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【待望!】2年半ぶりにパリコレに還ってきたCOMME des GARÇONS!!!
1.最初に
先日開催された2023年春夏パリ・メンズコレクションは多くのブランドが新たなスタイル・ルックを発表し、連日盛り上がりを見せています!
日本のブランドも続々と登場し、Kiko kostadinovの初登場やKENZOやdoubletなど世界のファッショニスタから高い評価と人気を集めていますね。
中でも、注目を集めたのが6月24日に行なわれたCOMME des GARÇONS HOMME PLUS 2023年春夏コレクションでしょう。ギャルソンがパリコレでショーを行なうのは、約2年半ぶりであり、パリの街にCOMME des GARÇONSが還ってきました!
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本記事では、話題沸騰中のCOMME des GARÇONS HOMME PLUS 2023年春夏コレクションについてまとめました!最後まで読んでいただけたら幸いです!
2.HOMME PLUSについて
同じCOMME des GARÇONSでも、ギャルソンには様々なラインがあって、それぞれブランドコンセプトやデザイナーも異なります。
そこで、まずはCOMME des GARÇONS HOMME PLUSってどういうラインなのかを軽く紹介したいと思います!
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COMME des GARÇONS HOMME PLUS(コムデギャルソン・オム プリュス)とは株式会社コム・デ・ギャルソンの代表取締役でありオーナーデザイナーを務める川久保玲氏がデザインを手がけるメンズラインのブランドです。
1984年の設立以来、”異素材のドッキング”や”パッチワーク”など『既成概念にとらわれない男性』をコンセプトに気取らず自然体でいることの出来る自由なスタイリングを提案し続けています。
メンズラインでありながら、ウィメンズと同じデザインを取り入れたアイテムが多く、今で言うジェンダーレスな洋服を世に送り出していました。
この時代から、ジェンダーレスなスタイリングを提案していたブランドは数少なく、新たなムーブメントを生み出すパイオニアとしての面も強いラインです。代表的なテーラードスタイルはいつ見ても変わらぬ格好良さがあって個人的に大好きなラインの一つです!
愛用者の間では通称”プリュス”と呼ばれており、ここからはプリュスの敬称で進めていきます。
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3.「ANOTHER KIND OF PUNK」
気になるショーのテーマは「ANOTHER KIND OF PUNK」。ブランド設立当初からCOMME des GARÇONSの核である「反骨精神」と非常にシンパシーを感じるPUNKという文字。そのPUNKをプリュスは、中世の宮廷道化師をインスピレーション源とし、ショーを通して”GARÇONS流PUNK”を表現したのです。
・なぜ中世の宮廷道化師なのか?
では、なぜデザイナー川久保氏はショーの鍵となるエッセンスを中世の宮廷道化師にしたのでしょうか?
川久保氏はショーノートにて自身の考えをこのように述べています。
「中世の宮廷道化師は、癒しを与える存在だけに限らず、主君に別の世界、斬新な考え方をアドバイスする役を持つ存在でもあったことに興味を持ちました。おそらく、中世の道化師はパンク精神の持ち主あったのでは、と想像しました」
【23年SS メンズ速報】より引用
川久保氏が考えるように中世の道化師は、陽気な踊りや芸で人々を楽しませるだけでなく、知性と教養に長け、物事の本質を見分けることが出来る存在として為政者や権力者に進言することを許されていたそうです。
川久保氏は中世の道化師のお調子者・おどけ者を演じることの出来る賢さ・社会の本質を見抜くことの出来る賢さに着目し、プリュスの服を身に纏った歴史上屈指のパンク精神の持ち主としてショーに蘇らせたのです。
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道化師のリスペクトはショーの中にも散りばめられています。ショーのランウェイは人一人が通るのがやっとの狭い道のりで、それはまるでピエロが綱渡りする様のようです。
登場するモデルたちはそれぞれマスクを被っており、印象的な表情のマスクや動物の顔のマスクなどは陽気な人々を楽しませているピエロを連想させ、ストライプや水玉模様の柄物やボトムスのバルーンシルエットなど道化師の衣装に見られる要素をプリュスのアイテムに落とし込んでいます。
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個人的には、今季のプリュスはウィメンズラインの要素を感じるモノが多く、ジェンダーレスにすることで道化師が持つ独特な中性的な雰囲気を演出しているのかなと感じました。下の画像のロングジャケットは、どこかウエディングドレスのような雰囲気がありますよね。
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4.創造と挑戦
