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特技トーク

「ねえ嫁ちゃん」

「なんだい夫くん」

「君の特技、教えてよ」

「なんだい藪から棒に」

「ぼくはね、君のことが知りたいわけだよ」

「ふむ」

「そこでぼくは考えた」

「ほう」

「ぼくが思う“特技”と君が思う“特技”を
それぞれ擦り合わせてみようって」

「…なに?どういうこと?」

「たとえば嫁ちゃん、君は自分で自分の
“特技”って、なんだと思う?」

「え?わたしの特技?うーん・・・」

「どう?思い当たるもの、ある?」

「あのさあ夫くん」

「なんだい嫁ちゃん」

「そもそも、特技って、なに?」

「うーんそうだね、君は普通にできるけど
他の人はあまりできないようなこと、かな」

「なるほど・・・」

「どう?何か思いつく?」

一度食べた料理を再現できること、とか?」

「おお!そういうやつだよ!すばらしい!」

「えっへっへ」

「他には?」

「え?ひとつじゃダメなの?」

「君ならもっとありそうだよ。考えて」

「うむむ…第六感がある、はどう?」

「えっ?」

「えっ?」

「何、君、霊感あったの?初耳だよ」

「いや霊感じゃないよ。第六感だよ」

「ちょっと待ってくれ。わけがわからない。
ええと、第六感って、そもそも、なに?」

「なんかピーンと来るっていうか」

「もっと詳しく」

「この人こうなんじゃね?って分かるというか」

「直感で人の善し悪しが大体わかるってこと?」

「そうそう、そんな感じ」

「なるほど、確かにそうかも」

「でしょでしょ」

「他には?」

「え~、まだ欲しいの?」

「もう一つくらい、お願い」

「欲しがりさんだねぇ」

「いつもすまないねぇ」

「んじゃあ、くじ運が強いところ」

「あ、それは間違いないね。完全に特技だ」

「でしょ」

「どうもありがとう。ここからはぼくのターン」

「はい?」

「ぼくが思っている、嫁ちゃんの特技を言うよ」

「ああ、夫くんが私の特技を言ってくれるのね」

「そうそう」

「わたしの特技って、なに?」

「まず間違いなく料理が上手いところでしょ」

「なるほど、そうくるのね」

「これは外せない。料理の天才だと思ってる」

「ふうん。他には?」

小動物や子ども、老人が寄ってくるところ」

「ああ、たしかに、寄ってくるかもね」

「あとはいつもニコニコしてるところかな」

「それって特技なの?」

「すごい特技だとぼくは思っているよ」

「ふうん、そうなんだ。なるほどね」

「いったんまとめると、こうかな」

「ふむふむ」

【嫁ちゃんの特技】
・一度食べた料理を再現できる
・第六感がある
・くじ運が強い

・料理が上手い
・小動物や子ども、老人が寄ってくる
・いつもニコニコしてる

「こうしてみると君は
料理とインスピレーションに長けた
日なたに寝っ転がる長毛種の猫って感じだね」

「猫要素どこから来た」

「そりゃもう雰囲気よ」

・・・

「じゃあ、夫くんのもやろうか」

「よしきた。じゃあ嫁ちゃんが思う
ぼくの特技を早速教えてくれたまえ」

指が柔らかいところだね」

「ん?」

「え?」

「ごめん、今なんて言ったの?」

「だから、指が柔らかいでしょ。夫くん」

「たしかに柔らかいよ。
親指が手首にくっつくし」

「でしょう」

「手の指を全て伸ばした状態から
中指と薬指を手のひらに側に下げて
人差し指と小指をくっ付ける事できるし」

「そうそう、かなり柔らかいよね」

「でもこれ、特技っていうか身体的特徴では?」

「いやあ、特技だよ。普通できないもん」

「こんなのが特技でいいのか」

「いいのいいの」

「じゃあ、他には?ぼくの特技」

何か一つのことを継続してできる、かな」

「なんだ、急にマトモなこと言い出して」

「わたしは常にマトモだよ」

「何かって、たとえば何よ?」

「noteとか、続けているじゃない」

「まあ確かに」

「あと今はやめちゃったけどゲームとかも」

「そうだね、ハマっていたね」

「それって特技でしょ」

「なるほど、他には?」

「うーん、珈琲が好きすぎるところ

「それはそうだね。特技だ」

「だよね。寝る前に珈琲飲んでも眠れるもんね」

「もうぼくの体はカフェインが効かないのかも」

「見ようによってはヤバい特技持ってるね」

「もう珈琲こいつなしでは生きられない体なんだよ」

「まあ、お酒毎日飲むよりはいんじゃない」

「だよね。ぼくもそう思う」

「んじゃ、夫くんが思う自分の特技は?」

「そうだなあ・・・」

「わくてか」

文章を書くのが好きってこと」

「まあ、毎日書いてるもんね」

人前で話すのが好きなところ

「好きなの?あれ。緊張しないの?」

「好きだよ。緊張するけど気持ちいいよ」

「変態だね」

「褒めてくれるの?ありがとう」

「…お、おう」

「あとは、関節鳴らしがすごいできるよ」

「はあ?なんて?」

「だからね、ぼくは全身の関節が
40~50箇所くらい鳴らせるんだよね」

「たしかにポキポキやってるね。痛くないの?」

「痛い所もあるけど、むしろ気持ちいいよ」

「なんでそんなことしようと思ったの?」

「なんか子どもの頃に北斗の拳を視てさぁ
主人公のケンシロウがボキボキやってるんだよ」

「はあ」

「それがめっちゃカッコよくてさ!」

「はあ…?」

「そこから特訓して身に着けたよね!」

「変態だね」

「あざっす」

「褒めてないよ」

「えっ」

「じゃあ、まとめてよ夫くん」

「そ、そうだね。まとめると…」

【珈琲次郎の特技】
・指が柔らかい
・何か一つの事を継続してできる
・珈琲が好きすぎる

・文章を書くのが好き
・人前で話すのが好き
・関節鳴らしがすごいできる

「こうしてみると夫くんは
関節鳴らしをしまくって指が柔らかい
珈琲飲みすぎの自己主張激しい男って感じ?」

「なんかトゲがない?その言い方」

「ないない。すごい特技だよ。よっ北斗の拳」

・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・

というわけで「仲良し夫婦サークル」の
企画記事を書いてみました。
自分とパートナーの認識のズレって
意外とあるものですね。
でも、新鮮な発見があって楽しい会話でした!


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