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【010】村上春樹が好きと言わせてほしい

昨晩、羊をめぐる冒険を読み終えた。

そして思った。村上春樹が好きだと。

しかし、私はこの言葉を文字にしたのは初めてだ。なぜなら、村上春樹が好きというのは、なぜだか敷居が高いと思っているから。可愛いと思ったアイドルのことを軽率に好きと言えないのと似ている。本当に好きな人に、マウント取られるのが怖いというか、「え?そんな子じゃないよ?的外れだよ」って言われるのが怖くて、たぶん保険をかけているのだ。

これを書いている時点で、お気付きの通り、私は保険をかけている。これから村上春樹の何が好きかということをつらつらと、脱稿したテンションで書くわけだけど、的外れでも責めないでほしい。し、本当に好きな人は私にこんなところに注目してとぜひプレゼンして欲しい。(結局こうやって一言断るなら、無駄に保険をかけるなんてダサいことしなきゃよかった)

私が村上春樹の本を初めて読んだのは、高校2年生のとき、ニュージーランドにホームステイをしていた夏のことだ。ここでいう夏というのは、日本的な意味。ニュージーランドは寒くて季節の移り変わりが激しい冬だった。最初に読んだのは海辺のカフカ、途中の猫のシーンが怖くてグロくて、すっごい実家に帰りたくなったし、たしか気持ち悪くなった。ちなみに今だから謝るけど、たぶんあの本、ニュージーランドにおいてきてしまった。高校の図書館のものだったけど。帰ってきたら全然見つからなかったから。たぶん。

んで、そこからなんとなく距離を置いてしまっていたんだけど、たしか大学生の時にノルウェイの森を読んで、ねじまき鳥を読んで、北海道旅行をする前に、デビュー作風の歌を聴け、1973年のピンボールを読み、3年くらいの月日を空けて昨日だ。ちなみに今日はダンス・ダンス・ダンスを買った。早く読みたい。

ご察しの通り、急激にはまって、急激に距離を置いてを繰り返してきた。そして好きだけど好きとは言い切れない理由が、しっかりとあった。

何で好きかわからなかったからだ。

毎度、物語の最初30%くらいまで、ずっとよくわからないまま読み進めている。ん?なんの話だこれって。ときには、タイトルと印象が違うな〜って。

でも、その瞬間はいきなりやってくる。意味わからないけど、戻っていたら進まないから、仕方なしに読み進めていたら、一気にグワーーーって加速するように物語が進んでいく。例えるなら東京ドームのコンサートの帰り、出口の風がめっちゃすごいみたいに。あの感覚がたまらなくすき。そして、もう一回読んで理解しようとして、その感覚をまた繰り返す。なんだ、村上春樹ってドーム魂(=5大ドームでやるコンサート)に多ステしたくなるのと一緒じゃんか。

現に羊をめぐる冒険はスロースペースに少しずつ読んでいたのに、羊の話のところから一気に電車の中で読みきって、夜お風呂で下巻読んでたらのぼせてしまって、涼みながら読んでたら読み終わっていた。(伝われ)

たまに痛かったり、グロテスクだったりする表現は好きじゃない。表現がじゃなくて事象がすきじゃない。でも、人間の細部を表す表現、生活をイメージさせるような表現が、めちゃくちゃ好き。というか、どんな頭の構造になってるんだろうね。私もそんな言葉思いつきたいよ。嫉妬だ嫉妬。

あと、なぜか読んだ後でめちゃくちゃ生きたくなる。使命感を持ってとかじゃなくて、友達に会いたくなるし、長生きしたくなる。なんだろうねこの現象は。

とまあ、今重めの原稿を脱稿したテンションで書き綴ってみたけど、明日の朝にはこのノートをきっと消しているだろう。恥ずかしくて見返したくもない。

ここまで見た方、誰でもいい、オススメの本を教えてください。

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