お隣さんに珈琲を届けるのに1番効果的な方法は?【MEMO】
珈琲に関するニュース/情報をインプットし、
噛み砕いてアウトプットするマガジン。
「COFFEE_MEMO_365」のマガジン記事です。
2020.6.17
【今回の引用記事】
【MEMO】
「野菜いかがですか〜〜〜!?」
今日も、家の外から声がします。
去年の9月に完成した我が家は、
通りを1本入った住宅地の一角にあるのですが、
近くに農業高校があります。
そして、
実習で栽培された野菜をリヤカーに積んで、
定期的に生徒さんが2〜3人で売りに回るんです。
我が家も1度、玉ネギを購入しました。
大玉3個で200円。
近くにはスーパーもあるんですが、
まぁまぁそのスーパーと同額くらいです。
でもこの商品には、
「近所の学生さんが育てて収穫して、それを自ら売りに来ている」という付加情報があります。
実際、ご近所さん(特にご年配)からの支持は厚く、いつも割りと早い段階で売り切って帰っていきます。
そして、
この農業高校では年に一度、付近住民も一般入場できる文化祭的な位置付けのイベントを行いますが、そこでも農産品はもちろん、さまざまな生産品や加工品を販売して、飛ぶように売れています。
一旦、近所で起きている事実を整理すると、
・農業高校がある
・生徒が定期的に栽培した野菜を売りに来る
・定期購入者が存在する
・文化祭にはたくさん人が来て、たくさん売れる
あくまで、
農業高校は営利目的ではなく、
学習の一環として野菜を栽培し、
地域交流の一環としてその販売や文化祭を行なっている。
という大前提を念頭に置いて、
これを高校→お店として書き換えてみます。
・農業高校がある
→お店がある
・生徒が定期的に栽培した野菜を売りに来る
→フロントエンド商品のダイレクトセールス
・定期購入者が存在する
→集客、ファン化
・文化祭にはたくさん人が来て、たくさん売れる
→バックエンド商品でマネタイズ
農業高校の先生に見られたらぶっ飛ばされそうですが、お店と考えるとこんな感じのことをしています。
野菜の販売で、定期的に顧客と接点を持ちながらお試し品を提供し続け、
認知(→ファン化)してもらい、
文化祭に集客して一気に売上を上げる。
アナログですが、
商圏を「付近住民」に設定するのであれば、
何にせよこれが最も効果の高い方法だといえます。
何より、
彼らが持っている強烈な武器がストーリー。
昔からの住宅地に住んでいるのは、
大半がご年配の層。
自分の孫ぐらいの年齢の子が、
自分たちが育てた野菜をリヤカーに積んで、
大声を出しながら売りに来ている。
野菜を買うときに、ちょっと話したりも出来て、
「ありがとう」の笑顔も見れる。
メインターゲットに対して、
ぶっちゃけ最強のストーリーですよね。
(農業高校の先生に見られたらマジでぶっ飛ばされそうですが)
何が言いたいかというと、
集客/広告においても店の形態においても、
最近になって特にオンライン化、SNSという声が強まっていますが、
それをそのまま鵜呑みにするのではなく、
自分のメインターゲットに届けるのに、
それが最適解か?
ということです。
高校生なら確かにInstagramやTwitterを使いこなせるし、スマートです。
でも、
それで近所のおじいちゃんおばあちゃんが呼べるか?
頑張ってる姿や想いが、それこそストーリーが届くか?
正直、
リヤカー引いて声張り上げるなんて泥臭いです。
年頃の高校生なら避けたいことかもしれません。
けど、
このネット社会のご時世に、
こういったことが最も効果の高い手法となるシチュエーションは、まだまだ結構あります。
高校時代に、
自分の商品を持ち、自分でお客さんを探し、自分でお金に換える経験を持てるのがとても羨ましくもあります。とても素晴らしい教育です。
(農業高校の先生、許してね)
現在、
まだスタートしたばかりの『Dock_C』@南吹田琥珀街では、
まずはご近所さんへの認知と関係づくりの一環として、
リーダーが毎週日曜日に知り合いの有機野菜農家から野菜を仕入れて「週末マルシェ」を行なってくれています。
アナログで地道な取り組みですが、
回を重ねるごとに、ご近所さんへの認知は進んでいっているようです。
『Dock_C』の目指すところは、
コミュニティの在り方をアップデートする
という大層な目標です。
色んな趣味や、やりたいことを持つ人が集まり、交流するなかで繋がりが生まれていく場所づくり。
僕の活動は「珈琲」を使いその一端を担うこと。
ただ、
この地域には昔住まれている方が多いので、
『Dock_C』は新参者。
ここで好きなことをやらせてもらうには先ず、
ローカルの方に受け入れていただく必要がある。
というちゃんとした順序があります。
その土地を大切にしている人の気持ちを無視してエゴを通すわけにはいけません。
地道ですが、大事なステップ。
その最も効果的な手段のひとつが、
オフラインで声を掛けて、野菜をきっかけに場所に来てもらうこと。「週末マルシェ」です。
オンラインがだめ。
オフラインがいい。
ということではないです。
大事なのは、
どこに届けたいのかをしっかり定めて、
いちばん届けやすい方法を間違えないこと。
お隣さんには、メールするより声を掛けるほうが早いんです。
リーダーがちょっとずつ地域との境界線をあっためてくれています。
そろそろ僕もそこに珈琲を注いで、
『Dock_C』をアップデートしていきます。
アップデートの様子も、これからお届けしていければなと思います。
さて、どんな注ぎ方が良いのかな。
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