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アートの晩餐|輝く水面に魅せられて

はじめに

私はアートが大好きです。
暇を見つけては展覧会を巡るのが趣味であり楽しみであり、癒しです。

そんな展覧会で出会った感動を、noteで皆さんと共有したいな…と思ってきました。
最近は写真OKの展覧会が増えましたし、note上で展覧会する?

いやいや、それは他の方がたくさんしてくださっていますから、お任せしよう。

そうだ、私の心に残ったとっておきの作品を、
皆さんと一緒に
じっくり味わおう!

名付けて「アートの晩餐」

私はアートの専門家ではありません
作品をアカデミックに解説することも、評価することもできません。
ただ、見るだけの素人です。

なので、ここに学びは無いかもしれません。
間違えているかもしれません。

でも、アートは
自由に、そして楽しく
見たり感じたりできること
が大切。
私はそう常々考えています。

ぜひ、一緒にアート作品を味わっていただければ幸いです。


光に魅せられた日本画家・奥村厚一

記念すべき第1回は、京都市京セラ美術館で開催された「奥村厚一 光の風景画家展」(会期:2024年7月19日ー9月8日)です。

奥村厚一
1904(明治37)年京都市生まれ。京都市立絵画専門学校(現:京都市立芸術大学)卒。1924(昭和4)年に第10回帝展に《山村》が初入選。その後、新しい日本画を創造する活動を通じて、激しい波や雲などの自然減少や木々の生命感を強調する作風も生まれた。

展覧会パンフレットから抜粋

今回の展覧会で、私は初めてこの作家さんを知りました。
まちなかで本展覧会のポスターを目にした時に、私の大好きな東山魁夷画伯に通ずるものを感じたので、これは行かねば!と思ったのです。

今年8月の週末だけ開催されていた「夜間開館」を利用して行ったら、会場はガラガラ。心ゆくまで作品に没頭することができました。

*〜*〜*

本展は奧村厚一画伯の没後50年・生誕120年を記念した回顧展。初期から晩年までの作品が展示されています。

とりわけ私の興味を引いたのは、光の表現です

優しさを感じる光の表現

奥村画伯は、光のもたらす効果に強い関心があったそうで、水面に反射する光、雪に反射する光などをとても象徴的に描かれています。

《北岬》昭和47年

私は海を眺めるのが好きですが、朝日が昇る・夕陽が沈むその時に、海面に光の道ができる光景にひときわ感動します。
また、雲が広がる中、一部だけから日が差してきらめく海面に神秘すら感じます。

この絵には、そんな私の好きな海の景色があります。

海面にキラキラと反射する眩しいぐらいの光の広がりと、厳しい海風にさらされる木々と黒々とした断崖絶壁、そして打ち付ける波しぶき。自然の美しさと厳しさが見事に表現されていて心を打ちました。

《秋湖》昭和30年代頃

私は東山魁夷作の「緑響く」という作品が好きで、実際にモデルとなった長野県の「御射鹿池みしゃかいけ」にも行って感動のあまり立ち尽くしたことも。

この作品にも、静謐とした湖面に紅葉した木々が映る、まるでそこに水をたたえているような透明感あふれる表現に魅せられました。

水の透明感が見事に表現されている

また、この作品には動きも感じます。
奥に描かれた針葉樹の深々とした緑色と、手前の紅葉との鮮やかな対比。湖面に感じる風など、静けさと華やかさ、移りゆくものと変わらないもの。静けさの中に、二度とない一瞬を捉えた表現は映像的でもあります。

刻一刻と過ぎゆく人生の時間、その愛おしさと儚さも私は同時に感じました。

本展では、このほかにも、風景を春夏秋冬の日本の美しい風景を描いた作品が多数出展されていました。いずれもとても静かで、波や風の音が聞こえてきそうな臨場感にも溢れた作品ばかり。

自然を愛した作家が旅した風景を、追体験するような展覧会でした。

皆さんは、どのように感じられたでしょうか?
また、素晴らしい作品をご一緒しましょう。

*会期中に記事が間に合わず、申し訳ありません。

夜の京都市京セラ美術館


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