夕食後のフロトーク
温泉の動画を観ていた。
おうおう、たまらんな。
我ながらじじむさいぜ。
「それ、どこの温泉?」
嫁ちゃんが喰いついた。
私達は温泉大好き夫婦。
喰いつくのは当たり前。
鬼怒川温泉だと伝える。
猫缶を見た猫のように
目を輝かせる嫁ちゃん。
「行ってみたいね!鬼怒川!」
鬼怒川は行ってないか。
そこまで考えてピンと
思いついた。質問した。
なあ、我が嫁ちゃんよ。
ここにどこでもドアが
あるとするじゃないか。
「うん?…うん。あるね!」
日本全国の温泉地でさ
一番行ってみたい所は
どこなのだ?答え給え。
「えっ、どこでもいいの?」
どこだって良いのだよ。
「別府温泉!!!」
即答。迷いがなかった。
別府に何か思い入れが?
何か途轍もない魅力が?
「おや?夫くん、もしかして
別府温泉の魅力をご存じない?」
ご存じありまおんせん。
(最近オヤジギャグを
言いたい病に罹ってる)
「温泉の量がハンパないのよ!
種類だって蒸し風呂にサウナに
泥湯なんてのもあるんだから!」
ど、泥湯?泥パックか?
そんなのまであるんだ。
キミ、温泉に詳しいね。
「いやあそれほどでも。ふふん」
豊富な温泉数はイイね。
いくらでも入れそうだ。
いつか行ってみたいね。
「夫くんに聞きたいんだけど」
なんでしょう嫁ちゃん。
「本気出したら、何回入れる?」
どういうことなんだい?
質問の意味が不明だよ。
「だからね、夫くんがその気になったら
一日のうちに何回入浴できる?ってこと」
えっ、本気を出したら?
うぅん、一寸待ってね…
そうだなぁ、6回かな。
「6回も入るの!?ヤバッ!」
そういう君は何回だい?
「わたしは4回で限界だよ」
や、意外と少ないんだ。
8回くらい行けないの?
「わたしは入浴時間が長いからね」
あ、そうか。そうだね。
一時間以上入るもんね。
それなら4回は妥当か。
「そうなの。堪能しまくるのよ。
そして入る度に毎回髪洗いたい」
毎回洗うの?入浴の度?
逆に髪を痛めるんじゃ?
「そうかもしれないけどね
髪は洗ってから入りたいのよね」
ふうん、なるほどねぇ。
なんか丁寧でいいよね。
なんかキミらしいよね。
「そうだ。晩酌の流儀、更新されてるかな」
栗山千明のドラマだね。
きっと更新されてるよ。
急冷極上珈琲作るから
飲みながら一緒に観よ。
「おっ、いいね。じゃあアイスをあげよう」
たい焼き形のアイスだ。
ありがとう、もぐもぐ。
そして夜は更けていく―
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