一発逆転を狙わない
東洋医学の基本理論となる陰陽論とは、この世のものはすべて陰と陽の二面性をもつというもので、人間の健康も陰と陽のバランスによって保たれます。陽は朝であり、若さであり、陰は夜であり、老いです。
朝から急に夜になることはなく、昼、夕を経て徐々に夜へと変わっていきます。赤ん坊は突然老人になるのではなく、老化は徐々に進んでいくものです。このように陽から陰もしくは陰から陽の変化は少しづつであり、これを陰陽消長といいます。人間も自然の一部である以上、自然界の法則に沿って生きるのが望ましく、夜寝る直前まで神経を使うようなことしたり、朝起きてすぐに激しい運動をしたりするのはよくありません。
体力や免疫力の低下よって病気に掛かりやすくなります。体力や免疫力の低下の要因には寝不足、飲食の不摂生、ストレスの蓄積、老化などがあり、体内に生じた異変が症状として表にでるまでには、時間の経過があります。
腐ったものを食べて急にお腹をこわすなどの急性病と違って、慢性病の進行はゆるやかなものです。少しずつ悪化し、緩解もまた少しずつです。病気と健康の間には、明確な一本の線が引かれているわけではありません。
時間をかけてそこに至った病気は、元に戻るにも相応の時間を要します。服薬によってできるのは症状を抑えることです。すべての薬が不必要なものと言っているのではありませんが、本当の健康を取り戻すために必要なのは養生や節制です。
読んでくれてありがとうございます。
無理をせず、しかし確実に、一歩一歩参りましょう。