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海外産のゲームの方が面白いって本当?の話

今回は、巷で有名、っていうか、昔から言われている話の実際はどういう感じか、っていう実体験を元にした話をしたいと思います。

海外のボドゲ > 国産のボドゲ

とはいえ、これは本当か?って記事だと私っぽくはないので、「これはなぜか?」って話になります。

後、余談ですが、実際にこの符号だ! なんて記事は見たことないです。
とはいえ、友人間やゲーム会なんかで「国内の同人とかオリジナル買うより、海外産のゲームの方が面白いゲーム多いよ」って話は聞いたことあるかもしれません。ていうか、そんな話しか聞きません。そう思わないと話にも出さないって側面もあるっちゃありますけど。

「国産のレベルが低いだけだ!」
いえいえ。そうではありません。ちゃんと理由があります。でもそういう着地点になるよね。わかる。
でも、今回はそれには理由があるって話をしていこうかなと思います。
そのうえで、「国産(同人含む)」の魅力もおまけ程度ですがご紹介しようかなと思っています。(私もボドゲを作っている身なので、内輪宣伝みたいな話ではなくって、消費者として立場に立っての話です。)


0.目線の話

まず、序文の前、今回の記事の前提のお話です。
この記事を読まれている方は、私みたいになんでもかんでも手を出しているボードゲーマーもいれば、最近始めましたって人もいると思います。
今回は、~~くらいの層に向けた話で、知らないと思いますが~ みたいな話にはなりません。
逆にゲーム歴が長い人ほど、海外のが面白い事実は知っているが、その理由まで考えたことがない人もいるのかなと思います。っていうか、私が周りの人とこれについてさらっと話したときに、理由が実体験のみで実際なぜか、って話はしらないかも、って何回か感じたことでもありますけれど。(相手はゲーム歴15-20年ぐらいで複数人です。)
さてさて、レッツ。


1.国産って? 海外のゲームって?

最初に、ここで書く分がどういうものかって話をします。
国産は、SNEさん、オインクゲームズさん、アークライトさんやホビージャパンさんが出されている「オリジナル、もしくは同人を元にした国内オリジナル」や、ゲームマーケットに参加している同人ボドゲを指します。幅が広い理由はここではこれでいいからです。
もちろん、手前味噌ですがうちの(COLON ARC)のも含みます。
この中でも段階っていうものがあるんですが、それは後に回します。

海外のゲームは、いわゆる輸入ゲームや日本語版のゲームを指します。
こちらも段階があるのですが、あるってことだけで受け止めてもらえればいいかなと思います。


2.ボードゲームの完成度(段階)の話

早速、「なぜ」の答えになってしまうんですが、ゲームの面白さというのはそのゲームの「完成度」にある程度比例します。
ある程度というのは、他に無数の要因(好みとか)あって、その中の1つの指標という感じです。後、完成度ってなんじゃい? って疑問もあると思いますが、商品としてどこまでクオリティがあるか、みたいな指標です。
ほら、道の駅とかで手売りのミカンと、デパ地下の贈答用のミカンはちゃいますやん。そんな違いです。

今回のトピック「海外のが面白い」というのは、この完成度の違いによるためであると考えています。
以下ではその段階別の話を「ゲームの創作」をスタート地点に、遊び手(ユーザー)の手の届くまでの間にどれくらいの段階(イメージとしてはフィルター)があるのか、1つずつお話していく、というのが趣旨です。


3.ゲームの創作

1段階目にあるのが、「できた! 作った!」のこの状態に当たるものです。
「それってテストプレイ前のゲームですよね?」

はい、その通りです。
この状態のゲームが同人ボドゲでは出てきます。もちろんすべてではなくて、その中の1つとして「存在」はします。
ルールの記載ミスでここに送り込まれるゲームもそれなりにあります。実際テストプレイしていた結果のルールなんだけど、ルールから読み取れずここに雑に放り込まれます。ほんと、雑に。


