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今週のアニメ業界関連ニュースまとめ 2024/10/22 #168

クリエイティブよりも、ビジネス関連強めのアニメニュース・記事をキュレーションしています。
今週も海外系のニュースが目につきましたが、海外のアニメ・漫画ファンが利用する「My Anime List」には、やはり興味深いマーケティング情報が詰まっておりますね。アニメのプロデューサーやマーケッターは常にチェックした方が良いでしょう。


「推しの子」を超す勢いで海外のファンが急増中…日本の高校を舞台にした異色の「ラノベ発アニメ」とは

日本のアニメは海外でどのように見られているのか。エンタメ社会学者の中山淳雄さんは「学園ラブコメアニメは安定して人気だ。

「My Anime List」をベースにした中山さんの考察記事です。『神の塔』がかなり人気とのこと。『俺だけレベルアップの件』も海外で人気だったので、WEBTOONのように既に原作が海外で展開されているものは、やはり強いですね。

■My Anime List


アニメは「テレビ」でみる60代、「有料動画配信」でみる20代 好きなジャンル、昔好きだった、好きなマンガのアニメ化がフックに

株式会社クロス・マーケティング(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:五十嵐 幹)は、全国20歳~69歳の男女を対象に「アニメに関する調査(2024年)」を実施しました。

テレビは高齢者、動画配信は若者という結果ですが、アニメに限らず一般的な傾向でしょう。メディアへの接し方が世代によって異なるのは自明の理です。またアニメの視聴時間については、20代が一番長いですが、最もアニメ視聴が習慣化されているのは40代です。日本のアニメ産業のコア層は、団塊ジュニアの可能性がありますね。

アニメ業界との好循環を生み出すプラットフォームを目指す - 藤商事×アニメの新プロジェクト「anime blast」を始動

「ヒト味違う"オモシロ"さ!」をコーポレートスローガンに掲げ、パチンコ・パチスロ機器を開発・製造するメーカーの藤商事は、アニメ作品の新たな楽しみ方を届けるべく、新プロジェクト「anime blast(アニメブラスト)」を発足した。

基本的にはパチンコ・パチスロの宣伝につなげるのが目的なのでしょうけど、サイトを見る限りだと、アニメそのものの魅力を伝えるのが主になっています。会社的にはバランスが悪い感じもしますが、ここまでアクセルを踏み込んでいるとは想像以上です。メディアとしても成長するかもしれません。

韓国人観客を魅了する日本アニメ監督「韓国を見習わないと」

「AI(人工知能)技術が人の手に代わるというニュースを聞いて、AIが真似できないような作品を作りたかったんです」。

珍しく中央日報がアニメを取り上げ、映画『ルックバック』の押山清高監督にインタビューをされています。「韓国はアニメなど動画分野への国家支援が多いと聞いた」という流れで、「見習わなければならない」というコメントですね。韓国がどのような支援をしているかインタビューの中では不明ですが、日本より恵まれた環境であるようです。

伊藤忠、コンテンツ事業を強化へ 「おぱんちゅうさぎ」海外展開

伊藤忠商事は16日、アニメやゲームといったコンテンツ産業でキャラクターを商品化する権利(ライセンス)ビジネスを拡大し、5年後に関連商品などの流通総額を年1千億円規模に広げることを目指す方針を明らかにした。

海外での商品化展開はテクニカル的にもかなり難しいのですが、そこの市場に切り込んでいく伊藤忠はさすが商社らしい動きです。「おぱんちゅうさぎ」も海外でのマーケティングも済んでいるのでしょう。期待しています。

東宝、北米でアニメ製作と配給を手掛けるGKIDSを買収 北米展開強化で急拡大するアニメ事業のさらなる成長を狙う

東宝<9602>は、本日10月16日、同社の子会社(孫会社)である Toho Internationalが北米を中心にアニメーションの製作と配給を手掛けるGKIDSを買収すると発表した。

海外では、東宝はソニーグループにかなり差をつけられておりましたが、GKIDSの全株式を取得することにより、なんとなく背中が見えてきた感じがします。数年後、東宝の反撃の狼煙は、今回の買収からはじまったとなるかもしれません。

TOHO animation、8月中間の営業収入は118%増の306億円と急拡大 配信中心に全ソースが大幅増収 『ヒロアカ』けん引、『ハイキュー』『呪術廻戦』好調

東宝<9602>は、この日(10月15日)、2025年2月期 8月中間決算で、TOHO animation(アニメ事業)の営業収入について、前年同期比117.8%増の306億7600万円と大きく伸びたことを明らかにした。

こちらも東宝の記事です。アニメ事業部は絶好調ですね。劇場や配信が強いの当然としても、商品物販やキャラクターのライセンスがかなり伸びています。バランスの良い事業ポートフォリオを組まれているようです。

IGポート第1Q決算 売上急伸もアニメ制作赤字拡大、版権は「ハイキュー!!」ヒットが牽引

プロダクション I.GやWIT STUDIOなどを統括するアニメ製作大手のIGポートが、2024年10月11日に2025年5月期第1四半期(24年6月~8月)決算を発表した。

売上が伸びても、IGの制作部門は赤字から脱却できませんね。「作品の一部で制作が長期化していることやCG制作費、外注費が高騰」が原因とのこと。いずれにせよ、ここ数年のアニメの人件費はかなり高くなっているので、経営的なバランスを取るのに苦労している模様。

けものフレンズのアニメプロデューサー・福原慶匡さんがネット記事に苦言「ミスリードをさせ不安を煽るような記事」

アニメ作品『けものフレンズ』(たつき監督)のアニメプロデューサーとして、そしてポーカーの楽しさを世に伝える株式会社EGPのオーナーとして知られる福原慶匡さんが、ニュースメディア『日経ビジネス』の記事に対して苦言を呈している。

元記事を私も読みましたが、確かに過度にセンセーショナルな印象でした。ファクトが曖昧なままで、タイトルで煽るだけ煽る。今回の記事は、実際のアニメ制作現場などを取材して、一次情報を取りに行ってほしかったです。




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