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【読書感想文】宇宙飛行士選抜試験 ファイナリストの消えない記憶

夢を叶えた人の話は多く存在するけれど、夢に届かなかった人の話ってあまりない。この本は、壮大な夢にチャレンジし、その夢に届かなかった時、そしてその後次の夢を見つけていくまでのお話です。

でもやっぱり、いつも同じようなことを書くのですが、何かを成し遂げる人は、信念をもって行動している人だと思います。

宇宙飛行士を目指す人にはM気質の人が多く、辛い検査の後ほど控室では盛り上がった。

えーっと💦なんかこの部分を読んだ時笑ってしまいました。この本はすごく悲壮感が漂う感じではなく、同じ夢に向かう同志が、辛い検査を笑いや勝負に変えてみんなで乗り越えていこう、というむしろ爽やかさすら漂う感じで書かれています。

M気質・・・。(あとはノーコメントでw)

二次試験で不合格だった人は、とても辛かったと思う。(中略)しかし、いくら思い悩んでも、答えが出ることはない。試験とはそういうものなのかも知れない。しかし、50名まで残って、何がダメだったか判然としないのは、消化不良に陥る。“11番目“だった人もいたはずなのだ。

963名から書類審査で230名に絞られ、その後の試験で50名まで絞られた。この50名に入れたのに、次に進めなかった時の気持ちは、私には想像すらできない。それでも、最終試験の10名に選ばれた人たちを応援する様子が本には書かれていて、ライバルってこういう存在なんだろうなって思いました。

切磋琢磨しながら、互いをリスペクトし合う関係、なんか素敵だなって思いました。

僕が宇宙飛行士選抜試験を通じて、宇宙飛行士になるために最も大切なことだと痛感した2つのこと。それは、宇宙飛行士として生きる「覚悟」と、ミッションを共にする仲間と築く「信頼」だ。

宇宙という、本来人が住めない環境で、仲間とミッションを遂行していく。それは私には想像できないほど、命懸けで行うことなんだろう。誰かに自分の命を預ける、そして預けられる、そういう存在になれるのか、人類の代表となれるのか。宇宙飛行士の選抜試験は厳しい試験の連続だったが、それはやはり命懸けの仕事であり、簡単にはいけない場所へ、人類を代表していく存在として相応しいのか、ということを見極められているのだろうと感じました。

だからこそ、共に試験を受けた人は、生涯の仲間になるのだろうな、と思いました。

いまぼくは、心の底から晴れ晴れとした気持ちだ。ぼくは夢を諦めるんじゃない。夢の実現方法を変えるんだ!このことに気づいたとき、ぼくは夢を乗り越えることができたという確信を得た。

宇宙飛行士になるという夢を叶えられず、夢を叶えた人をそばで見続け、そして自分の仕事を見つめ直していく中で、自分の夢を再確認できた過程が、詳細に書かれていました。

まず、それほどまでに思い続ける夢があること、その夢に敗れた後の絶望感、そしてそこから自分をもう一度見つめ直していく過程を読み、純粋にすごいことだなぁと思いました。

私はそんなに強く願ったことがあっただろうか、どうしても叶えたい夢をもったことがあっただろうか。それだけでも、尊敬できます。

そして、同じ夢に向かって共に頑張った仲間と、今でも交流があることがすごく素敵なことだなぁと思いました。普通に生活していたら得られない仲間ですよね。

このほかにも、最初に宇宙に行った油井宇宙飛行士のサプライズエピソードや、閉鎖環境試験のエピソードなど、素敵なお話がたくさん詰まっています。

Twitterの連載も毎週火曜日楽しみにしていたのですが、改めて本で一気に読むとより感動的でした。

【12/27-1/6 #10日間連続投稿チャレンジ  9日目】

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