嫁のちいかわ熱がちょっと熱すぎる
「おかえりぃ!」
仕事から帰宅すると嫁が出迎えてくれた。
とびきり上機嫌で。
(・・・妙だな。上機嫌すぎる)
あれ?よく見ると嫁のエプロンが新しい。
おいおいおいおい嫁が
ちいかわエプロンを着てるじゃないか。
いつの間に買ったんだ!?
今日は嫁の休日。
買い物に行くと言っていたがまさか
ちいかわショッピングに行っていたのか?
「ああ、このエプロン?いいでしょ」
悔しいがエプロンはサイズも色も似合っている。
これは咎めるわけにはいくまいて。おちつけ私。
「そうそう、部屋におみやげあるから」
おみやげ?私に?なんだろう・・・?
とりあえず着替えに向かうとそこには
おいおいおーい。
なんだこのちいかわシャツは?
しかも同じサイズで二つもあるんだが?
「近所に出かけるとき着てもいいよ!」
いや着れるか!
小学生に指さされてしまうわ!
ていうかなんで二つも買ったのだ?
「そりゃ、一緒に着れると思って」
ペアルックやめろ!
リンクコーデくらいならまだしも
今までペアルックなんてしたことないだろう。
どうしちまったんだ・・・嫁!
「そうそう、お風呂沸かしておいたよ」
む、今日はサービスが良いじゃないか。
じゃあ夕ご飯の後に入ろうかな。
「これ、お風呂に入れてみてね」
おいおいおいおいおいいいいいい!
ちいかわのバスボムじゃないか!!
中から人形出てくるやつぅううう!
「あとね、掛け布団もあったんだよ」
何?まさかそれも買ったの?やめてよ
「いやー、さすがにそこは自重したよ」
良かった。嫁の理性がひとかけら残っていた。
「夫くんと車で行ってたら買ったけど」
嫁に理性なんてなかった!
涙で前が見えないまま入浴を済ますと
嫁が豆を挽いて急冷式のアイスコーヒーを
淹れている最中だった。
「はい。これ飲みたいかなと思って」
ありがとう。まったく君にはかなわんよ。
我ながら本当にちょろい夫である。