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星の降る夜

100万ドルの夜景と、星空。
どちらが美しいと思う?
問われて、迷わずに答えた。
「星」


ひとによって、答えはバラバラだと思う。
私のなかには、自然物が一番美しいものとして固定されているので、人工物の街明かりは、普通にランクが下になる。

たぶん、田舎で、綺麗な水に触れ、綺麗な緑に囲まれ、広い空の元で暮らしてきて、その美しさや儚さ、雄大さに感じるものがたくさんあったからだろうと思います。


人工物でも、美しいものは存在します。
胸打たれたものが、私の心のなかに溢れんばかりに詰め込まれています。
物語。
絵。
写真。
彫刻。
庭。
音楽。
私は子どもの頃からの感動屋なので、ひとの手で生み出された数々のものたちにも、たくさん涙してきました。今でもわりとすぐ泣いちゃったりする。

そう、庭って、すごく創るのが難しい。
難しいというか、手がかかるんですよね。
植えるのは自然物である植物。でも、育てるのはひと。
野山や庭は、人の手が入って美しさが現れてくることもあります。
アメリカの絵本作家で素晴らしい庭創りをして暮らしていたターシャ・テューダーさん(もう亡くなられました)が、私の理想の未来のひとつ。
あんなふうに植物を育てて、植物に囲まれながら暮らすのが夢。


今日、私の少し先の空に、ひゅんと星が流れた。

流れ星なんて、10数年前の、しし座流星群以来かもしれない。
こんなビルが並んでいる街の空でも、見ることができた。

星が消える前に、3回、願いごとを唱えると叶うって教わったけど、実際のところ、3回も唱えられない。1回も無理だと思う。
それくらい、あっという間に、星は光って消えてしまう。


星が降った夜。

私は温かさに包まれて、これを書いています。
流れる星と、小さな点である地上の私が、ひとつのフレームにおさまった。
こんな偶然。ほんの少しの、ささやかな幸運。
この奇跡の光景を、いつか自分の手で描いてみたい。

流れる星を見つめる私は、何を願っているかな。


読んでくださって、ありがとうございました。
また明日。
おやすみなさい。


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