ショーの内容としては、プリュスの原点とも言える黒のテーラードジャケットを用いたスタイリングから出発し、黒を基調とした鮮やかな原色やビビットカラーを用いた多彩な色使いが印象的でした。中盤以降は白をベースとした華やかなスタイルからドッキング、マルチカラーといったバランスの取れたスタイリングに移り、最後は黒メインのフォーマルなテーラードスタイルと多種多様なバリエーションで観客を魅了しました。
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ブランドのシンボルとも言える黒×○○のような多彩な組み合わせも印象的でしたが、個人的にはシルエット・デザイン、ギミックの豊富さにも驚かされました。正面から見たら、綺麗なジャケットという印象のアイテムでも後身頃は膨らみを持たせた特徴的なシルエットのアイテムや体の動きと共に動くショーツなど身体の動きに連動して表情が変化するアイテムが多く、見ていて興味をそそられるモノばかりでした。
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これぞギャルソン!これぞプリュス!というブランドの核はしっかりと残しつつ、インスピレーションとなったものを独自の解釈で全く新しいモノを創り出すあたり、さすがギャルソンだなあと感嘆しました。
5.反骨精神とPUNK
ギャルソンを語る上で欠かせないのが『反骨精神』、そして今回のショーでテーマにもなった『PUNK』。両者とも情熱や衝動・興奮、怒り、現状を打ち破ろうとする意欲といったアグレッシブな感情がその根底にはあり、それらの感情がエネルギーとなり、芸術や音楽、そしてファッションにも大きな影響をもたらしました。
川久保氏は、そういった感情が生み出すパワーを大切にしており、自身のクリエションを通して日々様々なことを我々に問いかけています。それは、ファッションの領域に留まらず、アイデンティティや社会問題など多岐にわたります。
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今回のコレクションでは、特にPUNK・反骨精神が持つパワーやエネルギーの大切さ・スゴさを伝えよとしているように感じました。
変幻自在の芸で人々を楽しませる陽気な側面と時に冷静に現状を分析し世の中を正しい方向へ導くという側面というように多面的な顔を持つ中世の道化師だからこそ、これほどいろんなことを表現できたのでしょう。
正直、最初に見たときはなんでピエロなんだろう?と疑問に感じていましたが、彼らの伝統と担ってきた役割を知った今では、彼らほどの適任はいないようにも感じます。
中世に道化師として多くの人を楽しませ、また導いてきた彼らが何百年という時を経た今、COMME des GARÇONS HOMME PLUSの洋服を纏って本当にそれでいいのか?常識に縛られすぎていないか?と本質を問いかけてきているのです。今季のコレクションの洋服を通して今一度自分を見つめ直す良いきっかけになるかもしれませんね。
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そんな彼らを一言で表すならば、『トリックスター』という言葉がぴったりな気がします。
6.最後に
今回は、2年半ぶりの凱旋を飾ったCOMME des GARÇONS HOMME PLUS 2023年春夏コレクションについて紹介させていただきました!
2年半ぶりのパリコレ復帰、日本勢のパリコレ登場の筆頭など人々の期待は多く、プレッシャーもものすごいものだったことでしょう…
しかし、我々の創造・期待を軽く越えてくるあたり、さすがギャルソンですよね。
ギャルソンは他にも「JUNYA WATANABE MAN(ジュンヤ ワタナベ マン)」や「COMME des GARÇONS SHIRT(コムデギャルソンシャツ)」がコレクションを発表しており、それぞれが持つ色・世界観が表現されていて見応え抜群です!
個人的にはシンプルなんですが、このルックが一番お気に入りです!
今季のショーを見ていて、テーラードにシャツというベーシックなスタイリングにすごく惹かれたので、今年の秋冬はガンガン着ていこうと思います!
ショーの中でも目立っていた、原色やビビットカラーのシャツとの組み合わせもバリエーションが豊富で面白そうですよね!
カラードレスシャツなんかは、古着だと値段も安くカラーリングも豊富なので比較的挑戦しやすいと思います!
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非常に盛り上がりを見せた今回のパリコレでしたが、皆さんはどのブランドが良かったですか?
次回はどんなコレクションなのでしょうか?次回作をワクワクするのもファッションの楽しみの一つですよね。夏服も買いたいですが、筆者は秋冬に向けてお金を貯めて待機します!(笑)
最後まで読んでいただきありがとうございます!
少しでもCOMME des GARÇONS HOMME PLUS 2023年春夏コレクション並びにCOMME des GARÇONS HOMME PLUSの魅力・良さが皆さんに伝われば幸いです!
下にリンクを貼ってますので、気になった方はぜひチェックしてみてください!
コーポレートサイト:https://www.comme-des-garcons.com/
YouTubeアカウント:https://www.youtube.com/watch?v=mtuzSgNH4ZE
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