【論文レシピ】鶏レバーとほうれん草の醬油煮
2023年10月10日の目の愛護デーにちなんで、東北大学星陵キャンパスの学生食堂で「目に優しい論文レシピ」として、1週間の期間限定で提供されました。
【鶏レバーとほうれん草の醬油煮】
★材料(1人分)★
鶏レバー 50g
ほうれん草 25g
ショウガ 2g
醤油 10ml
酒 10ml
みりん 5g
砂糖 5g
★作り方★
①鍋に醤油、酒、みりん、砂糖を入れて煮立たせる。
②鍋の火を一旦止め、新鮮な鶏レバーを投入して30分放置する。
③粗熱でレバーにしっかり費が通っていることを確認して冷蔵庫で一晩寝かせる。
④ほうれん草を軽く湯がき、ショウガを細きりにする。
⑤鶏レバー、茹でたほうれん草を軽くあえてさらに盛り付け、針ショウガを添えて完成。
本レシピで使用した食材に紐づく論文の紹介
鶏レバー・ほうれん草:ビタミンA
ニンジン、ケール、モモを摂取する65歳以上の女性で緑内障リスク低減がみられた(Coleman AL et al. Am J Ophthalmol. 2008)
米国ロサンゼルスに住む日系人において、鉄分摂取量が多く、ビタミンA,植物性脂肪の摂取量が少ないことが緑内障リスクと有意に関連していることが分かった.(Yoserizal M.et al. Medicine 2019, 98, e18314.)
ほうれん草・パプリカ:ベータカロテン
50mg/日の隔日投与を行う無作為臨床試験においては、明らかな発症予防効果は得られなかったが、喫煙者の中では白内障の予防効果がある1)2). 多くの大規模な観察研究では白内障の予防効果が示されている.(William G Christen et al. Arch Ophthalmol. 2003 Mar ;121(3):372-8. / William Christen et al. Ophthalmic Epidemiol. 2004 Dec;11(5):401-12. / Karen A Weikel. Nutrition ReviewsVolume 72, Issue 1First published: 26 November 2013 / Martyna Falkowska et al. Nutrients. 2023 Oct 28;15(21): 4585. doi: 10.3390/nu15214585.)
大規模な前むき観察研究において、βカロテンやレチノール、vitBなどの抗酸化物質の摂取が少ないと緑内障発症のリスクが上がる. (Ramdas, W.D.et al.. Eur. J. Epidemiol. 2012, 27, 385–393.)
AREDS(眼疾患と栄養摂取に関する研究)の大規模なRCT(ランダム化比較試験)においては、ビタミンC(500 mg)、ビタミンE(400国際単位(IU))、ベータカロチン(15 mg)、亜鉛(酸化亜鉛として80 mg)、銅(酸化銅として2 mg)を含むサプリメントを毎日長期補給すると、中等度以上のAMD患者において、後期AMDへの進行の相対リスクが5年後に28%(プラセボで観察)から20%に減少した. ただし、喫煙者においてはβカロテンの過剰摂取は肺がんのリスクでもある.(Age-Related Eye Disease Study Research Group. : AREDS report no. 8. Arch Ophthalmol. 2001;119(10):1417-1436. / Chew EY, Clemons TE, Agrón E, et al; AREDS report no. 35. Ophthalmology. 2013;120(8):1604-1611, e4. Epub 2013 Apr 10. / Tanvetyanon, T.; Bepler, G. Cancer 2008, 113, 150–157.)
ほうれん草:ビタミンB(葉酸)
観察研究において、血中の葉酸が低い高齢男性集団と比べると、葉酸の高い高齢女性集団の白内障リスクが低い. (Chen KJ, Pan WH, Huang CJ, et al. J Nutr Health Aging. 2011; 15: 304–310.)
大規模前むき観察研究において、葉酸摂取が多いとPOAG(開放隅角緑内障)の発症リスク下げる(ホモシステインレベルを低下させる効果). (Kang, J.H.; Loomis, S.J.; Wiggs, J.L.; Willett, W.C.; Pasquale, L.R. JAMA Ophthalmol. 2014, 132, 549–559.)
ほうれん草:カリウム
40歳以上の7042の食事データから、食事中の充分なカルシウムの摂取は、高血圧の有無にかかわらず、緑内障のリスクの低下と関連があり、食事中のカリウムの摂取は、非高血圧集団における緑内障のリスクが低下することが分かった.(Yin Zhang. PLoS One. 2023 Oct 18;18(10):e0292883.)
