教育勅語のように
西洋医学 vs 東洋医学といったような見方をされることがあります。
しかし、それは一面的な見方であって、西洋医学と東洋医学は必ずしも相対するものではありません。
陰陽論をベースとする東洋医学は、簡単にいえば、足りないもの(虚)は補い、多すぎるもの(実)は取り除く「補瀉」によって、体内のバランスを整えようというものです。
バランスが取れていたほうがいいのは「自律神経」も同様です。自律神経とは西洋医学の言葉ですが、自律神経も陰陽で捉えることができます。交感神経が陽、副交感神経が陰。
日本の医療は明治維新以降いわゆる現代西洋医学が主流となっているため、一般の人にとって、東洋医学は、東洋医学という割に我々東洋人にあまり馴染みがありませんが、医学うんぬんの話の際、陰陽を調えるとは、すなわち自律神経を調えるとほぼ同義であると考えて差し支えありません。
しかし、東洋医学=陰陽論ではなく、例えば「肝火上炎」という実証のときに行間穴を使うのは、これは東洋医学の経絡経穴の概念がないと説明することができません。陰陽、五行、経絡経穴、気・血・津液はすべて東洋医学を構成するのに欠かせないものです。
よりよい結果を求めるのであれば、いいものはうまく取り入れればいい。
井上毅は「教育勅語」作成にあたり、儒教的やキリスト教などの一つの思想や考え方といったものに限定されることなく、東洋も西洋も超えた不偏不党の教育の示すことを目指し(あくまで日本国のために)、君主の言葉は、重箱の隅をつつくようなせせこましい言葉ではなく、汪々として大海の水如くあるべきで、浅薄なものであってはならないと考えていたそうです。
読んでくれてありがとうございます。
細かいことを考えつつも、「木を見て森を見ず」とならないようにいたしたく思います。