「国のイメージカラーは何色」
国にもイメージカラーがあるそうです。
古いデータですが、社団法人日本流行色協会が1987~1989年に実施したカラーイメージ調査によると、圧倒的に「赤だ」という結果が出たのはアメリカでした。
自由と正義を重んじるホットな国民性、そして星条旗からも赤をイメージさせるのでしょう。
おしゃれな国フランスのイメージカラーは「ピンク」です。
ファッション、言葉、料理、女性など、いずれもやさしさが感じられるところからピンクが選ばれたのだと思います。
アルプスの山々と澄み渡った空、そして森や湖に囲まれたスイス、オーストリアのイメージカラーは「スカイブルー」です。
スイス、オーストリアはともに永世中立国で、スカイブルーにはこうした平和のイメージもあります。
イタリアは「オレンジ」です。
陽気で開放的、そしてお祭り好きなイタリア人の気質にぴったりの色がオレンジかもしれません。
またオーストラリアは「緑」でした。
私はこれまでにいろいろな国を旅してきましたが、一番強烈な印象を受けたのがエジプトです。
訪れたのは8月で、観光には適さない暑い時期でした。
昼間は体温以上の熱風が吹く中で、ギザ(首都・カイロの郊外にある町です)にある三大ピラミッドを見たときの感動は今も忘れられません。
砂漠の地平線を背景に、5000年の歴史を持つピラミッドとスフィンクスの白っぽいベージュ、そして砂漠の黄みがかったベージュのコントラストが印象的でした。
私の思うエジプトのイメージカラーは「サンドベージュ」以外考えられません。
季節や訪れた場所、出会った人、食べた物などによってその国のイメージカラーは変わるのかもしれませんが、そうした記憶を人は色でも残すのではないかと感じています。
(参考文献)「色のイメージ事典」 岡部慶三監修 社団法人日本流行色協会編