「働きがいのある職場」に共通する3つのポイント
こんにちは。株式会社Colere共同創業者のSanuです。
前回は、信頼で結ばれた組織で働くことの楽しさとやりがいが大切だと感じるようになった原体験について綴りました。今回は「働きがいのある職場」をつくるためのポイントについてお話ししようと思います。
コーヒーチェーンでのアルバイト体験から得たもの
とんかつ屋でのアルバイト経験を経て、私は「人が年齢や立場にかかわらずやりがいを持って働く環境はどのように作られるのか?」に興味を持つことになります。そこで今度は、有名なコーヒーチェーンでアルバイトをしてみることにしました。
そこでまず驚いたのは、アルバイトやパートタイムに対しての育成体系がしっかり整備されていること。接客や調理の技術を習得する訓練だけでなく、自社のミッションやバリューについてしっかり学ぶ機会が設けられていました。
ビジネスではよく、「美味しいハンバーガーを1つ作るのは簡単だ。しかし、そこそこ美味しいハンバーガーを世界中で売るのは難しい」と言われます。
このコーヒーチェーン企業では、人材育成や組織開発を体系的に整備し、そこで働く人を尊重し、持っている能力とやる気を引き出す仕組みを創り上げることで、全米を中心に世界各地にコーヒーショップを展開していました。創業者が書いた回顧録は世界中で売られているので、どのような思想や哲学で創り上げたかを知ることができます。
今回ここでは、なぜ「働きがいのある職場」が生まれたのか、どの職場やマネジャーでも応用できる3つの視点で私なりに簡単にまとめてみたいと思います。
「働きがいのある職場」にするには
1.目的を明確に伝える
どの仕事や作業でも、「なぜやるのか?」という目的が一人ひとりに浸透していると、働きがいを持ちやすくなります。
ポイントは、個人がそこで働く目的と、企業や組織が掲げるミッションや目標を繋げること。
当時、コーヒーチェーンでは”コーヒー一杯を通じてお客様に最高の体験を提供する”という趣旨のミッションが掲げられ、そのために自宅でも職場でもないサードプレイスとして快適に過ごせる空間をお客様に提供することを目標に掲げていました。
働く従業員に対しても日頃からミッションに関しての対話が職場で交わされます。たとえ単純で反復的なものであっても、自分の仕事がミッションの実現にどう繋がっているのか、仕事の目的や意味合いを上司とメンバーが会話したり、定期的な面談で対話したりすることを重視していました。
2.自律を奨励する
一般的な職場では、アルバイトやパートタイムで働く人の権限は極めて限定的です。しかし、当時からこのコーヒーチェーンでは業務マニュアルが整備されて必要な情報には誰でもアクセスできるなど、透明性も高く、ミッションを実現するための自律的な行動が奨励されていました。
例えば、コーヒー豆を選ぶお客さんに自分のオススメの豆を試飲をしてもらう、コーヒーと合うフードのペアリングを提案してみるなど、飲食チェーンの接客スタイルでは当時は珍しい、働く従業員を信頼していたからこその自由度がありました。小さなことでも自分に決定権があったり、創意工夫が出来る仕事はやりがいを感じやすくなり、仕事に対する責任感も増します。
3.学習機会を豊富に用意する
多くの人は勉強でも仕事でも趣味でも、出来ないことが出来るようになったり、上達していくプロセスは楽しさや喜びを感じると思います。働きがいを感じるポイントの一つに仕事の中で成長実感を得られるかは重要で、そのためにフィードバックループを回すというものがあります。コーヒーチェーンの人材育成には、フィードバックを頻繁に行う文化と仕組みがありました。
特にオンボーディング期間(最初の育成期間)では、ピアコーチ(経験豊富な先輩社員やアルバイト)について必要な技術を身につけるのですが、例えば1時間実践形式のトレーニングを行った後は必ずお互いにフィードバックして終わる、というサイクルが盛り込まれていました。
フィードバックし合うことで知識や技術が定着されることに加えて、お互いが誠実に向き合い、同僚や仲間の成長に貢献するという組織としての形式知が育まれていったと思います。
フィードバックループを回すことは、学習する組織を作るためにすぐできるうえに、特別なコストがかからない、そして効果抜群な施策だと思います。
今すぐできる「働きがいのある職場」への一歩
今回は、誰もが「働きがい」を持って働くために意識したい3つの視点をご紹介しました。
どれも、「言うは易く行うは難し」の観点かもしれませんが、自信を持って言えることは「どの会社や組織でも、今日から始めることができる」ということです。
これを読んでいるあなたがマネジャーであれば、仕事の目的について部下と改めて1時間話してみると、部下の表情が変わってくるかもしれません。
また、どんな些細なことでも部下に権限委譲をしてみると、想定を超える成果や結果が生まれる可能性もあります。
フィードバックは相手からのギフト。送る方、受け取る方の双方にいい効果をもたらします。頻繁に贈りあえる組織になるために、まずはマネージャーから積極的にフィードバックという名のギフトを贈っていくことをお勧めします。
ぜひあなたの職場やチームで試してみてください!
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