最高の「ととのう」
私はサウナが大好き。
…いや、ちがうな。
私はサウナが好きだったけど
最近もっと好きになった。
…いや、ちがうな。
私はサウナが好きでも嫌いでもなかったけど
嫁と張り合っていたら最高に好きになった。
うーん、こんな感じ。
・・・
サウナって、ギャグマンガにおける我慢施設?
そんな認識しかなかったんだよね。
男と男が暗黙の了解で「先に出た方が負け」と
睨み合って、限界ギリギリまでサウナバトル!
全身汗ダラダラでも余裕たっぷりに振る舞う。
先に出たら男として負け。ダサい奴。敗北者。
そのくだらなさが面白いのよね。伝わるかな。
普段読んでるギャグ寄りのマンガで
サウナが出てきたら「当たり回」みたいな。
まあ、とにかく、私にとってサウナとは
裸の男と男が我慢比べをする場所という
誤った認識を持った場所だったわけです。
・・・
「わたしサウナ好きだよ」
嫁と出会った頃にこんなことを言われた私は
なんだと!?と耳を疑いました。
しかしよくよく聞いてみたらミストサウナという
比較的やさしめのリフレッシュサウナが好き、な
だけだったんですね。ああよかったと当時の私は
なんだか胸を撫でおろしました。
ところが、です。
「ドライサウナ、入ってみたよ」
「ドライサウナ、いいね」
「“サ道”って知ってる?面白いよ」
「サウナハット買っちゃった」
「旅行で泊まるならサウナがある所いいよね」
あれよあれよと嫁が進化(?)するじゃ
ありませんか。うう、胸がざわざわする。
なんだろうこの負けてはいけない感じは…
ふーん、そうなんだと平静を装いつつも
「そのくらいぼくも知ってるけど?」と
虚構の知識と笑顔で精一杯抵抗してた私。
一体何と戦っていたのかは分からないが
なんだかここは引いたら駄目な気がする。
そんなわけで嘘を真に強制変換するため
サウナ知識を得ては実践を繰り返す日々。
絶対に負けられない戦いが、ここにある!
・・・
気が付いたら私はサウナにハマっていた。
このような自作の「ととのい手順」を
何度も更新し続けるほどにハマっていた。
そして、先日、ついに…!
「夫くんどうしたの!?」
サウナ施設から出た私を見た嫁は驚いた。
それもそのはず私の見た目は異様だった。
視線はうつろで、歩行もおぼつかなく
肩を落としているかと思えば胸を張り
ゆらりと幽鬼のごとくソファーに座る。
「夫くん、もしかして結構ととのった?」
嫁が心配の色が混じった声を上げていた。
が、しばらく何も言わなかった。
否、言えなかった。
この時の私は
人生で最高のととのい状態だったのだ。
うまく喋れない。というか意識がまだ
「向こう側」に行ってしまっている。
ただただ心地いい。この世の全てが。
視界に入るものが。聞こえるものが。
触れるものが。体内の鼓動すらもだ。
そんなわけで10分ほど「うー」とか
「あー」とかヤバい声を上げた後に
ようやく、嫁と会話ができるように。
うーん、サウナってすごい。
こんなの合法〇〇じゃないか…
・・・
あとがき。
今世間ではそこそこのサウナブームです。
たしかに、何の手順も知らずに入っても
単純に気持ちいいし、手順を知ったなら
もっともっと気持ちよくなれちゃう場所。
私はそんなにガマンや無理をしなくても
イイ感じに「ととのう」体質だったので
サウナは私に合っていると言えますけど
全ての人が「ととのう」訳じゃないです。
サウナは良い所ばかりではありません。
熱で身体に一定の負担を強いているのは
紛れもない事実なのです。我慢しすぎて
体調を崩すなど「マイナス」になる事は
決して珍しくはないのです。
自分の身体に合った健康的な使い方を!
いちサウナ好きの意見でした。
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