本質や真理は、人間には捉えることすらできない〜ミュシャ〜
こんにちは!
こじこじです。
先日府中市美術館で催されているミュシャ展〜アルフォンス・ミュシャ ふたつの世界〜に行って参りました。
私はミュシャのどこか夢の世界のような絵がとても好きで、傘も、折り畳み傘も、ミュシャの蔦と夢想を使用しています。
傘にはちょっとしたエピソードがあり、初めてこの傘を目にしたのは東京都庭園美術館だったので、こちらの美術館のみで買える傘だと思っていました。
一度傘をなくしてしまって、すぐ東京都庭園美術館に行って買い直し、るんるん気分で地元を歩いていると、後ろから素敵な女性に声をかけられました。
その傘、私も持ってます!
驚いた私は、東京都庭園美術館に行かれたのですか?と聞くと、え?ネットで買いました。と言われ、拍子抜けしました。
Amazonでも楽天でも買えるそうです。
さて、お話しはミュシャ展へ戻り、今回はミュシャが一般的に知られる版画の作品と、あまり知られていなかった油彩画の作品とで、ふたつの世界をテーマに展示されていました。
デッサンなんかもあり、作品が作られるまでの工程を知れた気がしてうれしかったです。
ミュシャが肖像画を描いていたのも知らなかったので、新たな発見でした。
シャンパンのモエシャンドンや、コーヒーのネスレのポスターもあり、意外と身近な商品の広告にミュシャが使われていたとは驚きました。
私が印象に残ったのは、心の奥深くを見つめる思想のゾーン。
一番大切なものを、描こうとしない=象徴主義の絵画の要点だそうで。
本質や真理というものは、人間には捉えることすらできないもの、人智を超えたもの。
という解釈の元、描くことは諦めて、暗示することを目指したそうです。
絵を見る人が余地を残す曖昧さが作品に現れていて、作品を見て自分なりの解釈をするのは、アート鑑賞の醍醐味ではないでしょうか。
有名な夢想や四季、アイビーとローレル、桜草と羽根は大好きな作品なので、ミュシャが作り出した幻想的な世界観を楽しみました。
印象に残ってるのは、版画としてのミュシャらしさはありつつも、いつもの多幸感溢れる雰囲気とは正反対の、ロシア復興という作品です。
ミュシャが描く女性はいつも幸せに満ちていたので、こちらの作品を見て、ミュシャが訴えたかった想いがどんなに強かったのかと考えました。
実際にこの絵は、当時のロシアの危機的状況を現すだけでなく、ラテン語(キリスト教の世界共通の古典語)で、ロシアを救わなくてはならないというメッセージと、誰でもわかるよう聖母子と悲しみの聖母のふたつのイメージで描いたそうです。
顔が青ざめて、だらりとした手は、幼児が亡くなっている様を描いたのだとか。
実際にアメリカやドイツ、はたまた日本までもがロシアへの支援をするきっかけともなったそうです。
このように、美しい世界だけではないことを教えてくれ、その上で行動することを訴えかける作品を残したミュシャ。
彼が織りなす夢のような世界観に惹かれた私ですが、彼の残した数々の作品を知ることで、彼の偉大さをひしひしと感じることが出来ました。
こじこじ