家族という呪縛 長男という呪縛 絆は呪縛
「ロストケア」(葉真中顕:著)という小説をご存知だろうか。
昨年、松山ケンイチさんと長澤まさみさんで映画化もされた。
介護施設の介護士が、次々にロストケアと称して、利用者を死に至らしめる物語だ。
その中に、とても心に突き刺さるやり取りがあった。一言一句正確ではないが…
検事(長澤)
「家族の絆を他人がうばって良い訳がない」
容疑者(松山)
「絆は呪縛でもあるんですよ」
というやり取り…
「呪縛」という言葉にハッとした。
そうか…
これは呪縛なんだ。
家族という呪縛
長男という呪縛
絆という呪縛
認知症の義父の介護を一人でしていた義母が、長男である夫に助けを求めた。
「長男は定年退職したら、田舎に帰って親の面倒を見るものだ」
常々、義母が言い続けていたこと。
夫もまたそれに応えて、定年を待たずに「親の面倒を見る」を実行した。
義母にとって夫は、親孝行な自慢の息子。
次男が嫉妬するほどに、自慢の息子。
次男は、介護をするりとかわす…
家族ってなんだろう
長男ってなんだろう
協力ってなんだろう
夫婦ってなんだろう
けっして、呪縛であってはならない。
夫が義父母と同居して9年
私が同居して6年
義母は亡くなり
義父は要介護5で特養に入所した。