サザコーヒー
「はい、これお土産」
嫁様は私によく物をくれる。
正直な話、私は人に物をもらうのが苦手だ。
あんまり大きな声では言えないのだけども
もらってうれピー!よりも
お返しめんどくさ!が勝ってしまうためだ。
お土産とかお歳暮とか、そういったものが
苦手。というかハッキリ言うと嫌いなのだ。
特に職場の知り合い程度の人からもらうと
表面上では「わあ!」とキラキラするけど
心の中では「ぐあ!」と苦虫を噛みしめる。
あの謎の贈り物文化は絶滅してくれていい。
しかし…例外的にマルセイバターサンドは
誰からもらっても嬉しい。小躍りしちゃう。
できる限り最高のお返しをしたくなるのだ。
・・・
さて、そんな贈り物が苦手という
へそ曲がりな私なのだけどやはり
大好きな嫁様からもらうとなると
話は違う。正直めっちゃうれしい。
ガム一粒だろうと超うれしいのだ。
そうしてテンションが上がった私は
毛量が多い嫁様の頭をわしゃわしゃしたり
シャープな嫁様のノドを思いっきり撫でて
ふっくらな嫁様のお腹をぐりぐりとさする。
おしゃま猫にちょっかいをかけるかのように
お返しを行動で表現したくなってしまうのだ。
あ。
ここまで書いて気付いたのだけど
私はきっと
感謝をスキンシップで表したいのだと思う。
「ありがとう、うれしい、お返ししたい!」
そう思ったとき、私の取りたい行動はハグ。
つまりは、抱きしめて感謝を伝えたいのだ。
とはいえ、ここは島国ニッポン。
さりげないハグ文化が全く浸透してないので
顔面偏差値が高い芸能人的な男ならまだしも
私のような男が誰彼構わずハグしてしまえば
最悪の場合訴えられてしまいそうではないか。
しかし唯一、ハグをしても犯罪にならない人。
それがパートナーたる嫁様である。
ハグって素晴らしい!
私は声を大にして言いたい。
ハグを気兼ねなしにできるだけでも
結婚して良かったぞう!わっはっは。
・・・
ええと、そんなわけで私は
嫁様からもらうものは何でも嬉しいのだけど
今回は超絶嬉しいお土産を頂いちゃったので
紹介したかったんですね。前置きが長いッ!
それがこちら、サザコーヒー。
ドリップパックセット×9種。
・・・サザコーヒーって、なんだ?
知らないぞ。聞いたことないぞ。
「あらら、夫くん。ご存じない?
かのサザコーヒーをご存じない?」
なんだいきみ、やけに煽るじゃないか。
そうだよ、ぼくだって知らない珈琲屋さんは
ごまんとあるんだよ。
「サザコーヒーっていうのはねえ
茨城県で有名な珈琲屋さんみたいなの。
将軍珈琲っていうのが有名みたいなの」
きみが買ってくれたドリップパックに将軍珈琲
入ってるね。そう言われると飲みたくなるよね。
「あ、わたしが飲むからね。将軍珈琲。
夫くんは違うやつを飲んでいいからね」
お土産とは一体・・・。
「なにか言ったかしら」
いいえ何も。
じゃ、じゃあこれをいただこうかな。
モカ。
「ありゃ、夫くんモカ苦手じゃなかった?」
ふふふ。
苦手なものを先に飲んでしまえば
あとは美味しいものだけが残るだろう。
さあ、お湯が沸いた。淹れてあげよう。
「ふむ。将軍珈琲おいしいね。いいねこれ。
夫くんのモカはどう?おいしい?」
こ、これは…
「どうしたの固まっちゃって」
ちょっと待って。ちょっと待って。
これ、滅茶苦茶美味しいよ!?なんだこれ!
「ありゃ、そんなにおいしいの?」
どういう理屈だろう??
普通ね、ドリップパックの珈琲っていうのは
そこまで美味しくないんだよね。
どんなに良くても70点が限界、みたいな。
挽きたて淹れたての珈琲には敵わないはずなの。
「ほう」
それがさ、サザコーヒーのドリップパックは…
異常に美味しいんだよ!なんだこれ?
風味も味も素晴らしいよこれ。すっごい!
もしかしてこれ、高い?高いやつなの?
「うーん、値段は忘れちゃったけど
サザコーヒー自体は高級路線みたいだね」
だから珈琲粉が12gも入ってるのか。
(一般的なドリップパックは8g)
いやしかしこれ、すっごい美味しい!
こんな美味しいモカ初めて飲んだよ!
ありがとうね!撫でてあげようわしゃわしゃ。
「やめい!」
・・・
というわけで最高のお土産
サザコーヒーを堪能した私。
茨城の他にも都内とかにお店があるらしいので
機会があれば行ってみたいなぁと思いました。
うーむやっぱり嫁様のお土産は素晴らしいぞ。
ぐびぐび。