【小説】純文学まとめ②
最近読んだ純文学。青空文庫とソラリの運営者に感謝。
森鴎外『舞姫』
現代の女性を敵に回すこと間違いなしの小説。
仕事と女性(愛情)を天秤にかけるという普遍のテーマ。そして豊太郎のどっちつかずさに終始腹が立つ(笑)「おい!そこは断れよ!」「おい!よくもそんなことが言えるな!」とツッコミながら読んだ。相沢くんは大変だっただろうなあ。
太宰治の『人間失格』でもそうだったけど、主人公の軸がなさすぎる!!
豊太郎と葉蔵は仲良くなれそうだなあ。
芥川龍之介『鼻』
以下の箇所に、人間の本性が描かれている。
人間の心には、互いに矛盾した二つの感情がある。勿論、誰でも人の不幸に同情しない者はいない。所がその人がその不幸を、どうにかして切り抜ける事が出来ると、今度はこっち何となく物足りないような気持ちになる。少し誇張して云えば、もう一度その人を、同じ不幸に陥れて見たいような気にさえなる。そうしていつの間にか、消極的ではあるが、ある敵意をその人に対して抱くようなことになる。
内供の鼻が伸び縮みするユーモラスな話かと思えば、黒い!!!
しかし、紛れもない事実であろう。例えば、手塩にかけて育ててきた部下が、成功した場合に、そうした気持ちを感じてしまう…なんてことがあるのではないか。
江戸川乱歩『D坂の殺人事件』
明智小五郎がカッコいい!
君の考えは、却々面白いですよ。僕は君のような友達を見つけたことを嬉しく思いますよ。併し、惜しいことには、君の推理は余りに外面的で、そして物質的ですよ。例えばですね。僕とあの女の関係についても、君は、僕達がどんな幼馴染だったかということを、内面的に心理的に調べてみましたか。
外面的で物質的な推理。
僕は教員だから、心に刺さったな〜。
日常の出来事を外面的で物質的に見てしまい、大切なことを見落としていないか。人の内面を、心理を考えて解決していかないとな。
いやいや、純文学面白いぞ。
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