持ってる彼女
先日、妹とアフタヌーンティーに行ってきた。子育てをしながら専門職としてフルタイムで働く彼女は忙しく、「最近疲れてるわー」が口癖になりつつあるように見えた。ならば、と二人でぱあっとお茶してきた。
ふだんからぺちゃくちゃおしゃべりしているわたしたちにかかれば、2時間なんてあっという間である。おいしいセイボリーとスイーツをつまみながら、話に花が咲いた。
彼女の話を聞いていると、微笑ましくなる。周囲の人々に愛され、助けられ、ときには助け返していることが伝わってくるからだ。愛嬌があって、人に囲まれるタイプでもある。我が妹ながらリスペクトが止まらない。
いろいろな思い出話も飛び出した。
妹は子どもの頃から、化学オタクだった。今も化学の知識を活かした仕事に就いている。彼女は中学生のとき、しりとりで「ベンゼン環!」と叫んでアウトになった。
また、昔、わたしと母がテレビのニュースを見るそばで、大学生だった妹はうたた寝をしていた。当時の総理大臣は小泉純一郎氏。わたしと母は「小泉さんはさ……」と話しながらテレビに向かっていた。
すると、妹が眠ったままソファから上体を起こし、ひと声放った。
「お、お通しして!」
わたしと母は思わず「なんでやねん!」とツッコんだ。なんであなたのところに小泉純一郎さんが来るのよ、なんでその発想なのよ。そして、寝てるの、起きてるの、どっちなの。
こういう話がたくさんある。
なんというか、彼女は「持ってる」のである。面白いネタには事欠かない。話をちょっぴり楽しくし、オチをつけるための強運に恵まれている。わたしの友人たちも彼女を「面白い子やわぁ」とかわいがってくれる。
わたしはわりと融通の利かないほうで、面白みに欠けるんじゃないかと自覚している。そんな姉を持ったせいか、妹は愛嬌と天性のちゃめっ気でバランスをとっているらしい。
まわりにチャーミングな人が多いのは、とてもありがたいことだ。きっと、自分で気づかないうちにたくさんの恩恵を受け取っている。なにより、楽しい。
彼女をはじめとしたまわりのみなさんに感謝! そう思わされる休日だった。