5321人の食事データから、食事中のカルシウムとカリウムは、糖尿病性網膜症のリスクを下げる.食事中のカルシウムとカリウムの四分位が高いほど、糖尿病性網膜症の頻度が低い.さらに、食事中のカルシウムとカリウムの量の増加は、糖尿病性網膜症頻度の減少と関連する.(Yuan-Yuei Chen. Nutrients. 2022 Mar 4;14(5):1086. doi: 10.3390/.)
ほうれん草:硝酸塩
食事中の硝酸塩と緑の葉野菜の摂取量が多いと、POAG(開放隅角緑内障)、特に診断時に早期に傍中心性 VF(視野)喪失を伴う POAG(開放隅角緑内障) のリスクが低くなることと関連する.(Kang JH et al. JAMA Opthalmol.2016 Mar;134(3):294-303. doi: 10.1001/jamaophthalmol.2015.5601.)
パプリカ:ナイアシン
5371人のNHANESコホートデータから。ナイアシン摂取量が1mg増加するごとに、緑内障の確率が6%減少する.(Samuel Y Lee. J Glaucoma. 2023 Jun 1;32(6):443-450.)
玉ねぎ:ビタミンB
観察研究においては、riboflavin(リボフラビン:ビタミンB2)、thiamin(チアミン:ビタミンB1)、niacin(ナイアシン:ビタミンB3)は白内障のリスクを下げるが、vitB12の過剰摂取は白内障リスクという逆の報告がある.(Karen A Weikel. Nutrition ReviewsVolume 72, Issue 1First published: 26 November 2013)
玉ねぎ:ケルセチン
ケルセチンは、網膜神経節細胞の生存と機能を改善する可能性がある.(Feng-Juan Gao et al. fnmol.2017 Sep 7:10:285. doi: 10.3389 /fnmol.2017.00285.)
玉ねぎ・ほうれん草・パプリカ:ビタミンC
VitCは水晶体中の含有量が多い。多くの観察研究において、vitCの摂取は白内障発症リスクを低減させ135-500mg/日の摂取が推奨されている. 無作為臨床試験においてはvitCサプリメントによる白内障予防効果ははっきりしない. (Karen A Weikel. Nutrition ReviewsVolume 72, Issue 1First published: 26 November 2013)
横断研究において、低BMI女性で、エネルギー、タンパク質、脂肪、炭水化物、灰、カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、ビタミンA、B-カロチン、チアミン、リボフラビン、ビタミンCの摂取量が低いとPOAGと関連する. (Lee, J.Y.; Kim, J.M.; Lee, K.Y.; Kim, B.; Lee, M.Y.; Park, K.H. Nutrients 2020, 12, 878.)
多くの観察研究から、抗酸化ビタミン(カロテノイド、ビタミンC、E)またはミネラル(セレンと亜鉛)が豊富な食事を食べる人は、加齢性黄斑変性(AMD)発症リスクを下げるが、5つのRCTではそれぞれのサプリメントに予防効果なしという報告がある.(1) John G Lawrenson et al. Nutrients. 2019 Sep 6;11(9):2123. doi: 10.3390/nu11092123.)
AREDS(眼疾患と栄養摂取に関する研究)の大規模なRCT(ランダム化比較試験)においては、ビタミンC(500 mg)、ビタミンE(400国際単位(IU))、ベータカロチン(15 mg)、亜鉛(酸化亜鉛として80 mg)、銅(酸化銅として2 mg)を含むサプリメントを毎日長期補給すると、中等度以上のAMD患者において、後期AMDへの進行の相対リスクが5年後に28%(プラセボで観察)から20%に減少した. ただし、喫煙者においてはβカロテンの過剰摂取は肺がんのリスクでもある.(Age-Related Eye Disease Study Research Group. : AREDS report no. 8. Arch Ophthalmol. 2001;119(10):1417-1436. / Chew EY, Clemons TE, Agrón E, et al; AREDS report no. 35. Ophthalmology. 2013;120(8):1604-1611, e4. Epub 2013 Apr 10. / Tanvetyanon, T.; Bepler, G. Cancer 2008, 113, 150–157.)
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