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幸せな珈琲の集合場所を創りたい【MEMO】
珈琲に関するニュース/情報をインプットし、
噛み砕いてアウトプットするマガジン。
「COFFEE_MEMO_365」のマガジン記事です。
2020.6.5
【今回の引用記事】
【MEMO】
珈琲とはつくづく面白い飲み物だ。
同じ珈琲でも、
飲む相手が変われば、
入っている器が違えば、
そのときの気持ち次第で、
シチュエーションによって、
感じ方がそれぞれ違ってくる。
僕は前職、珈琲店に勤務していたが、
お店においては常に不特定多数の人と珈琲で関わるので、珈琲にまつわる様々なエピソードもたくさん経験してきた。
毎日通ってくれていた常連のおじいちゃんが病気で入院して、退院した1ヶ月後に来店して一口目に飲んだ珈琲に涙してくれたこと。
来店してきてカプチーノを注文したあと、喧嘩してちょっと険悪になってしまったカップルに、とびきり可愛い猫のラテアートを描いて出したら、なんかちょっぴり和んだこと。
いつも同じブレンドを注文する気難しいおじさんが、ある日「珈琲の味がいつもと違う」と珍しく話し掛けてきた。
焙煎部門に確認したところ、たまたまその豆を焙煎した日は基準より少し深めに仕上がってたことが分かり、「すごい味覚ですね」と仲良くなれたこと。
未経験で入ったアルバイトの学生くんが、シフトの日は毎晩自腹で豆を買って、必死で抽出を練習して、それに毎回付き合って、抽出技術試験当日に出された渾身の一杯に「成長」を感じたこと。
勤務していた店には、卒業(ポジティブな退職)をするスタッフがお店にコーヒーカップを寄贈していく伝統があり、棚にはカップの形をした思い出が並んでいて、それを知る常連さんは珈琲と一緒にそのスタッフとの思い出を楽しむこと。
珈琲は味や香りだけの飲み物ではなく、何かしらの物語を持っているときがある。
そしてその多くは、幸せな物語だ。
でもたまに失敗談もある。
ある日、友人が夜に女の子を連れて店に来た。
てっきり彼女が出来たと思った僕は、2人にハート型のペアカップで珈琲を提供した。
しかし、
後日話を聞くと、どうやらその女の子は何でもないただの職場の後輩で、何とも気まずい空気になってしまったらしい。笑
まぁとにかく、
どうやら珈琲の周りには「幸せ」が漂っていることが多いらしい。
幸せを求めるひとが多いから、珈琲はいつの時代も愛されているのだろう。
そして僕は、他のひとがこのように珈琲に心動かされたエピソードも知りたいと思った。
ゆくゆくはそんなプラットフォーム的なものが創れればなと思う。
幸せな珈琲の集合場所だ。
理由は、その幸せを疑似体験して珈琲をもっと好きになること。
そしてドライなことも言うと、
ひとが珈琲で感動した事例を知ることで、
自分が珈琲でひとを感動させるための材料にしたいからだ。
大阪府の南吹田という地域に、琥珀街というコミュニティがある。
古い長屋をリノベーションして、
そこに入居する個人や企業と、その周りの地域を繋ぐ活動の一環だ。
最近、友人がその一画を借り、『Dock_C』と名付けた場所を創った。
僕は今のところ、この『Dock_C』の珈琲担当だ。
前職の珈琲店では、
珈琲を提供する場として店があった。
しかし『Dock_C』では、
珈琲が場所を創るのではない。
場所を創るうえでの1つのツールとして、珈琲を考えていく。
今はそれが楽しい。
珈琲がひとを幸せに、楽しくする事例。
これを知ることが、きっと新しい価値を与える材料になる。