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夏企画【実話:白い女】

二十歳の、わたしは、お酒を飲みました。
友達の、家で、楽しく、ほろ酔いで眠る。

「うう…帰るね」

真夜中、目が覚め、帰り支度をしました。
お酒は、抜けた気がします。たぶん。

午前二時かな。三時かな?
真夜中、実家の前まで、来たわたし。
わたしの、実家は、ちょっとした坂の上。

あれ?
坂の下に、だれか、いる?

外灯がない、月明かりの、下。

女だ。白い服を着ている、女。
うつむいて、立っている、女。

あれ?
今、真夜中だよ。丑三つ時。

近くにお店なんかないし
民家もあんまりないんだ。
あるのは、わたしの実家。

だれだ?この、女。なに、してる?

思わず、車を停めて、女をみていた。

ふと

白い女が、顔を上げた。

たぶん、わたしと目が合った。

同時に、白い、女は、動いた、ゆっくり。

左右に、ゆれるような動き
明かりを、手に、持っている?
ゆらゆらと、近づいている、わたしに

わたしの、あたまは、うごかなかった。
でも、わたしの、からだは、うごいた。
いっさい、ムダのない、うごきで
車は、坂を上り、転がるように、車から出て
機械のように、カギを開け、実家にはいった。

おくれて、わかった、どきどきどき。
うるさいくらい、うごいていた、しんぞう。

・・・

白い女は、それっきり。
まあ、見たくも、ない。

でも、白い女は、なんだったんだ?
目が、合ったはず、でも、おぼえていない。

白い服、黒い髪、手には明かり…?

いや、手じゃ、ない。
あの、明かりは…手に、持って、いない。

ひたい…?こめかみに…?
しばりつけて…?

ゆらゆらと…?

白い服は、もしかして…


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