B Corpの取り組み「Colere 1% バトン」第二期
こんにちは。株式会社Colere(コレル)でB Corpを担当しているOkaです。
Colereは国際企業認証B Corpの取得を目指し、ちょうど1年前に申請を提出しました。
そもそもなぜColereがB Corpを目指そうと考えたかは、当時インターンとして関わってくれていたMaoさんが書いたこちらの記事をご覧ください。
今グローバルに行列のできる絶賛大人気な認証につき、なかなかプロセスが進まないのですが、気長に待ちつつ私たちのB Corpな取り組みを強化しているところです。
その中でもColereが最も大事にしているイベントの1つである「Colere 1%バトン」がColere2期目もすばらしい活動になりました。今回はその様子を綴ります。
「Colere 1% バトン」とは
「Colere 1% バトン」とは、端的に会社から非営利団体(NPOやNGO)への寄付のこと。私たちはそれをただの寄付にしたくありません。メンバーの貢献により得ることのできた売上の一部を、メンバー自らが地球と未来のための再投資先を選ぶというプロセスを行っています。
Colereは業績が良くても悪くても、「利益」ではなく「売上高」の1%をコミット。これはB Corp認証での評価基準や、世界的な寄付コミットの連盟「1% for the Planet」の考え方を採用しています。ビジネスをするためにどうしても負荷をかけてしまう地球環境や、市場の原理に任せて放っておいては解決しない社会問題について、記念すべき第一期はこのような形で実施しました。
なぜ「Colere 1% バトン」をやるのか
利益の一部を社会活動にまわすのは、大企業だとわりと当たり前のようにやってるイメージがありますよね。Colereは2年目のスタートアップ。初期投資やサービス開発に取り組むメンバーへの報酬など、お金はいくらあっても困らない、投じたいものはたくさんあります。それでもなぜColereは「Colere 1% バトン」をやるのか。
このイベント開始前に、創業者である讃岐谷さんが語ってくれました。
日本ファンドレイジング協会が発行している「寄付白書」によると、2020年の日本の個人の寄付額は1.2兆円で、その半分はふるさと納税です。1人当たり平均約1万円と見るとまぁまぁやっている気がしますが、寄付文化の根付いているアメリカはなんと約35兆円規模。信教や貧富の差を一旦置いておくと、文字通り桁が違います。
一方の企業は、残念ながら同年で比べられませんが、2019年は6700億。例えば東証に上場している3548社の売上合計額が750兆円(2020年)なので、もし全社がColereと同じ1%バトンを実施してくれたら、寄付総額は7.5兆円。上場如何に関わらず中小企業だとしても、創業初年度からColereが実施しているように1%バトンをしてくれたら、5.7兆円(中小企業庁統計参照)。
額の多さだけを良しとするわけではありませんが、1つ1つの企業が行動を起こすことにより本当に大きな力になるということです。Colereはメンバー1人1人のエコアクションにも重きを置いていますが、周りを巻き込みながら、そうした積み重ねを大切にしたいと考えています。
では早速、具体的にColereはどのようにこの寄付イベントを実施しているかご紹介します。
プロセス① 候補を募る
バトンを託したいNPO/NGO団体の候補からメンバーみんなに協力をお願いします。Colereのメンバーは世界中にいますので、世界中のNPO/NGOから選ぶことになるので膨大です。1期目は初回ということもありテーマを定めなかったのですが、実は2期目もメンバーそれぞれの関心分野で、メンバー自身が応援したい団体を選んでもらうために、あえてテーマを指定しませんでした。条件はただ1つ、Colereのホームページでも公言している「地球と未来のために」活動していること。
Slackに専用チャネルを設けて好きな時に投稿してもらいました。(ちなみに来年以降は、この募集宣言期間に関わらずいつでも候補団体を投稿してもらいます。)
メンバーの思いも一緒に投稿してくれるので、「あーこの人はこういう問題に関心を持っているんだ」「こんな見逃されがちな社会問題があるんだ」と、人となりを知ったり、自分の勉強にもなったりもします。
環境問題、子どもの教育格差や自己肯定感の低さ、身体・精神問わず障害を持つ方たちの就労、そして今年はやはりウクライナ情勢を受け難民支援などに取り組む団体など、全部で11団体の候補が集まりました。
プロセス② 投票する
候補団体が集まったところでいよいよ投票です。1人2票を投じます。投票に先駆けて、メンバーがなぜその団体を候補に挙げたか、そして団体についてミッション・取り組んでいる課題・活動の成果を示す定量・定性的インパクトの3つを記した説明資料を作成しました。これは担当にとっては少しだけ労力のかかるものではありますが、改めて社会課題と向き合う充実した時間でした。
投票はGoogle formを活用したアンケート形式で、時間があまり取れないメンバーでも参加できるよう、取り組んでいる社会課題や活動内容がさくっとつかめるように、選択肢の画像内で工夫してみました。
票を投じる時にはその団体を選んだ理由と共に、1%バトンに参加しての感想も任意で聞いています。
プロセス➂ 託す先を決定する
2週間ほどの期間を経ていよいよバトンを託す先を決めます。Colereのミッションに賛同し、且つ環境や社会課題に関してのアンテナの高いメンバーばかりなので、どの候補団体も素晴らしい活動をしていて、選ぶのは心苦しいのですが、ある程度のインパクトを出すためにも投票結果を元に絞ります。
結果は、やはりすべての団体に少なくとも1票入っていました。1番多いのが1団体、その1票差で4団体が続くというかなりの接戦ではあったのですが、メンバーの関心と思いをくみ取り、環境保全・子どもの格差解消・ウクライナ難民支援という枠で得票の多かった3団体を選定させていただきました。
さて、一大イベントと言いながらも完全に任意であるこの活動、Colereメンバーはどのくらいの人が参加してくれたでしょうか?
答えは約8割!メンバーのほとんどの人が貴重な2票を投じてくれました。
そしてそれよりなにより、この活動の価値を感じてくれて、フリーコメント欄にたくさんの声が集まりました。
来期に向けて
運営側としては今期もColereメンバーのおかげで大成功だったと思います。昨年は初めての取り組みだったので「1%バトンカフェ」を開いてこの活動の意味などを理解してもらいました。今期は特に設定していませんでしたが、「せっかくなのでメンバー同士でバトンを託す先や社会課題についていろいろと議論したい」という声もあり、来期実施する時はもちろん開催したいですし、それまでの間にも支援した団体の方を招いて勉強会をしたり、活動の進化を続けていきたいと考えています。
B Corp認証取得目前のColereは、B Corpのコンセプトである「interdependece(相互依存)」に賛同、「I'm your experience」という言葉がよく社内でも使われますが、社外でも同じようにいい取り組みや体験を共有したいと考えています。
この取り組みをマネしたい、B Corp認証取得を目指したい、という企業の方はぜひこちらからお気軽にコンタクトください。
社会課題や環境問題、もちろん持続的な企業経営も含めて、じっくりと討論したり理解を深めるには、大自然の中で五感を開いて研ぎ澄まされた感覚で実施するのも一つの手です。ColereではSDGs最先端の壱岐島でワーケーション施設を運営しています。
詳しく知りたい方はぜひ、こちらからお問い合わせください。