見出し画像

孤独と孤独が惹かれ合う|ロストイントランスレーション

人生において繰り返し何度も何度も見ている映画がいくつかある。でも、私はその映画の細部をだいたい覚えていない。

真剣に見た1回目、なんとなく見た2回目、こんなシーンあったっけ?となる3回目……そう思っちゃうのは、私が好きな映画にはイマイチ起承転結がないからだろうか。ただただ日常が過ぎていく、そんな映画が好きだ。

ロストイントランスレーションはそんな映画、いくつかあるうちのひとつだ。

舞台はトーキョー。ソフィア・コッポラが描く恋愛未満のラブストーリー

U-NEXT

東京という街にやってきて、孤独を感じている2人が惹かれ合う。それは惹かれ合うという言葉が適切で、恋ではない。恋なのかもしれないが、2人は決して最後まで I love you .だなんて言わない。お互いにパートナーがいるからなのか、それともこの関係の終わりがあまりにも近すぎるからなのか。

その意図はわからないけど、ただただ甘い言葉を囁き合って、思いを確かめ合って、寝て……そんな映画だったらここまで何度も何度も見ないと思う。

言葉にしないし、お互いの心の内を確認しないし、最後まで関係を持たない。

それなのに2人の間には、たしかに好意がある。孤独からの逃避行ができたのは、きっと1人じゃなくて2人だから。

2人のこれからだなんて、正直知らない。あの恋は、最後にサヨウナラと別れるから美しい。

雨の東京、東京タワーは今日も霞んでる。そんな日にはこの映画が見たくなる。

4回目にしてやっと、映画の魅力を言語化できた。

次に見るときは、どんな感想を持つのだろう。

いいなと思ったら応援しよう!

おきありちゃん/Oki Arisa
いただいたご支援で働き方を楽しくできるようなヒントとなる書籍などを購入します。ご支援よろしくお願いいたします☆