小さな珈琲店が戦うのはこんな未来【MEMO】
珈琲に関するニュース/情報をインプットし、
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「COFFEE_MEMO_365」のマガジン記事です。
2020.7.4
【今回の引用記事】
【概要】
今回の新型コロナウイルスがもたらした「自粛要請」による経済的ダメージを受け、飲食業界にも様々な影響や変化があった。
今後、社会はウィズコロナを踏まえた新しい生活様式へのシフトが始まっており、今後デリバリーやテークアウトは飲食店のサービスの一つの柱として定着していくとみられる。
また、店内滞在時間を短くしたいと考える人も増えるだろう。
そこで今、注目されているのが飲食業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)の促進である。
DXとは、現在では経営や事業の視点から
「ITやテクノロジーの進展を前提に、競争環境、ビジネスモデル、組織や体制の再定義を行い、企業の文化や体質を変革する」
という解釈がなされるようになった。
世界的に飲食業界のDXの最先端を走るのは中国だ。中国では電子決済の利用が進んでいるため、その使用履歴から、「誰が、いつ、どこで、何を購入したか」といった詳細な行動データを取得しており、消費者ごとの嗜好を把握できているといわれている。
そしてこのビッグデータは、パーソナライズされたマーケティングと商品開発に活用されている。例えば、購入した食材で嗜好に応じたレシピが即座に提案されるなど、個別のレコメンド機能を実現している。
このように飲食業界のDXの特徴は、消費者の行動データを収集・蓄積し、消費者ごとの好みに応じた提案を行うことで、満足度と客単価やリピート率の向上につなげることができる。
このようなDX導入の動きは日本の飲食業界でも進みつつある。
大手チェーン店が自社アプリの開発により顧客データの活用を進めたり、データに力を入れるスタートアップ企業も出てきている。
・メニュー単位の口コミを集める
・食品メーカーが商品開発やマーケティングに活用できるビッグデータサービスを提供
・QRコードを読み込むだけで自分のスマートフォンで電子メニューが閲覧できる仕組み
など。
リピーター顧客の獲得など、まさに飲食店のビジネスモデルを大きく変えるサービスとなりそうだ。
【MEMO】
消費者の行動データを収集・蓄積し、消費者ごとの好みに応じた提案を行うことで、満足度と客単価やリピート率の向上につなげることができる。
文字にするとちょっと堅いですが、
イメージしやすいのはYouTubeとかの関連動画でしょうか。
よく観る動画や配信者から、その人の好みを自動的に理解して関連動画に挙げてくる。
コイツのせいで、
ちょっと見始めたYouTubeが無限ループに入ってしまい、時間を消費する人も多いはずですね。笑
平たく言うと、
今後飲食業界でもこんな仕組みが広がりますよ。
ということでしょうか。
今回は、
「へぇ、そうなんだ。スゴイね!」
といった楽観的な切り口ではなく、
「個人や小さな店は対策しないとヤバいよ」
というスタンスです。
まずこの仕組み。
どう考えても資本力が物を言いそうです。
消費者の行動データの抽出元は、
購入の際に「電子決済」を用いた場合。
となると、この決済システムを導入せずにいつまでも「現金払いのみ」で続けている店は、
行動データというフィルターを通して見たときに「存在していない」のと同じ。
つまり、土俵にも立てないことになります。
また、消費者はデータから分析された結果を、同様にスマートフォン上に出て来るデータとして読み取ります。
そこからアクセスした店のサイトがイケてなかったら?
メニューの写真が美味しそうじゃなかったら?
せっかく「電子決済」を導入して土俵に立ったと思ったら、今度はプロモーションの壁が立ちはだかります。
YouTubeの関連動画に似ていると言いましたが、
考え方も共通かもしれませんね。
ネット上で自分のチャンネル(お店)を持ち、
観てもらえるように見た目にも工夫し、
面白いコンテンツ(メニュー)を作り、
ファンを集めて露出を増やす。
こっちで戦っていくには、成功しているYouTuberの事例や戦略を勉強するのもアリかもしれません。
これらを整えた上で、ようやくDXのビジネスモデル上で戦えるようになるわけですが、
これには冒頭にも述べたように資本力が必要になります。
小さなお店がこれから参戦していくには、
なかなか分が悪い戦いになりそうです。
あとは、
これとは逆の、
DXのビジネスモデルから外れた道を行く方法も、
あるっちゃあります。
それは、「電子決済」の売上げには載らない価値を高めること。
つまり、ホスピタリティです。
「○○店のスタッフさんはいつもメニューを覚えてくれてる」
「△△店はいつも掃除が行き届いていて気持ちが良いな」
「◎◎店に行くと何だか元気になる」
「◻︎◻︎店のマスターの話は面白くて、しゃべるために通ってる」
こういった、「ひと」や「気持ち」が乗った接客やサービスは、決済ではデータ化されません。
この部分で支持されて選ばれるような店になれれば、データ検索で争うステージとは違うところで営業が出来ます。
例えば、今後このホスピタリティの口コミもデータ化される時代が来るかもしれませんが、
今からでもしっかりと磨いておけば、それは歓迎すべきことです。
テクノロジー化が進んで商品クオリティがアッパーを迎え、差別化も難しくなった際に、価値を見出されるのは、
むしろこちらの「ひと」や「気持ち」のほうかもしれません。
いずれにせよ、
今のスピード感だと、時代なんてすぐに変わります。
小さな珈琲店がいますべきことは、
・近い未来の戦場を知ること
・非データである「ホスピタリティ」を磨くこと
です。