テクノロジー x HRのイケてるスタートアップ#1
こんにちは。株式会社Colereでプロダクトを担当しているShingoです。
弊社では「信頼で結ばれた組織を創る」ための様々なアイディアを探し求めており、グローバルのHR Techに注目しています。今日はその中でも特に人事領域の仕事に役に立ちそうなイケてるスタートアップをご紹介します。
HR Techの投資概況
各スタートアップを見ていく前に、まずはマーケットの投資概況に簡単に触れておきます。
ここ数年、VCによるFinTechやHealthTechへの投資が加速してきていますが、HR Tech領域も直近1年で投資領域として特に注目を浴びています。
背景として、パンデミックの影響により働き方の強制変革が求められており、フルリモートによるグローバルでのチーミングやチームコラボレーション関連のサービスに投資が集まっています。
Crunchbaseのこちらの記事によると、2021年のこれまでのHR Tech領域の投資額は$7.5Bとなっており、これは2019年($3.5B, 579件)と2020年($2.2B, 500件)の総額よりも多くなっています。特に今年9月からの約3ヶ月で$2.8Bも投資されており、これまで毎年2-3社しかUnicorn(時価総額$1B以上のスタートアップ)が生まれてこなかったこの領域において、今年は既に15社以上のUnicornが生まれており、活況具合がお分かりいただけるかと思います。
(引用: Crunchbase News)
HR Techと一言で言っても様々な領域があるわけですが、今日はその中でも特にテクノロジーによる進化が著しいTalent Acquisition領域の中から、テクノロジーで既存の業界構造を変革する可能性のある僕のお気に入りスタートアップ3社を取り上げます。
なお、Talent Acquisition領域とは、主に採用前(Pre-Hire)と採用後(Post-Hire)に分けた時のPre-hire領域にあたり、さらに求職候補者を集めてくるRecruitment Marketing領域と求職候補者を選考するRecruiting領域に分けられます。今回は、Talent Acquisition領域全体からピックアップします。
(引用: TalentLyft)
オススメ1:Zippia in Jobseekers Resources, Consideration & Interest process
Zippia: 2015年創業, Series A, 総額$11.1M調達, アメリカ カリフォルニア州サンフランシスコ本社
投資家:MHS Capital, Plug and Play Tech Center, Headline, Correlation Ventures, NextView Ventures他
職種別の給料や求められるスキル、資格、人口動態などを公開求人情報を集めて整理しているサイト。職種に関するマクロトレンドを体系的に把握したり自身の職業を俯瞰的に捉えたりする場合にオススメ。ただし、今のところはUSの職種に限定。
Indeedが求人、glassdoorが会社を起点とした求人検索を提供しているのに対して、Zippiaは職種という軸で情報をキュレーションし、求人検索を提供しています。
なお、職種別のレジュメのテンプレートが複数用意されており、簡単に自分のレジュメが作成できます。また、レジュメ作成時のアピールポイントも公開されているので、もし英語でレジュメを作成する必要がある方には役に立つこと間違いなし!
ビジネスデベロップメントとはどんな仕事か?
ビジネスデベロップメントの仕事をしているのはどんな人達のなのか?
ビジネスデベロップメントのレジュメを書く際のヒント
(引用: ZippiaのWebサイト)
Zippiaは、潜在的な求職者ファーストのサービスとして業界に変革をもたらす可能性を秘めています。
オススメ2:Textio in Attracting Candidates, Application process
Textio: 2014年創業, Series C, 総額$41.5M調達, アメリカ ワシントン州シアトル本社
投資家:Emergence, Cowboy Ventures, Scale Venture Partners, Industry Ventures, Bloomberg Beta他
皆さん、英語のメールを書くときに表現で悩むことってありませんか?
僕は結構あります。単語そのものの意味は理解してるのだけど、何かコロケーション(よく一緒に使われる単語の組み合わせ)に気持ち悪さを感じることがしばしば。そこで使っているサービスがGrammarly。ベタ打ちした英語の文章の文法や表現をチェックして修正すべきところを表示してくれるので、修正候補をポチポチ押していくだけでネイティブが書いたような文章に修正できます。
同様に、採用の募集要項を書くのに頭を悩ませていませんか?
そんな人事担当者に朗報です。Textioは候補者を魅了する募集要項の作成支援をしてくれます。陳腐な表現を使わない端的で的確な表現や、その職種固有の言い回しをTextioがレコメンドしてくれるので、候補から選ぶだけ。
簡易なスキルの羅列もボタン一つで美しい文章に様変わり
↓
その表現がどの年代の候補者に受けが良いか・悪いか
その表現が他の性別に比べてより男性に刺さりやすいか
競合の同じ職種の募集要項と比較して、あなたの募集要項が効果的か
過去の募集要項を鑑みて募集要項の品質の変化を確認
GmailやLinkedInにも募集要項レビューの機能を組み込める
(引用: TextioのWebサイト掲載のビデオ)
特に今のアメリカはバイアスを取り除いた採用に対するニーズが高まってきており、募集要項の一言一句に対してもその意識が求められているので、Textioへの期待は高まっていくと思います。
人事担当者にとってはこのサービスを利用することで、候補者ケアに時間を多く取れるようになるので、既存の業務プロセスを変革できる可能性を秘めています。
オススメ3: Pymetrics in Candidate Assessment, Selection process
Pymetrics: 2011年創業, Series B, 総額$56.6M調達, アメリカ ニューヨーク州ニューヨーク本社
投資家:Khosla Ventures, BBG Ventures, General Atlantic, Workday Ventures, Salesforce Ventures他
ゲームを通じたソフトスキルのアセスメントサービスを提供。7-25分の様々なゲームにより、注意力、努力、公平性、意思決定、感受性、集中力、寛容さ、学習能力、リスク許容度、定量的推論、機敏性などを判定。20言語に対応。
レジュメだけではそのスキルを評価するのが難しい接客業やサービス業の採用時に活用してみてはいかがでしょうか?
様々な簡易的なゲームを用意
企業内全社員の職種別のソフトスキルをまとめて表示
自社の社員とグローバルのベンチマーク企業とも比較が可能
個々人の評価結果には行動変容の改善案も含まれる
(引用: PymetricsのWebサイト)
これまでは主にインタビューを通じた表層的なスキルで採用を判断せざるを得なかった職種に対しても、候補者の潜在的な能力を加味した、より正確な採用を実現できるようになることでしょう。
今回は、テクノロジーを活用して業界変革をもたらす可能性を秘めた3社を取り上げました。HR Tech領域は今後も投資領域として盛り上がって行くことでしょう。
引き続き、注目のスタートアップを取り上げていきたいと思います。
皆さんの興味ある領域やトピックに応じたスタートアップ も取り上げて行きますので、ぜひフォローしていただきコメントを残してください!
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