海辺の記憶
海は遠かった。
学生時代は、友人達と海辺へとバイクを走らせた。
思春期の悩み、満たされない心、将来の不安。
「なにかを教えてくれる」と言葉にしたことはなかったが、
みんなそんな気がしていた。
暑い海、寒い海、日暮れの海、真っ暗な海。
そして、それぞれの道に走り去った。
今は、古女房と温泉巡りで訪れる。
今日は朝から冷え込んだので、足を延ばした。
リバージュ日置川温泉。海を眺めてゆったり入れる。
ゆっくり温めの源泉で、温まり、湯冷ましに海辺を散策。
砂、砂利、貝がら、ノロノロと歩く。
波打ち際を眺めていると、
世界に穏やかな日々をと祈らずにはいられない。
祈り、思い、願い、愛、平和。
そうとにかく、今日の穏やかな海に、珈琲で乾杯なのだ。
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