それを開いておくために
トラベラーズノート用のクリップ、というものを買った。またも娘たちと行った本屋さんの文具コーナーで出合ってしまった。
よく紙の本やファイルを広げたままパソコンに向かうのだけれど、ぺたりとページが閉じてしまうことがあって困っていた。あっ、今そこのページが必要なのよ! なん度、一人で呟いたことか。
しばらく前までは楽譜用のクリップを使っていた。ブロンズ色がかわいい、こちら。
雑誌やカタログなど、大きめの本であってもしっかり留めてくれるので重宝する。フルートの練習にも大活躍だ。
しかし、ピアノのお稽古に通う双子の娘たちが楽譜用のクリップを欲しがっていたので、譲ってしまった。「バイエルも練習曲の本も閉じちゃうねん」と、二人して困り果てていたのを見かねて、じゃあママのあげるよ、となった。ちょうど予備がもう一つあったし。
ということで、本を開いたままにしておけるグッズを探していたここ最近。ぶらぶらたどり着いた文具売り場で、この子が待っていた。
艶消しゴールドの質感がきれいな、真鍮製のこの子。それにしてもトラベラーズノートを開いたままにしておくための商品とはまた、ニッチな。もちろん、トラベラーズノート以外にも使える。
クリップ一つで1540円。決してお安いとは言えない。軽いランチができるお値段だ。わたしにとって「ランチ以上」は、買うのをちょっと躊躇う価格帯である。
でも、不便で困っていたし、控えめな美女のような佇まいにも惹かれたし……で、レジへと連れて行ってしまった。ついでに川上未映子さんの『黄色い家』も。文庫になるまで待とうと思っていたのに、やっぱり待てなかった。
早速クリップを使っているけれど、これがまあ、便利で。ぺたん、と本が閉じてしまったときの「ああ!」という苛立ちがなくなった。ちょっと書きものをするときにノートを押さえておくのにも役立つ。ルックスも好きだ。
これいいやん!
わたしは今、感動で鼻の穴を膨らませている。娘たちはそんな母を横目で見つつ、『おしりたんてい かいとうとねらわれたはなよめ』に夢中だ(クリップといっしょに購入したもの)。
「開いておきたいページがあるのよ、でも、ダサいのは嫌!」という方におすすめの逸品ではないかと思っている。
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