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Jack In The Box


Jack In The Box


BTSのJ-HOPEがソロアルバム、Jack In The Boxをリリースした。
私は防弾会食のことを書いたとき、
ホソクさんの今後の活動について「ハッピーオーラで世界を驚かせて」と書いたけれど、
彼が投じたのはそんな予定調和などではなかった。
これは多分、アーティストJ-HOPEの内なる熱と、現在地の赤裸々な告白だ。

J-HOPEの内なる熱  あまりにも美しい


まあるい人

ホソクさんはまあるい人だ。
明るくて優しくて賢くて視野が広くてどこにも欠点が見当たらない。もちろんダンスやラップは最高、歌も上手いし、作曲の能力も抜群、ビジュアルもデビュー当時から驚くほど美しく仕上がっていた。
レーダーチャートにしたら、かなり高次元でまあるくなる人だと思う。
ものすごく素敵なことだし、彼の最大の魅力だと思うけれど、もしかするとそこにコンプレックスがあったのかもしれないと思う。

BTSのメンバーはかなり個性的だ。
非常に理知的で理想的なリーダーなのに、何故か破壊神のナムジュンさん、
音楽一辺倒で来世は石になりたい、だけどもかっつりアイドルもしちゃうユンギさん、
最早天使かもしれないぽやぽやテヒョンさん、
この3人は最初からまあるくなることに興味がなさそうだ。
我関せず、好きにトゲトゲに尖っている。

ソクジンさん、多分本当はかなりまあるいけれど、防弾少年団加入後に模索して今のキャラを作りあげた賢い人。WWHは苦労人だと思う。
ジミンさんもまあるい人だし、周りへの配慮がすごくて優しい人だけれど彼はどうしても自分だけを見て!というエゴの棘を隠しきれない。きっとパフォーマーとしての性だ。
ジョングクさん、彼は黄金なので何でもできてしまうから、とてもまあるい。しかもかなり大きな丸だ。だけど、レーダーチャートに表せない、どこか上手く表現できないところが丸ごとすっぽり抜けていそうだ。この不安定さが彼の大きな魅力。


ホソクさんの役割

そんな兄弟たちと過ごしてきた彼の役割はダンスやステージパフォーマンスのリーダー。
自分もステージに立っているのに俯瞰で見ているかのような細かいチェックや、
どんなに笑っている時も、モニタリングの時は一瞬で表情を変える彼の姿を何度も目にしてきた。
実際それが彼の役割で、チームは彼に助けられてきたのは言うまでもない。
きっと彼は、中間に立っていたのだと思う。
アーティストと事務所。
見る側と見られる側。
リーダーのナムジュンさんも様々な場面で中間にいると思うことが多いけれど、それとは別にパフォーマンスに関する部分で、ホソクさんには他のメンバーとは違う責任が重くのしかかっていた。単にアーティストとして自由に振る舞える環境ではなかったのではないかと思ってしまう。
彼の最も大きな武器のダンスすら、全体のバランスの中で控えめに合わせることも多かった。
尤も、ほんの一瞬の動きでもタメでも目線でも、ホソクさんのそれはゾクゾクするほど魅せてくるのだけれど。

こちらゾクゾクさせるホソクさん


彼の名は希望

そして彼の名前はJ-HOPE。
挨拶のたび「僕は皆さんの希望」と自己紹介する彼は、「希望」らしく振る舞い続けるという呪いを最初に自分にかけてしまった。
前進し続けるチームの旗印としての「希望」と
重い足枷として付き纏う、誰かの「希望」という立場。
でも彼はそれを重荷だなんて言わない。
ホソクさんはこの9年間いつも笑顔で、明るい「希望」としての役割を全うしてきた。
パンドラの箱の中に最後に残った希望は、
それを解き放ったことがパンドラの最も大きな罪だと言う人もいるけれど、
ホソクさんは「希望」はどこまでも美しく、なくてはならないものとして大切に扱ってくれた。


J-HOPE PD

アルバムの発表を間近に控えたホソクさんは心配になるほど痩せていた。トップバッターとしての重圧や、責任感、不安も勿論大きいだろう。同時に、2本のMV、KAWSとのコラボのアートワーク、リリースパーティー、グッズの制作等の様々なプロモーションを見れば、納得せざるを得ないものだった。制作過程のログを見ると、彼は衣装やメイク、ビデオの内容等納得のいくものを作ろうとどこにでも入り込んでいた。
しかもただ頑固に自分の意見を押し付けるようなことはしない。衣装の制作者やMVの監督にきちんと権限を与えて任せたうえで、自分の責任でOKを出していく。
曲作りなどの根幹部分も含めて、このアルバムのすべての作業は同じプロセスで進められたに違いない。
尊敬できる凄いリーダーだ。
こんなチームはきっと上手くいく。