4.テストプレイなど開発を進めた

2段階目がこの辺でしょうか。段階が無数にありすぎて迷うところですが。
何を言っているかというと、個人で開発を進めることの多い「同人ボドゲ」では、テストプレイで他の人の意見を聞き、それに対応して自分で組み直して、考え直して、検討して作って出す、ということをします。
ここではそれくらいの部分を指しているいるのがこの辺です。製作経験の少ない人が作った個人製作のゲムマ作品はこの辺だと思ってください。


5.ディベロップした

ボードゲームの開発に当たって、たまに聞く「ディベロップ」。
何をしているのか、何が正解なのかさっぱりわからないといわれがちなこのディベロップできているのか、できていないのか、無意識にできているのか、というのは、創作に慣れたプレイヤーであれば、遊んだ時に感じることができたりもします。
逆に言うと、創作したことがないプレイヤーにとって「ディベロップ」という作業はすごく理解のしづらいものになります。理由は簡単、「範囲が広すぎる」からです。
大地は理解できるが地球は理解ができなかった人類と同じです。

このディベロップでいうと、例えば、マーケティングした、似たような企画から検討した、ゲームシステム側での検討を進めた、などなどを指します。
ゴール地点を決めた、QA、などなども入ったり。書ききれるわけがありませんけれど。
自社製品のあるサラリーマンであれば、自社製品がどのような過程を経て市場に流れているか、調べてみても面白いかもしれません。


6.売れた(売れなかった)

ボドゲが売れた、売れなかった、というのは結果でしかありませんが、実は海外のゲームにはこういったフィルタも入ります。

売れた=有名になった
売れなかった=名前も聞かない

その先に、国内の誰かが「輸入しよう」という話が出てくるからですね。
ショップや輸入して日本で販売しようとする人による経験値や実際遊んだ感触の先にあるのがここですね。
有名なゲームデザイナーでもほんといろんなゲームを出しています。「この人のゲームはすべて名作だ!」って思っている人はちょっとこうとも考えてみてください。「この人のゲームで国内に輸入されているものは名作だけ入ってきている」と。
それくらい、どんなデザイナーもいろんなゲームがあります。


7.大量生産できる

いざ作ろうとしても、カードゲームといった小規模のものから、1万円を超えるようなボードゲームまであります。
1万円を超えるゲームを1000個作ることを考えてください。
そのうえで、一時的とはいえ原価の総額はどれくらいでしょうか?
そのボドゲにそこまでのお金をかけて売ることができるでしょうか? 具体的に、「あなたはそれによって生活、人生を左右されます。作ってOK?」といわれてゴーサインを出せるでしょうか?
そういった判断の元、作られたものです。
余談ですが、国内では同人カドゲが50個から生産できます。(手作りだともっと少ないですけど)
海外だと、少なくても500個、オリジナルで1000個、すでに出ているゲームなら3000個ぐらいが最低ラインだとイメージしてもらえればいいかなと思います。(イメージ向けの数)
割と、というか、ほんとに日本って特殊な環境だなって思います。


8.その他

これ以降はいろいろありますが、ゲームの楽しさ、面白さ、という点では大きく変わらないかなと思うので、省略します。(でも変わるんですけど)
実際こういった段階を経て、ユーザーの手元に来ています。
まとめると、こんな風になります。

1)ゲームの創作
2)テストプレイなど開発を進めた
3)ディベロップした
4)売れた(売れなかった)
5)大量生産できる
6)その他

これにさらに「技術者」という切り口が追加されます。
例えばですが、「100のゲームを遊んだことのある人」がスタッフのゲームと、「5000のゲームを遊び、100のゲームを作り、10のヒット作を世に送り出した人」の能力というのが全く違うのは分かるかと思います。
デジタルゲームでいうと、「任天堂」から出たレースゲームと「個人」で出したレースゲームの違いとかね。

で、1)~6)はすべて人によって行われます。
それら人にも上記のような違いがあります。

例えば、海外なんかでいえば、1980年ごろから賞レースが行われ、パブリッシャーでいえば、Amigoは1980年からゲームを作り続け、そういった中でスタッフを育成しており、10年や20年携わった人が選択などに参加した作品のゲームは「面白そう」とそれだけで言えると思います。
※異論は分かりますし、○○を思い出せよ! っていう話はあなたではなく、こっちも言いたいですw


