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白いダイヤモンド


土用の丑の日に多くの家庭の食卓に並んだであろう鰻。 

ほとんどが養殖物。 

シラスウナギというニホンウナギの稚魚を川で採捕して育てる。 

鹿児島は養鰻業がとても盛んな地域で、そのためかシラスウナギ漁も昔から盛ん。 

高値で取り引きされることから「白いダイヤ」とも呼ばれる。 


幼い頃、父がよく捕りに行っていた。 

夕方になると防寒着を着込み、 

目出し帽に胴長という重装備の出で立ちで。 

子供心に、よくこんな寒い日に川に入れるものだ、と思っていたが、 

「お父さんはねぇ、ウナギ採りが好きなんだよ( ̄ー ̄)ニヤリ」 

と母。 


たくさん採れた日は、私や妹にバケツの中を覗かせながら 

「ほら、あんた達の勉強道具のお金になるんだよ」 

と嬉しそうに笑ってた。 


お風呂を空焚きして、大目玉を喰らったこともあったっけ。 

そういえば、『西郷どん』で、吉之助や一蔵、精忠組の面々が川で鰻を捕まえるシーンがあったなあ。 

全てが懐かしい。 


8月、何度目かの父の命日が、もうすぐ巡ってくる。 

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