彼は俯瞰の才能があると思っていたけれど、想像以上のプロデュース能力に舌を巻いた。
何しろホソクさんはセンス抜群。お洒落で緻密に組み立てられたプロモーションは最高だった。きっと彼が長いこと温めてきたプランだったのだろうと思う。
今後バンタンだけでなく新人のプロデュースとかも絶対上手くいくと思う。パンPDの後継者になれちゃいそう。
これは、ユンギさんのプロデュース能力とはまた別の種類の才能。
こんなものがホソクさんの胸の中で疼いていたのかと思うと、個人活動は必然だったと思わざるを得ない。
そして驚くべきことに、アルバムの準備はBTSとしての活動中に並行して行われていたのだ。
何というバイタリティー。
何という才能。

音楽、家族、ライバル

そして肝心の音楽は、原点回帰でもあり、更に進化し続けるヒップホップだった。
ユンギさんやナムジュンさんは防弾少年団加入前から実力のあるラッパーだったけれど、ホソクさんはダンスミュージックとしてヒップホップを聴いてはいたもののラップや作曲は練習生になってから始めたという。
最初はボーカル志望でフリースタイルラップが苦手だった彼は、遅いスタートにも関わらず、努力して彼らしいラップを身につけた。
それはリズミカルで華やかで、踊るようなラップだと思っていたし、今回だって跳ねるような踊るようなラップは健在なんだけれど、今までのJ-HOPEとは明らかに違うアプローチだった。時に激しく力強く、時にお洒落で華やかな、全力のJ-HOPEの解放。

カッコいい カッコいい カッコいい


ホソクさんは曲ができると、いつも最初に聴かせるのはナムジュンさん、そしてユンギさんなんだそうだ。
でも今回ユンギさんは公開されたら聴くと言って聴かなかったらしい。
これはユンギさんがホソクさんの進化を認め、弟の曲を聴いてアドバイスしてあげるなんて段階ではなくなったということ。
アーティスト同士のリスペクトとライバル心のようなものまで感じられて震える。 

ユンギさん、きっと今もの凄い笑顔なんだろうな。自慢のカッコいい弟、いいライバルだね。
そして認められたホソクさんはもっと嬉しいだろうな。
ナムジュンさんはチングの活躍を眩しく見ているんだろうな。次はナムジュンさんのソロアルバムの発表になるようで、気合が入るだろうな。
ジョングクさんは聴いた後自分のスタジオに走っていったんだってね。そりゃ作業したくなっちゃうよね。
きっとジンさんやジミンさん、テヒョンさんにも凄く刺激になったはず。
改めてBTSにとって、個人活動がグループにもたらす相乗効果って凄いと思う。
最高。

リリースパーティーでホストを務めるホソクさんが、
お洒落で人当たりが良くて気配りが行き届いていて、
あまりにもホソクさんで素敵だったけれど、
ホソクさんを囲むメンバーもとても素敵だった。
彼等はお互いの自慢にまるで躊躇がない。
僕の弟すごいでしょ、僕のヒョンカッコいいでしょ、ってみんな顔にかいてある。
ユンギさんが発熱で来られなかったのは残念だけど。

ナムジュンさんの左手の隙間はエアユンギさんの場所


音楽に対する誠実さ

「誠実さ」を要素に着目して作ったアルバムであり、不安になるほどやりたいことを詰め込んだという「Jack In The Box」。
ソロアルバムリリースのトップバッターになったのは、常に準備していたからだという彼は、努力家で音楽に対してとても誠実な人だ。
まあるいホソクさんなら、コツコツ努力を積みかさねて上手に転がっていけるはず。
或いは、もうまあるい殻を内側から破って棘を出し、お洒落に飾っているのかもしれない。
いずれにせよ、彼の音楽はこれからも続く。
それが楽しみで仕方ない。

ロラパルーザはどんなステージになるだろう。
きっと彼のやりたいことがぎゅっと詰まっているんだろうな。

J-HOPE、ホソクさん、私たちの希望、
ファーストソロアルバムの発表、おめでとうございます。

そう書いていたら、今度はYouTubeにビジュアライザーの投下。
また、全部が本当にお洒落。
そして、何というサービス精神。
何という誠実さ。。。
あなたはどこまでも私達の希望で、どこまでもチョンホソクさん。
やっぱりあなたのハッピーオーラこそが、世界を驚かすのだと思う。


Jack In The Box




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