ニュージーランド|1935年ジョージ5世 「ワイタンギ」クラウン銀貨
発行枚数が少ないため市場に出てこない大変希少なコインです。
表面:ジョージ5世肖像
裏面:1840年のワイタンギ条約締結
発行枚数:468枚(プルーフ貨)
重さ:28.28 g
直径:38.61mm
(デザイナー)
表面:パーシー・メトカーフ
裏面:ジョージ・ジェームス・ベリー
ワイタンギクラウン銀貨は1935年に英国王ジョージ5世の即位25周年に発行された銀貨です。
ジョージ5世は、2022年9月に崩御されたエリザベス女王の祖父にあたります。
ワイタンギクラウン銀貨が発行された1935年当時は、第一次世界大戦、1929年世界大恐慌そして1939年から始まる第二次世界大戦の直前期で世界情勢が混沌としていた時期になります。
ワイタンギ条約とは、1840年2月6日、ニュージーランド北島ワイタンギにおいて、先住民族マオリとイギリス王権との間で締結された条約のことです。
これ以降、ニュージーランドは英国の植民地となりました。
当時、ヨーロッパ人入植者とマオリの間で紛争が多発しており、主権と土地の所有権を明確にするためにこの条約が制定されました。
しかし条約を英語からマオリ語に翻訳した訳文に問題があり、土地を含むワイタンギ条約の履行に関する問題が起こりマオリ族との揉め事が起こりました。
その後、1975年にワイタンギ審判所が創立され、ワイタンギ条約で認められた権利について、再度審議が開始されました。
その結果、侵害があったと認定された過去の事例に関してはマオリに対して損害賠償が支払われました。
また、1987年にはマオリ語はニュージーランドの公用語に認定されました。
イギリスの植民地時代の歴史を伝えるワイタンギクラウン銀貨は、ニュージーランドのコインとして有名です。
このコインはかなり人気があり、以前から高い評価を受けてた世界の名品の一つです。
理由としては、1つはプルーフ貨468枚、通常貨660枚という発行枚数の少なさです。
もう一つの理由は、コイン自体のデザインが非常に洗練されている点です。
マオリ族の酋長タマティ・ワカ・ネネと英国軍大尉ウィリアム・ホブソンが向かい合い握手する姿は興味深いです。
コレクターにとっては、垂涎の1枚ではないでしょうか。
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