眠れない夜に読みたくなるおはなし
レーヴは、昔から眠るのがとっても下手な女の子。
ベッドに入ると目が冴えて眠れないのです。
嫌な出来事とかを思い出したり
明日の事をあれこれ考えてしまったり
ふと世界に自分だけ取り残されたような気持ちになって不安になったり
無性に寂しくなったり
『ぐっすり眠りたいのに……』
いつにもまして眠れなくなって
どうしたらいいのかわからなくなった時
枕元に小さな妖精が現れました。
『ぼくはおやすみのようせい、そむそむ。きみは?』
『わ、わたしは…レーヴ』
『れーぶ。ねむれないの?』
ソムソムはおしゃべりがとても上手で
たくさんお話をしました。
不思議な事にソムソムとお話ししたり
お顔を見つめているうちに
ポカポカ温かい優しい気持ちになって
なんだか眠くなってきました。
『ああ、眠くなってきたみたい。。でもまた眠れなくなった時、どうしたらいいの?今夜のように、またあなたが現れてくれるとは限らないでしょう?』
『おまじないをおしえるよ』
そう言ってソムソムは枕を一つ、レーヴに渡しました。
『ねむれなくてこまったら、めをつぶってこのまくらをぎゅっとだきしめて。
そして、こういうんだ』
『ねねばねのにねれねね』
『ね…ねねばね??』
『ねないといけないのに、ねむれないなぁーっていみ』
レーヴは、安心して眠りにつきました。
朝になり、目が覚めるとソムソムがくれた枕を抱えていました。
『夢じゃなかったんだ……』
(もし眠れないことがあっても、ソムソムが現れてくれる)
その事が安心感に繋がり、レーヴは驚くほどぐっすりと眠れるようになりました。
夜も寂しくなったりしません。
なぜなら、枕があるといつもソムソムが側にいてくれるような気がするから……
今日もレーヴは、幸せな夢(レーヴ)を見ます。
さて、あなたも眠れない夜が少し楽しみになったのでは?
眠れない夜は、あのおまじないを思い出して。
すてきな夜を。
おやすみなさい。