『スキー場にかかる橋』【140字小説】

「スキー」と聞くと、思い出す風景がある。
白銀の世界にかかる虹の橋。
「虹だ! 」という声があちこちから聞こえる。
皆一様に足を止め、空を見上げている。
一面の雪と吐息はどこまでも白く、まるであの橋に色を奪われたかのようだった。
色を持つスキーウェアは代わりに心を奪われたらしい。

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