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身体能力の高さを競うものではない登山

コロナ禍になり、羽が生えたように、街から街へ気軽にいけなくなった。そんな時に舞い込んだ、登山アプリ会社YAMAPからの執筆依頼。山の旅をテーマに執筆して欲しいと言う。概要を聞いたら、2泊3日のツアーに参加し、3つの山へ登り、登山口まではe-bikeで移動という。

https://yamap.com/magazine/21569

残念ながら私は、ひたすら文化系街道を突き進んできた根暗な人間で、身体能力はどう贔屓目にみても決して高いとは言えない。ただ、山への愛着は人一倍強いと思う。森林活動や環境保全にずっと携わってきたし、高校時に入った地学部での活動も良い思い出として私の中にずっと残っている。ただやはり、そこには偏見もあった。地学部はずっとダサい、キモイと馬鹿にされていたのだ。

山が好きだ、という理由だけで体力のない私がツアーに参加し、皆さんの足を引っ張っては申し訳ない。まず最初にそう思いました。

でも、だからこそ、私がこの仕事を受けるべきではないのだろうか。山に親しむことに、根暗な性格や人種や地学部のキモさや能力の高さがなんであろうか。とてもくだらないことに拘っているのは私自身なのではないか。

ということで、山に普段から親しんでいる友人知人を巻き込んで、その仕事をお受けした。

まず、本番のツアーに入る前に、ツアーで登る山をリサーチしよう、と私は山に慣れている知人を頼りに、久しぶりに登山することにした。登山と言っても低山(1000m以下の山)で、普段から見上げている身近な山だ。トレッキングシューズすら持っていなかったので、近所のアウトドアショップの店主にアドバイスをもらい、足の大きさをはかり、自分にあったシューズを買った。その時、店主が「箱は付けないからね、箱に入れると山に登らなくなっちゃうからね」と言った。私はこの店主の一言がとても気に入った。これから、このシューズを相棒として、たくさん山に登りたいと思ったのだ。

そして、出かけた高尾山606m。身体能力の高くない私と山友になってくれた仲間は、歩くスピードを私に合わせ、ゆっくりと確実に案内してくれた。山頂までたどり着いた時に見た街の小ささと自分の小ささと、青い空が衝撃だった。本当に爽快だったのだ。

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そんなことで、身体能力の低い私が山登りというスポーツに目覚めた瞬間だった。学校の体育の授業は常々、軍隊みたいだと思っていた私が心から求めていたスポーツが、この登山だった。鈍臭く引きこもりで、膝痛を抱えている私が、自分の足で登ることが、とてもとても重要なのだ。

そんな鈍臭い私が綴る山レポで、ぜひ勇気を持っていただければと思います!

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