「若者は選挙に行かない」
まず「若者」のくくりが、どこまでの年齢を指すのか曖昧なので、この言葉はあまり好きではないです。
私は30代前半ですが、私にとっての「若者」は18〜20代半ばまで。
私の母に聞いたところ、40手前までは若者かなと思うとのこと。
90歳の祖母に至っては
「50ぐらいまでは元気だもの若者よー」
なんて言われてしまいました。
受け取り手によってだいぶイメージが変わってしまうので、新聞やテレビなど、メディアで言われる「若者」って定義付けしてないなら、やめた方が…なんて話は本題ではなく。
成人の方々すべてが「若者」と定義するであろう、私が20歳になったときの話。
選挙なんて、自分とは関わりのない遠い世界のおはなしでした。
たまに選挙カーがまわってて、うるさいな。
街頭演説を見かけて、邪魔だな。
好きなTV番組が選挙特番で潰れて、嫌だな。
それがすべて。
学校で習うことは、選挙は「国民の権利」であるということ。以上。
選挙がどんなものなのか、どうやって投票するのか、どうやって選んだらいいのか、何一つ知らないまま成人して、どうして急に選挙に行く気になれるのか。
私自身、まっっったく興味もなく行く気もありませんでした。
成人して、はじめての選挙の日。
今日が投票日だってことさえ知らず、たしか遊びまわって朝帰りして寝ていた日。
母に叩き起され、近所の児童館に連れて行かれました。
母が提示したエサは、帰りにケーキ屋さんに寄ること。
選挙なんて興味なかったけれど、15分ぐらいで終わること。ケーキ買ってもらえること。一緒に行けば母はご機嫌になるよと言われたこと。そんな話をされて、ハタチの大学生だった私は、遊び回って親が常に激おこだから、たまには機嫌取っておくかーぐらいの気持ちでついていくことにしました。
行ってみたら、想像していたより簡単で、想像していたよりあっさり終わり、想像していたより厳格ではありませんでした。
拍子抜け、しました。
これなら、まぁ毎回行くか。親の機嫌もよろしいし。なんて不純な理由で投票するようになり。最初は顔で選んでいたのが、どうせなら女性がいいなーに変わり、いつからか一応政党を気にしたり、主義主張を読んでみたり。
投票した人は落選したんだー。とか、当選したら、本当に公約守ってるのかなーとか、少しだけ気になって、なんというか当事者意識みたいなものが出てきたり。
未だに、そこまで真剣に深刻になれてはいません。正直なところ。
それでも親になった今、誰が子育てに力を入れてるのかな、古臭い考えの人は嫌だな、なんて投票する人を考えるくらいには、選ぶようになりました。
それもこれも、最初の一歩を母が助けてくれたからかなと、10年以上経ち、思います。
自分で情報を拾うことはできるけれど、興味を持つための最初の一歩は、大人が手助けする必要もある!
「選挙行くなんて、くそ真面目は、ダサい」
なんて、今思い出すと恥ずかし過ぎる考えだったハタチの私は、母が連れて行ってくれなかったら、今でも投票に行っていなかったかもしれません。
最初は無理やりでも、エサ目当てだとしても、最初の一歩さえ踏み出せば、そのうち変わるかもしれない。
まず参加さえし始めれば、数年後は自身の考えで投票するかもしれない。
「若者は選挙に行かない」
それを言う方々のお子さんは、全員投票に行っているのかな。
若者はー若者がーなんて言ってるけれど、そもそも興味をもつような教育をしているのかな。
行きましょう!と言ったって、行かないんだから、最初の一歩は、体験は、親や身近な人間が助ける必要もあるんじゃないかな。
強制することなのか、なんて是非もあるけれど、体験してみないと未知すぎて、ハードルが高すぎて、行けない人も多いのではと思います。
終わり。
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