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煮込みハンバーグには、すぐにマヨネーズをかけちゃダメだよ
やっとできあがったハンバーグに、いきなりそれはないでしょ。
だって、時間をかけて煮込んだんだから、そのままを味わってほしいじゃないの。
我が家のハンバーグは、私の母から教わった、母の我流だ。
見た感じは、ヘッダーでお借りしたお写真そっくり。
別に何かが特別なわけでもなく、でも、他とはちょっと違う母のオリジナル。
パン粉の代わりに食パンを細かくちぎる、とか。
たまねぎは多めで、炒めたりせずに生のまま、お肉と混ぜる、とか。
母のデミグラスソースは、コンソメスーブをベースに、ワイン、ソース、ケチャップや調味料を母の目分量で入れて、しめじなどのキノコも入っている。
結婚する前に、このソースの作り方は雰囲気で覚えて、私もずっと母風ハンバーグを作ってきた。
でも何度作っても、私のハンバーグは母のような柔らかい食感にはならず、肉肉した食感になってしまう。
なぜなのか?
あらためて、母の作り方を見て、なるほどポイントを見つけた。
母は、私のようなスーパーのお買い得品ではなく、お肉屋さんのお高いミンチを使っている。
やっぱり、肉って大事。
それに、玉ねぎのみじん切りが私より遥かに細かい。
やっぱり、丁寧って大事。
さらに、デミグラスソースの量が多い。
やっぱり、ハンバーグがどっぷり浸かるくらいの気前の良さって大事。
とはいえ、ちょっと雑な我が家のハンバーグだけど、子どもたちや夫も大好物で、家族には好評だ。
それしか知らないって、ありがたい。
ハクション大魔王もびっくりするくらいに毎回たくさん作る。
当然だけど、2日間はハンバーグ三昧になる。
そんなしっかり味付けして煮込んだハンバーグに、いきなりマヨネーズをくるりとかけるのは、いかがなものか。
付け合わせのキャベツだけに、かけたら良いんじゃないか、と毎回思う。
夫は、
「さらに美味しくなるから、それでいいやん!お好み焼きにマヨネーズをかけるのと一緒のことやん!」
とかいうけれど、そういうことではなくて。
マヨネーズが悪ではないけど、歳も歳だし、身体にどうなん?っていう心配もある。
せめて二日目のハンバーグなら、味変ってことで、いきなりマヨネーズには目をつぶるけど。
頑張って作ったんだから、まずはそのまま行ってちょうだい、ってことだ。
まぁ、それでも、食べ始めたら、
「ビールがもう一本欲しくなるなぁ。」
「やっぱり母さんのハンバーグは美味いなぁ。」
「セブンイレブンの金のハンバーグと同じ味やわ。」←食べたことはございません。
そう言って、夫はご機嫌になるから、私も怒りを忘れてすぐにご機嫌になる。
マヨラーではない息子は、ガツガツと、黙ってペロリと食べるから、なおさら私のご機嫌度が増す。
だから結局、マヨネーズでいちいち腹を立てなくてもいいかな、と思ったりもする。
ハンバーグを作るたびに、同じことを思い続けて30年。
いっそのこと、マヨネーズを入れてハンバーグを煮込んでみようかな、と思う今日この頃。
息子には、いろいろ失敗しないように、ちゃんと大事なことは伝えております。
「彼女や未来の妻が作ってくれたものには、とりあえずマヨネーズをかけずに食べるんだよ。」
と。