9.まとめ

そんな訳で、これらをまとめると、まず段階は大まかに以下があります。

1)ゲームの創作
2)テストプレイなど開発を進めた
3)ディベロップした
4)売れた(売れなかった)
5)大量生産できる
6)その他

でも、出てくるゲームは、1)~6)の段階それぞれで存在します。
国内で手に入る「海外のゲーム」のほとんどは、「5)以降」がほとんどかと思います。
大して、「国内のゲーム」でいうと、タイトル数でいう9割は「4)以下」じゃないかなと思っています。
そりゃ、そういう違いがあれば、「海外のゲームの方が面白い」となると思います。

ちなみに海外でも1)や2)の作品は、ちゃんと狙えば手に入ります。っていうか、そういうものをそれなりな数を遊んだ自分の感想から出言うと、「大差ないし、なんなら日本のが面白い」と私は思ってます。
どうやって調べたり、手に入れるの? って言われると、マジでBGGを眺めるか、同人の取り扱いが多い海外のショップを見るか、海外の人のレビューを読むしかないです。情報なんか流れてきませんし。

だから、「海外産のゲームの方が面白いって本当?」とか言われるんですが、事実をちょっとピックアップしてみましょう。

上記の「同人を手に入れる過程」がある前提で、海外から見た日本のゲームっていう視点で見てください。
わざわざボードゲーム後進国であった日本のゲームを取り上げて、本場のドイツで販売されるってかなりものすごいことですよね。
そして「大ヒット」した日本のゲームはいくつもあります。もちろん、それが氷山の一角、ということをいう人はいるかと思います。
でも「ない」のと「ある」のとは雲泥の差があります。
最近はそういったことが無くなったでしょうか。そんなことはなく、いくつかは海外で販売されるような話は出てきますね。

後、すごく余談ですが、日本はデジタルゲームで世界中で愛されるゲームを作っている人たちがたくさんいます。
エンターテインメントとして同じ思想で作られているボドゲもそれなりにあります。(だって、中の人が……)
そんなわけで、全然差なんてないんです。もちろん、ボードゲーム特有のディベロップの部分では経験値の部分で足りない点もあるでしょう。
でも、実績を見ると、差なんてしれている、とも考えます。


10.おまけ

では、逆にこの玉石混合の(そして石が多いと思われる)国産ゲームの中から面白いゲームを探すためにはどうすればいいでしょうか?
ここからは完全に私の経験上、そして(楽しんで)やっていることを書いておこうかなと思います。

探すときはまず、作者、もしくはサークルやパブリッシャーを覚えるところからスタートするのはいいかなと思います。
そして、市販や同人などいろいろなゲームを遊ぶことです。
自分の好みは何なのか、面白いと思ったゲームの共通点は? 逆の共通点は? 絵が好み? システムが好み? テーマが好み?
そうして目が肥えてきたら、創作ゲームのゲームの概要を読んだり、時にはルールを見たり、紹介を見るだけで、「面白そう」というは見えてきたりもします。
もちろん、外れることもあります。
この辺は他の趣味とも一緒ですね。カメラや映画、スポーツ観戦とかも似たようなことが言えると思います。入り込むからこそ楽しいってやつです。

そういった「創作物」に触れること自体に楽しさが見つかれば、同人ボドゲはより楽しいものになるんじゃないかなと思います。
逆に書くと、そういう楽しさを求めていないと、同人ボドゲといった玉石混合、しかし最先端の、パイオニアのゲームを遊んで楽しむことはお勧めできないかもしれません。

最後にただ、1つ、私がこの記事を書いた理由を覚えておいてください。
「国産のオリジナルゲームが世界のボドゲから見れば出遅れている、劣っている」というのは、こういった理由があるからで、決してダメゲーばかり出している、創作がダメな日本創作デザイナー陣ではない、ということです。
ユーザーからすべての点で手に届く位置にありすぎるため、そう感じる、というだけです。

特に昨今は、すごく面白いのに遊ばれないゲームが多いなと感じています。もちろん、海外からのゲームがたくさんあって、そこまで手が回らない、という理由は分かりますけれど。
後、コロナ禍でほんとに遊んでる時間が減った、っていうのも。
でもこっからは好みよねぇ。

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