旦那泣いちゃうな。
やっぱり親孝行すぎるわね?
小さめベビーでこれから黄疸の心配もあるけど、生まれるときの母胎の負担はほぼなくて、生まれるときも私は無力化されててベビーが自力で出てきたし、入院中のベビーたちの中で一番ミルクを飲んでいた。
生後1ヶ月半が過ぎた今、平均の倍のペースで大きく成長している。
こんないい子で君は一体誰に似たんだい?本当に私の子なのかい?
私達夫婦の元に生まれてきてくれてありがとう。