ダイバーシティと場内アナウンス

今回は、ダイバーシティ(多様性)を考慮した海外の場内アナウンスの修正例を一部紹介させて頂きます。

使われる言葉は、それぞれの価値観が大きく作用しますよね。
なので、ダイバーシティの例を取って言葉の背景から考えてみました。

今はすっかりダイバーシティは常識

私が入社した1988年は、その3年前に男女雇用機会均等法案が制定され、女性達は高い希望と志をもてるようになってきた頃でした。

今思えば、それは働く女性達だけで盛り上がっていた感が否めませんが。。。😓

当時はセクハラ、パワハラなんて言葉さえなく、ばりばりハラスメントが蔓延してました。(個人の感想です)

今はずいぶんと良くなったものです。(これも個人の感想です)

そんなダイバーシティ。 

国や社会でそれぞれ捉え方が違います。

使っている言語から分析すると、
ダイバーシティを「受け入れてあげる」という上からの立場で実践するところと、「入ってもらいたい」という下からのアプローチに分けられるかと思います。

日本語はどちらかと言えば、上からのアプローチの言い方がメインのように思います。

例えば「多様性を受け入れる」「出産後も働き続けられるように」「障害者に配慮する」などは、よくみるフレーズです。即ち、自分達よりも弱い人達を受け入れられるように配慮してあげようという、上からのアプローチです。

海外(英語圏)では、ダイバーシティをAccept(受け入れる)するとはあまり使いません。検索すると、promote(促進する)、increase(増やす)の方が多く使われているようです。

海外では今や偏った人種や性別の組織は、それ相応のネガティブな評価にも繋がり兼ねません。よって、組織側もバランスの取れた多様性を保つのに必死です。

そして公共のイベントでも、言葉選びはとても慎重に見直されています。

そこで、最近修正された例の一部をご紹介したいと思います。

1) Ladies and gentlemen

英語で進めるイベントのほとんどは、最初の呼びかけに“Ladies and gentlemen”を使います。

このフレーズ、最近では日本航空(JAL)も時代の流れに合わせてもう使わないと発表しました。

代わりのフレーズは、”Good morning/evening, Everyone!” もしくは“Everybody”。
観客に対しては “Fans” 、機内であれば “Passengers”となるのでしょう。

2) Please stand

国家斉唱などでよく使う「ご起立ください」”Please stand“ のフレーズ。
昨年、あるアメリカの場内アナウンサーが、“Please stand, if you are able”(もし可能であればご起立ください)と、車椅子の観客に配慮して放送したことから徐々に浸透し始めています。

3) boys and girls

お子さん達への呼びかけで、“Hello, boys and girls!” (日本語では「良い子の皆さん、こんにちは!」という意味)のフレーズ。この“boys and girls”は、”folks” (皆さん)を使うことが推奨されています。

4) They is

既にご存知の方も多いと思いますが、昨年暮れに英語文法が改定され、He(男性)でもない、She(女性)でもない、中立性の方々を単数形で theyとして使用できようになりました。よって、”They is…”も正式な文法です。

以上が、ほんの一部の修正例です。

もし少しでもプラスと思って頂けましたら、今後のために、スキをお願いします! コメントも大歓迎です! よろしくお願いします。

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