珈琲店が雇うべきスタッフの条件【MEMO】
珈琲に関するニュース/情報をインプットし、
噛み砕いてアウトプットするマガジン。
「COFFEE_MEMO_365」のマガジン記事です。
2020.7.8
【今回の引用記事】
【概要】
「ソーシャルメディアマーケティングにスタンダードを創る」をビジョンに、
SNSマーケティング支援サービスを提供する株式会社ホットリンクは、コロナ禍の影響で百貨店や店舗スタッフなどのSNS活用が注目されていることを背景に、企業の社内人材のインフルエンサー化と戦略設計・育成を支援するサービス提供を開始する。
顧客接点はリアルから、オンラインに重きが移りつつある。
海外では2020年のインターネット平均利用時間が前年の同時期に比べて20%以上増加している。
日本企業においても、販路を店舗だけでなくECへ広げたり、インスタライブや、スタッフによるファッションコーデ投稿やメイク動画の投稿など、社員のSNS活用による顧客接点の強化が不可欠になってきている。
企業の従業員が様々なSNSを使用してインフルエンサーとして取り組むことで、その影響力を活かしてさらなるブランディングや販売促進を行うことができる。
同社は、社員インフルエンサー化について、
発掘から活用の戦略設計、育成までのフルサポートと、再現性のある仕組みを構築する。
1. 社員インフルエンサー活用の戦略設計
商品特性や店舗・ECの稼働状況、購買導線設計、注力するSNS選定など
2. 施策立案の支援
コンテンツの方針や企画立案
3. SNS習得ブートキャンプ
座学と実践型フィードバックによるメソッド移植
4. 人事・制度設計の支援
組織設計・評価制度設計を支援
5. 施策全体のPDCA支援
各種データに基づき、PDCAサイクルを支援
【MEMO】
SNSを使ったマーケティング。
すっかり主流になってきていますね。
しかし個人のアカウントで行なっているのは、それこそ個人で活躍している人や小規模の事業者がほとんど。
「元○○の社員」といったように、退職後に企業名を出している個人アカウントはありますが、
現役で企業に属しつつ、その肩書きを個人的なSNSで表に出して活躍している人はあまり見かけません。
SNSを活用している企業も、公式アカウントの「中の人」など、企業が運営しているという形を取っています。
なぜでしょうか。
この背景には、
社員の個人的なSNSの運用に企業が登場することに対して、多くの企業がリスクとして捉えている。
ということがあるでしょう。
例えば、
飲食店の従業員がショーケースの中に入り込んだり、提供商品を衛生的に問題がある扱いをしたりする様子を投稿する、いわゆる「バカッター」の問題が報道で大きく取り上げられたこともあり、企業としてはブランドや信用を損ねるリスクとしてのイメージが強まっています。
確かにこれは良くない事例です。
では逆に、良い事例とはどんなものがあるでしょうか。
1つは、
プロフェッショナルな社員で構成されるような企業です。
具体的には、
・進学塾の名物講師陣
・設計事務所の設計士
・ヘアサロンのスタイリスト
など。
言い換えると、
顧客が直接その個人と関わるような社員を抱えている企業です。
こういった社員が、SNS上で自身のスキルやノウハウ、あるいは作品などを投稿することで、そこから見込み客が生まれ、事実上、企業の売上げとして利益が生まれます。
もう1つは、
その社員のライフスタイルが企業のブランディングと相互に影響するような企業です。
具体的には、
・アパレル企業の店舗スタッフ
・アウトドアブランドの店舗スタッフ
・雑誌のライター
など。
こういった社員が、SNS上で発信するライフスタイルの中に自社ブランドを登場させたり、趣味と企業イメージをリンクさせたりすることで、商品の宣伝や接客時の説得力に活かされてきます。
またこれらは、
社員個人のSNS運用としても、企業という肩書きを出すことでより信頼度が高まり、個人のブランド価値にもなります。
一方で、
事務職など個人のライフスタイルと紐付かない職種や、大半が守秘義務を必要とするような職種はSNSには向かないでしょう。
例えばそんな人がフォロワー何万人を抱えるインフルエンサーだったとしても、わざわざ企業名を出して得するメリットなどありませんね。
つまり、
広く「社員がSNSで情報発信する」と言っても、やはり向き不向きはあるということです。
では肝心の(?)珈琲店のスタッフはどうか?
という話になりますが、
上記の例、どっちもイケます。
珈琲を抽出するブリュワーやバリスタ、また珈琲を焙煎するロースターといった職種は、自らのスキルを持つプロフェッショナルです。
同時に、珈琲店で働くスタッフが普段「どんな珈琲を飲み、器具を使っているか」「どんな店を利用しているか」は本業とリンクします。
つまり、SNS発信と相性が良いんです。
そして、
こうしたSNS発信に長けた、ブランドとなるスタッフがいる珈琲店は、今後さらに力を増すと言えます。
そのために珈琲店がすべきことは、
スタッフ選びに妥協しないこと。
・珈琲がマジで好き
・その店もマジで好き
・野心がある(←難しいけど大事)
この3点は押さえないとダメですね。
スタッフから好かれるような魅力ある店づくりは大前提。
あとはこういったスタッフが見つかれば、
その店の全てを教えること。
単なる労働力ではなく、ブランドとして育てていくことです。
そして、将来的にそのスタッフが影響力を持って独立を考えたとき、しっかりと背中を押す。
ここまでしっかりセットにしておきましょう。
そのスタッフは店を去ってなお、きっとその店のブランドです。
当然、アカウント上で問題が起きた際のリスクは存在しますが、上手く使うことで企業も個人も、それぞれの強みを補完し合うことでより大きな効果を生み出す「新たな手段」でもあります。
手段は生まれました。
やはり問われるのは、
企業と社員、店とスタッフ、それぞれの信頼関係ですね。