ぐりぐりとしあわせどんぐりの実
空から声が聞こえる
だれかの呼ぶ声。
ぐりぐりたちが目を覚ます。
まだ見ぬご主人かな?
はやく会いたいなー。
ぐりぐりたちは空を見上げて呟く。
とおりすがりのりすが
谷の向こうの森にしあわせになるどんぐりがあるらしいと教えてくれた。
まだ見ぬご主人さまを
幸せにするぞー!
えいえいおー!
ぐりぐりたちは、しあわせになるどんぐりの実を探す冒険に出かけた。
谷には大嫌いな川や
うそつきコウモリ
悪いボスねこがいた。
試練や戦いの末にぐりぐりたちはしあわせになるどんぐりの木にたどり着いた。
だけどどんぐりの実はなかった…。
うそつきコウモリが全部取ってしまったのだ。
ごめんね、ごめんね、ご主人さま…。
ぐりぐりたちの目から涙がぽろぽろ溢れる。
森の精霊が言った
どうしたの?なんで泣いているの?
しあわせになるどんぐりの実がないの…あれがないとご主人さまをしあわせに出来ないの…。
ぐりぐり、大丈夫だよ。
君たちがただそばにいるだけできっとその人はしあわせなれる。
精霊が微笑むとぐりぐりたちにどんぐりのネックレスをかけた。
優しいぐりぐりたち、きっとだれかをしあわせにしてね。
うん!ぼくたちは誰かを幸せにするために生まれてきた!
しあわせになるどんぐりを手に入れたぐりぐりたち。
次の冒険は…、あなたと共に。
だって一緒にいればしあわせだから。
おしまい。
文:どんぐりみっく