【読書感想文】ガウディの伝言
ふとしたことから、サグラダ・ファミリアに興味をもった私は、サグラダ・ファミリアで仕事をしている外尾悦郎さんの本を読んでみることにしました。
読後の感想としては、宇宙飛行士の方の本を読んだ時も思ったのですが
「何かを成し遂げる人は、信念をもっている人」
ということです。
ガウディは後年、サグラダ・ファミリアの建設に全精力を注ぎます。私財を投じて、さらに寄附を募りながら建設を進めます。しかし、ある日、サグラダ・ファミリアに向かう途中、市電に轢かれてしまい、命を落としてしまいます。
しかし、ガウディは自分が生きているうちに完成するとは思っていなかったようです。そこで、一部分だけは完成させ、あとは後世の人たちが引き継いでくれると考えていました。
ですが、その思いは、内戦によって打ち砕かれてしまいます。ガウディが生前完成させていた部分は破壊され、ガウディが残した模型なども破壊されてしまうのです。
それから、ガウディの志を知る人たちの苦悩と創造の日々が始まります。
そんな中、外尾さんは石を彫りたいという一心で、ヨーロッパに旅立ち、サグラダ・ファミリアに出会うのです。そこから、認めてもらうまで毎日通い、数々の試練を乗り越えて、重要な彫刻を任せてもらえるまでになるのです。
この本の中で印象に残ったエピソードがあります。
「外尾、これを修復できるか?」プーチさんに声をかけられ、私は我に返りました。その時どんな返事をしたか、今でははっきり覚えていませんが、おそらく生返事をしたと思います。私は迷いました。これが、自分の手に負えるだろうか、と。資料もほとんどないでしょう。しかし、少し考えて、これはやらなければいけないと思いました。
ガウディが生前作成し、内戦で破壊されたのち50年封印されてきた「ロザリオの間」。この修復を任された時のことです。ガウディが生前作成したという場所の修復を任せてもらえる、ということに対する緊張が伝わってきます。ここから、外尾さんはガウディとさらに向き合い始めるのです。その過程がすごい。なんと言うか、人生を、全身全霊をかけて物事を成し遂げようとするのは、これほと迫力がありそして辛いのか。
自分ではこんな風に物事に向き合ったことがないので、想像するしかないのですが。
しかも、外尾さんは日本人。スペインの人からしたら外国人です。そこまで認められる仕事をしてきた外尾さんを尊敬するとともに、ガウディと向き合って造ってきた彫刻を、認めてもらっているからこそなんだと思います。
今はサグラダ・ファミリアの主任彫刻家として、活躍されています。
久しぶりにすごい人の本を読みました。(語彙力のなさが恥ずかしい)
【8/7-8/20 #14日間連続投稿チャレンジ 12日目】