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うねる街

 今日のお仕事は渋谷に直行だった。少し早めに着いて、宇田川町にあるカフェで一息つく。なんとなく目に入った、「このカフェは上の階から通行人のファッションチェックができる」というクチコミが面白かったので、日差しをたっぷり浴びてしまいそうな窓際の席を選んだ。

 実際に窓から見えたのは、産業廃棄物の回収車、台車に何かの機材を載せて運ぶ人、パトロールのおじさん2人組、烏、あと少々のオフィスレディとサラリーマン。皆どこか眠そう。流行の最先端を行く街でも、朝って結構こんな感じですよね、と妙に納得する。

 そういえば、駅に着いたのは8時頃だったけれど、コンコースをのんびり自由に歩けた。会社員が作るビジネス街への行列も、日中の人の多さに比べたら可愛いものだったので、容易に間をすり抜けられた。カフェの数は検索で山ほど出てきたけど、「現在営業中」で絞ったらほとんどなくなった。渋谷の朝は、遅いようだ。

 渋谷は時々訪れる。ある時は演奏会を聞きに、またある時は買い物に、あとはお友達と会うときに。渋谷と一口に言っても、用事によって地下からの出口も違ければ風景も異なるので、いつも同じ街に来た気がしない。名前に「谷」が付いている通りで、あちこちに坂があり、道も入り組んでいて、街自体が迷路のようだと感じる。今日もまた、カフェを出て目的地に向かおうとしたら、ちゃんと地図を確認したはずなのに、5分くらい逆方向に進んでいた。あちゃー。


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